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【書評:マニュアルの目的効果・作り方コツの伝授本】無印良品は、仕組みが9割のまとめ

 
書評「無印良品は、仕組みが9割」の表紙
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HOP CONSULTING
人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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さて、今回は無印良品を運営する株式会社良品計画の元・社長/会長であった松井忠三 氏が書かれた「無印良品は、仕組みが9割」の書評です。
本書は、主に無印良品で用いられているマニュアル書に関して書かれたもので、マニュアルの考え方・意味や目的、その効果などが述べられています。

「無印良品」と言えば日本でもお馴染みのお店ですね。衣服、生活雑貨、食品などを取り扱っていて、そのどれもが使いやすくシンプルなデザイン。また、オーガニック等といった自然思考も魅力の一つ。
また、日本のみならず海外でも「MUJI」ブランドを確立していて親しまれているお店です。
【注意:以下のリンク先は全てブックオフオンライン・楽天市場店(中古本)です】

【中古】 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい /松井忠三【著】 【中古】afb

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感想(1件)

今回紹介した本とは別に、無印良品の「人の育て方」についてまとめた本も出版されています。

【中古】 無印良品の、人の育て方 いいサラリーマンは、会社を滅ぼす /松井忠三(著者) 【中古】afb

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感想(0件)

まとめ(感想)

マニュアルの目的は「業務の標準化」

無印良品点のように、全国・全世界規模で店舗展開する企業にとって、「どこのお店に行っても同じ商品、同じサービスを受けられる」と言うことは非常に大切なことです。

実際、あるチェーン店が、とある地域に新規出店したのに、「(他の店舗と違って)従業員の教育が全然出来ておらず、対応が非常に悪かった」「品揃えが安定せず、欠品が目立つ」といった評判(レビュー)を受けることは珍しいことではありません。

このように店ごとにバラつきがあるとお客さんは困惑しますし、他の店舗で普通に出来ていることが出来ていないと悪目立ちしてしまい、二度とそのお店には行こうと思わない(場合によっては他の店も含めて利用しなくなる(ファンを止める))可能性すらある訳です。だからこそ、マニュアルによる「業務の標準化」と言うのは非常に大切なことなのです。

つまり、「マニュアル通りにやれば誰がやっても同じ成果が出せる」と言うのが、正しいマニュアルのあり方となります。

マニュアルの効果

「マニュアル」と言う言葉を聞くと、「受け身になる(自分で考えない)」「決められたこと以外のことが出来ない」「通り一辺倒」といったネガティブな印象を受ける方が多いと思いますが、本書ではマニュアルには以下のような効果があると述べています(無印良品の場合)。

・知恵を共有する
・標準なくして改善なし(基本なくして応用なし、守破離の考え)
・上司の背中だけを見て育つ文化との決別
 (マニュアルに明文化されることで、「見て覚えろ」や「教える際の抜け」がなくなる。人材の成長スピードも早まる)
・チーム員の顔の向きを揃える
・仕事の本質を見直せる

この中から幾つか取り上げたいと思います。

知恵を共有する

知恵や経験、ノウハウを掬い上げ、個人を組織に蓄積できるようになると言うことです。
勘やセンスといった個人に頼りがちなものも、マニュアル、ルール化することで脱・属人化することにも繋がります。

標準なくして改善なし

標準を作らないうちから、改善しようとしても迷走するだけです。
何事も基本なくして応用はないと言うこと。(守破離の「守」を大切に!)

チーム員の顔の向きを揃える

それぞれの業務を「何の為にするのか」と言う目的をはっきりさせることがマニュアル作りの肝と言えます。この「何の為にするのか」を明文化することで、各々の判断基準で動くことがなくなり、仕事にブレがなくなり統一感をもたらします。

仕事の本質を見直せる

マニュアルを作る段階で、普段やっている作業を見直すことになります。
「この作業は本当に必要なのか」「意味があってやってるのか」「作業と目的が一致しているか、形骸化していないか」といったことを確認しながらマニュアルに落とし込んでいかなければならないので、これまでの作業に潜む無駄をなくすことにも繋がります。

マニュアルの作り方(無印流)

無印良品では「MUJIGRAM(店舗用)」「業務基準書(本部の業務用)」と言う2冊のマニュアルがあるそうで、MUJIGRAMは2,000ページ、業務基準書は6,600ページを超すボリュームだそうです。

