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社会保険労務士と中小企業診断士の業務内容とは?、それぞれの試験内容とは?

このページでは、一般的な「社会保険労務士」、「中小企業診断士」の業務内容について紹介しています。

「社会保険労務士」は、2018年に社労士制度創設50周年を迎え、また、「中小企業診断士」も、前身の中小企業診断員の時代から数えると65年超の歴史があり、どちらも相応の歴史を有する国家資格になります。(記事投稿時点:2018年11月時点)

知名度は弁護士や税理士などと比べると低いかもしれませんが、

社会保険労務士は、「人事・労務のスペシャリスト」

中小企業診断士は、「経営コンサルタント」

として認知されています。

特に、「社会保険労務士」は、サムライ業(いわゆる、士業)のうち一番後発の士業ですが、先般の「働き方改革関連法案」の施行や「長時間労働」「過労死」等の社会問題に対応する人事・労務のスペシャリストとしてその役割を期待されています。

社会保険労務士の業務内容って何?

社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づく国家資格です。

社会保険労務士の業務の中で、個人事業主や企業に馴染みがあるものだと、「入社・退社の際の手続き業務」や「給与計算」などが思いつくはずです。その他、就業規則の作成、人事・評価制度の構築なども挙げられます。

実際に社会保険労務士のHPを覗いてみると、(以下は、福岡県社会保険労務士会HPに掲載)

・労働社会保険の手続き・給与計算
・就業規則・助成金・人事コンサルティング
・年度更新・算定業務
・個別労働紛争のあっせん代理
・安全衛生関係
・年金の相談
といった項目が並んでいます。

ですが、社会保険労務士としては、これらは「一つの手段であって目的ではない」ということを頭に入れておかなければなりません。

社会保険労務士の目的とは?

先に述べた社会保険労務士法によれば、社会保険労務士の目的は、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること(同法第1条抜粋)」と定められています。

つまり、社会保険労務士は、「ヒト」に関する専門家として、「事業の健全な発展」と「労働者の福祉の向上」に貢献することが社会保険労務士の目的であり、果たすべき役割ということです。

同法第1条に書かれた「資する」とは、ある物事に対し材料を与えて助けとするという意味です。
ここで言うある物事とは、「中小企業の問題、お困り事」に対して材料を与え助けると解釈することが出来ます。

つまり、

企業のお困り事 材料を与えて助ける
(社会保険労務士の仕事)
労働社会保険の手続きが面倒、煩雑 労働社会保険の手続き代行
給与計算が難しい
本人以外の社員に給与明細を見せたくない
(第三者に任せたい)
給与計算の代行
助成金を活用したい 助成金の申請代行

といった流れになる訳です。
(以下は、福岡県社会保険労務士会のPR動画です。再生の際には、周りへの配慮(音量等)をお願いします)

社会保険労務士にも独占業務あり。ニセ社労士にご注意を!

弁護士が「各種裁判所への出廷」や「刑事事件の弁護人が出来る」などの独占業務があるように、社会保険労務士にも独占業務が存在します。

一番有名な独占業務として、「労働社会保険に関する申請書等の作成及び届出の業務」が挙げられます。当然ながら、無資格者が行えば社会保険労務士法違反となります。最近では、「労務管理士」が社会保険労務士の業務を行うと申出をするケースも起こっています。名称も微妙に似ていますが、社会保険労務士とは一切関係ありませんのでご注意下さい。(参考:「ニセ社労士について」

「就業規則の作成」に関して:
日本行政書士連合会と全国社会保険労務士会連合会との間で意見が別れています(日本行政書士連合会のHPにある「参考資料」が分かりやすいと思いますのでご参照下さい)。
司法による最終的な判断が下されていないためこのような事態に至っていると思いますが、私が所属する福岡県社会保険労務士会は、「就業規則を作成・変更するためには、労働関係法令に関する高度の法律知識を必要とするため、就業規則の作成・変更を報酬を得て行うことができるのは、社会保険労務士に限られる」とする見解を表明しています。

私もこの見解に同意しています。自分も行政書士の資格を持っているので分かりますが、行政書士試験で学ぶ内容は、憲法、民法、行政法などです。
つまり、就業規則に密接に関係する労働法関係(労働基準法、労働契約法など)を学ぶ機会はありません。労働法を知らない、あるいは勉強していないのに、どうやって就業規則を作成できるのか不思議でなりません。
「就業規則はいつまでに作成?、いつから有効?」にも書いている通り、就業規則は労使間のトラブルの防止に役立つものですが、労働法も知らない方々によって作られた就業規則が、いざとなった時に本当に役に立つのか甚だ疑問が残ります。

中小企業診断士の業務内容って何?

中小企業診断士は、「経営コンサルタントを認定する唯一の国家資格」ということで通っています。

業務内容を一言で言えば、中小企業診断士は、企業の経営に関するアドバイスを行います。
経営に関するアドバイスといってもその範囲は様々です。経営方針や売上に関すること、ヒト(労働者)に関すること、業務改善など生産性に関することなど多岐に渡ります。
それらに対して解決方法やアイデアを提案していくことになります。

中小企業診断士に独占業務はない。だからこそ可能性は無限大!!

また、中小企業診断士は、先に述べた社会保険労務士やその他の資格(医師や弁護士など)と違い、業務独占資格(資格がなければ業務を行ってはならない)とする規定はありません。

つまり、「中小企業診断士だからこそ出来る仕事」や「その資格を持っていないとやってはいけない(やれない)」、といった仕事は存在しないということです。
だからこそ、「経営コンサルタント」っていうのは誰でも名乗れるから、「(中小企業診断士の)資格なんて取らなくてよい、取っても意味がない」なんて揶揄されてしまうのでしょう。(但し、「中小企業診断士」という名称は経済産業省への登録が必要なので、誰でも名乗れるというものでありません)

独占業務がないということにFOCUSしてしまうよりも、むしろ「(診断士)だからこそやれる仕事がある」という逆転の発想が大切です。
他士業の独占業務以外は何でもやれると開き直れば(?)、なんだってやれる可能性があります。
例えば、中小企業診断士は、企業の売上アップのため、ビジネスモデルの創造や既存ビジネスの深耕などのアイデアやその施策に関するアドバイスが求められる訳ですから、それらの考えを自らのビジネスに応用しない手はありません。

1発合格者が語る2つの資格の試験内容(感想)について

もしかしたら、この記事を読んで社会保険労務士や中小企業診断士の仕事に興味を持つ方もいるかもしれませんので、私なりにこれら2つの資格の試験内容について紹介しておきます。

社会保険労務士の試験はどんな感じなの?

まず、社会保険労務士試験は近年難化しています。最近では、2015年に合格率2.6%と過去最低を記録するなど、受験回によっては司法試験予備試験や司法書士試験並みの難易度になることもあります。

しかし、そんな低い合格率にも関わらず、資格試験としての人気は高く、取りたい資格ランキングでも毎年上位に位置しており、ある程度一般的に認知されている資格と言えます。

毎年4万人ほどの方が受験している資格ですが、受験者の多くは30〜40代です。しかも、受験者