本書では、そうした膨大なマニュアルのほんの一部が公開されていますが、僅かであっても十分マニュアル作りのヒントになります。

例えば、MUJIGRAMによれば、「レジ対応とは」以下のように定義されています。

レジ対応とは
■(何)お客様が購入される商品の代金をいただき、商品をお渡しするお客様応対です。
■(なぜ)レジは店舗業務の20%を占める重要な仕事なため。
■(いつ)随時
■(誰が)全スタッフ
※多い店舗では1日に千人のお客様がレジを通過されていきます。
※「買ってよかった」「良いお店だな」そう思っていただけるチャンスが多い場面でもあります。

引用:「無印良品は、仕組みが9割」(p.14)より/著:松井忠三

この中から2つの項目を取り上げたいと思います。

なぜ(目的)の重要性

私の中で一番の発見だったのが、この「なぜ(目的)」と言う項目です。
「作業手順」や「いつやるか(例えば月初、週に一度など」をマニュアルに落とし込むことはあっても、そもそも「なぜその作業を行うのか」と言ったことはあまり書かないのではないでしょうか。

その作業をやる意味や目的がはっきりしていると、「やらされ感」が減ると言うメリットがあります。
またマニュアルにとって重要なのは、どのように行動するのではなく「何を実現するか」ということです。

皆さんも「三人の石切り職人」の逸話を聞いたことがあると思います。
ある旅人が、村で作業をしている石切り職人に対して「あなたは何のためにこの仕事(石切)をしているのですか?」と尋ねたところ、

一人目の職人は「生活のため。金のため」
二人目の職人は「腕を磨いて、村一番の石切り職人になるため」
三人目の職人は「村人の安らぎと憩いの場所となる教会を建築しているところです」

と答えたという話ですね。(この逸話の解釈などに関しては、ネット等でお調べください)

この逸話を踏まえて考えると、自分がやっている作業、或いはこれからやるべき作業の意味・目的が分かっていれば、単純作業であってもそのモチベーションは変わってくることでしょうし、改善や工夫も促せます。

また、目の前の作業への集中という部分最適ではなく、自らが行う作業がどこに繋がっているのか(巡り巡ってお客様のためになっているなど)といった全体最適にも目を向けられるようになればさらに質の良い仕事へと繋がるはずです。

誰が

意外に大事なのが、「誰」がやるのかという部分です。
日常の仕事の中でも、「社員の皆がやるべきこと」であっても、率先してやる人と、出来る限り避けてやらないようにしている人がいます。こうしたことが日常的にあると、社員の中には「なぜ、あいつはやらないんだ」「みんながやらないといけないのに、なぜ自分だけやらされるのか」(自分がやらないとお客様の迷惑になるからやっていると言う気持ちもある)といった感情を持つようになります。
こうした小さな不公平・不平等感でも、十分コミュニケーションの弊害になるものです。

しかし、「誰がやるのか」と言うことがマニュアルとして明文化されていることで、それは「自分の役割、自分がやるべきこと」だと認識しますし、責任の所在もはっきりさせることが出来ます。
そして、注意する側も「規則・ルールとして決まっているのだからきちんとやりなさい」と指導や注意がしやすくなるメリットもあります。(もちろん、みんながやるべきことでも、実質部下ばかりさせられているような状態だと、上司からの指摘は効果がないかもしれませんが…)
また、「新人だから…、新入社員だから…」やるべきといった安易な決め方は良くありません。
雑用などをむやみやたらと役職の低い人に当てがうのではなく、きちんと作業の「目的」を鑑みてから決めるべきでしょう。

マニュアルの考え方や本質

作業手順の写真

先ほども述べたとおり、マニュアルを作成すると「受け身になる(自分で考えない)」「決められたこと以外のことが出来ない」「通り一辺倒」といったことが、マニュアルの弊害(デメリット)として言われますが、マニュアル作成は悪なのでしょうか。少なくとも本書で書かれているマニュアルの本質を鑑みれば、こうしたマイナスイメージを払拭することが出来ると思います。

電話対応1つとっても、一人ひとり色んなやり方や考え方がある

例えば、意外に企業内で不満として燻る問題が「電話対応」です。
電話対応って結構個人差が出るものなんですよね。

例えば、「何コール目までに電話を取るか」といった質問に対しても、
1コール(あるアンケート結果:約20%)、2コール(約30%)、3コール(約30%)と答えは様々です。
人によっては、3〜4コール以上なってから電話に出るなんて意見もあるようです。

このようなちょっとしたことであっても個人差が現れる訳です。
前述したように、人によっては「お客様を待たせることになるのだから、もっと早く電話に出て欲しい」「自分に掛かってきた電話ぐらい出て欲しい」とか「今、本当に手が離せないから別の誰かに出て欲しい」といった不満を抱く方もいますし、逆に全く気にしない方もいると思います。
ですが、マニュアルとして決めれられていれば、こうした不満を抱える必要もなくなるはずです。

まず、電話応対という作業はなぜやるのか。
その意味・目的を考えると、自然にどんなマニュアル(ルール)が良いのかも見えてくるはずです。

そもそも、会社に電話がかかってくるのは、「自社に対する、何らかの問い合わせや、担当者と打ち合わせ(話)をしたい」といったものです。
ですから、見るべき・考えるべき相手は、受話器の先にいるお客様であったり取引先(担当者)になります。これを自分が電話をかける側になって考えれば、いち早く電話が相手に繋がることを望むはずですし、電話口から聞こえてくる声もなるべくなら明るく元気な声の方が好ましいでしょう。
こうしたことを加味しながらマニュアル(ルール)を作り上げて行く訳です。

しかし、この時「相手を待たせないように、電話は出来るだけ早く取る」といった決め方をしてしまうとまた別の問題が生じます。なぜなら「出来るだけ」といった曖昧な表現だと、言葉の受け取り方に個人差が出てしまうので、「1コール以内」「2コール以内」のように、誰が聞いても分かる言葉で定めておくべきでしょう。

さて、電話応対の件はあくまで私が考えた一例ですが、会社によっては「(自社の)忙しさを出す為にわざと3コール以上待たせてから電話を取る」といった対応をする会社もあるそうです。
しかし、一方で帝国データバンクなどの信用調査会社では、電話対応の遅さは逆に「危ない会社」とみなすようなケースもあります。(電話応対に手間取るほど人がいない。従業員が退職して従業員が減ったと判断する為)

いずれにしろ「ある作業における、意味・目的」は、理念、企業文化や業種によって違ってきますので、みんなで意見を出し合いながら決めなければなりません。例えば、在席中の自分宛の電話であっても「今は作業に集中したいので、電話を取りたくない」といった時もあるはずです。
そうした生産性を優先する場合も、チーム員同士で不公平感がないようにあらかじめルールを決めるのも一つの手です。
例えば、今日の○時から○時までは、××という作業に集中して取り組みたいので、電話応対はお願いしますと言ったことプラカードに書いて机の上に置いておくといった具合です。

「それぐらい口で言えば分かるのでは?」と思われるようなことまで明文化

先ほどの電話応対の例のように作業一つとっても、個人個人がそれなりの理由と根拠を持って判断してしまい、バラ付きが生じてしまう訳です。
全ての企業の、全ての従業員が、長年連れ添った熟年夫婦のように「阿吽の呼吸」で仕事が出来れば良いのですが、そういうわけにもいきません。
ダイバーシティという言葉に代表されるように、生まれ育った環境、性格、考え方など「違い(個性)」こそが、人間の人間たる所以です。「個性」という違いは、メリットも大きいですが、同時に前述したようなデメリットもあります。
大事なのは個性を発揮すべきTPOを上手く使い分けることです。

また、著者/松井忠三 氏は、「仕事の細部こそマニュアル化すべき」と述べています。
なぜなら、お店の雰囲気(MUJIブランドの印象)というのは、商品、什器、レイアウト、照明の当たり方、スタッフの身だしなみや接客態度など極論すれば「細部の積み重ねで作られている」からです。
しかし、その「細部」こそ、個人個人で判断してやってしまいがちな部分で、社員の統一を阻む原因とも言えます。だからこそ細部までマニュアルにすることが大切だという訳です。
加えて、後述の「新入社員が読んでも分かるほど具体化することが肝」のようなマニュアルを作ることで、こうした個人のムラ、バラ付きをなくし、統一(一定のサービス)が生まれます。

新入社員が読んでも分かるほど具体的化することが肝

「仕事は人生そのもの。楽しくない、辛い、つまらない、嫌だと悩み考えながら働くのは勿体無い」という記事の中で、経営者は出来るだけ簡単な言葉で伝えるべきだという話をしましたが、マニュアル作成にも同じことが言えます。

これについて著者は、ビジネスの世界では「分かりやすく書く」とは、新入社員が読んでも理解できるような言葉で、かつ具体的に説明することであると述べています。

むしろ、どこまで具体的に説明できるかが、マニュアル作成の肝です。
電話対応の話の中でも述べましたが、言葉の使い方・伝え方が悪ければ同じ言葉でもその受け取り方は異なります。
意図を汲み取り、発言者の望む行動を取れる方もいれば、全く見当違いの行動をする方もいるのです。

例えば、「接客時にはお客様に対して丁寧なお辞儀をして下さい」と伝えても、2〜3秒で顔をあげてしまう人もいれば、10秒経って顔を上げる人もいるでしょう。

ですからより具体的に説明する必要がある訳です。
お辞儀の場合は、○秒頭を下げるとか、お辞儀の角度も○度など、具体的に落とし込むことが可能です。
マニュアルにまとめる際には、写真や図、イラストで表現しても良いでしょう。
本書の言葉を借りれば、マニュアルは「読む人によって判断軸がぶれるような作り方をしないことです。

こうした解釈のズレがなければ、新入社員やアルバイトの教育時に「教える上司や先輩によって言ってる内容が違って困惑した」と言った状況も回避出来ます。

明文化(形式知)により、派閥化(権力の集中)の防止や、人材育成のスピードアップが期待できる

マニュアルの良いところは、個人が抱える経験やノウハウを吸い上げ、組織(会社)に蓄積できることです。
センスや勘といった一見不確かなものでも、マニュアルに落とし込むことが出来ると著者は言います。
詳細は省きますが、例えば店頭のディスプレイ等のようにセンスの問われるようなものでも、その分野での決まった型をマニュアルに落とし込めば、誰でも一定レベルのことが出来るようになると、著者は言います。

少し話がそれましたが、経験やノウハウが組織として蓄積出来るようになると、属人性の排除、引いては権力(派閥)の温床を防ぐことにもなります。

「この作業はあの人が一手に引き受けていて、他の人には全くわからない」
「あの人が会社を休んだりしたら、誰も分かる人がおらず作業がストップする」
といった具合に、一人の社員がやり方やノウハウ抱え込んでいることはままあります。

マニュアルに落とし込めば、こうした属人性を排除することもできます。
そうなれば、仮に突然休職したり退職した場合でも、他の人で対応可能になりますし、更には従業員の流動性も高まります。流動性が高まるとは、従業員の異動が行いやすくなるという訳です。
異動が頻繁に行うことができれば、ある社員が一つの部門に長く留まることによる権力の集中を防ぐことにもなります。

無印良品では、頻繁に従業員の異動を行っていますし、同社では「経理は一人前になるのに15年かかる」なんて言われていた部署が、マニュアル化により2年間で一通りの仕事を覚えられるようになり、5年もあれば一人前の経理のレベルに達するようになったそうです。

そもそも人の流動化が進まないと、組織が硬直し、派閥を生むと著者は言います。
長く同じ部署にいれば少しずつ視野狭窄となり、自部署の利益のみ考えるようになり、ひいては派閥の温床となる訳です。
しかし、異動が活発であれば、一つの部署の利益にこだわる必要がなくなりますし。
様々な部署や分野を経験することで、たった一つの部署で完結する仕事はなく、前後に何らかの形で別の部署が関わっていることを否応なしに感じることができますので、部分最適ではなく全体最適の視点を得やすくなるのも特徴です。

マニュアルを作り上げるプロセスが重要であり、そして作ってからがスタート

マニュアルにネガティブな印象をお持ちの方も多いと思いますが、当然ながら「マニュアルを作ること」そのものに問題はありません。マニュアルを作ったら数年間はそのまま。次に開くときは、新しく社員が増えた時や別の人に業務移管(引継ぎ)する時といったように、むしろ、作った後の考え方だったり、使い方に問題がある訳です。

まず、マニュアル作成のプロセスの中で、作業の無駄や改善点・問題点を発見できるので、それだけで生産性の向上に繋がります。

次に、マニュアル作成時にそれぞれの作業の意味・目的が明確になると、その後の改善点や問題点に気づきやすくなります。
「何のためにそれをなすのか」が分かっていれば、こうすればもっと良くなる、作業の趣旨から外れた作は不要といった気づきも得やすくなるという訳です。少なくとも、意味・目的を考えずにただ漠然と作業を行なうよりは間違いなく効率的になることでしょう。

そして大事なことは、マニュアルを作ったらそこでマニュアル作成の仕事が終わる訳ではなく、マニュアルを作ってからが「(本当の意味での)仕事のスタート」だということです。

これは「マニュアルに完成はなく、出来た時点からその内容の陳腐化が始まる」という考え方が根底にあります。

マニュアルを定期的に見直し(最低でも月に一度)、改善を図っていくことは常に最新版のマニュアルへとブラッシュアップされ、まさしく血の通ったマニュアルとなります。

社会人で働いていると分かりますが、ある程度仕事になれ、いわゆる「仕事の型」を覚えてしまうと、そのやり方を変えることは中々出来ません。人間は安定を好み変化を嫌う生き物ですから、やり方を変えたり、改善することは意外にも難しく、いざやろうとすると多大な労力が必要となりますから、尚のこと大変です。

ですが、PDCAサイクルとしてマニュアルの定期的な改善が社員の意識や仕組みとして根付いていれば、変化への心理的な抵抗もグッと減ります。何より、マニュアルが常に最新版へとアップグレードされていることは、(マニュアルの改訂に適応できれば)それだけで従業員の仕事の質(接客レベル等)も上がっているということです。
半日や1〜2日のセミナー・研修会で学んだ内容がその後日々の業務に定着すること余りありませんが、都度改善されていくマニュアルを日々活用し、アップグレードを繰り返して過ごす方がよほど身につきますし、社員の成長へと繋がるはずです。

おまけ:なぜ残業をなくせないのか

上記関連記事でも、残業の原因について考察していますが、本書でも以下のように述べてあります。

・残業をなくす為には、デッドライン(締め切り)を設けることが一番有効。
・締め切りがあることで、限られた時間内で仕事を済ませようと、集中力が生まれ優先順位をつけて仕事を進めることが可能。
・人員増や時間増ではなく、仕事量を減らす方向に本質がある。
・仕事量を減らさず、人員も増やさず、しかし(ノー残業デイを設けるなどして)時間を減らすという不可能なことをやろうとしているから失敗している。
・経営者や上司が、いまだに残業を仕事に対する熱意の表れだと捉えているのであれば、まずはその考え方を改めることが先決。仕事への貢献度は(労働)時間で測るものではなく、結果・成果で測るべきだから。

もしあなたやあなたの会社で、手持ちの仕事を進めるに当たって、時間外労働(残業時間)を計算に入れている組み立てている場合は、考え方を改めるべきでしょう。仕事はあくまで就業時間内で終わらせることが原則ですし、企業側からしても従業員による時間外労働は割増賃金の対象となり通常より高くつくことになり、その単価もコピー代や電気代、交際費などの経費削減のレベルとは比較にならないものです。

本書にも書いてある通り、長時間残業=社員の熱意、頑張りではありません。
むしろ、残業=悪、要領が悪い、評価を下げる、といった徹底した態度で臨まなければ残業をなくすことは出来ないでしょう。

マニュアル化、標準化等に関する関連記事

本HP内でマニュアル化や標準化等について投稿した記事です。

この他にも「OJT研修とは?やり方・教え方は?マニュアル必要?時間がない、教えない、意味ないはダメ」といった記事もありますので、良かったら参考にして下さい。

まとめ

本書の言葉を借りれば、その社員しか分からないという状態は、個人の能力のレベルがその会社のレベルになってしまっているということです。
全従業員の力をきちんと総和として発揮するためには、経験や知恵・ノウハウを会社として蓄積し共有し、それをベースとしてさらに高みに改善していく必要があります。そのための一つのツールとしてマニュアルがあると言えます。
皆さんも、無印良品流を真似てマニュアルを作成してみてはいかがでしょうか。

【本記事のまとめ】
・マニュアルの目的は「業務の標準化」
・マニュアルの効果は、①知恵の共有、②基本なくして応用なし、③上司の背中だけを見て育つ文化との決別、④チーム員の顔の向きを揃える、⑤仕事の本質を見直せる、ということ
・マニュアルの作り方(無印流)
 作業に関して、何(どんな作業なのか)、なぜ(どうしてそれをやるのか)、いつ、誰がを定義する。
 特になぜその作業が必要なのかという意味・目的をはっきりさせておくことは大切
・マニュアルの考え方と本質
 細部こそ個性が出る部分。統一(標準化)するためには細部にこそこだわる必要あり
 マニュアルは新入社員が読んでも分かるように具体化しておく
 派閥化(権力集中)の防止や人材育成のスピードアップが期待できる
 マニュアルは作ってからがスタート(作り上げた時点から陳腐化が始まる)  

この記事を書いている人 - WRITER -
HOP CONSULTING
人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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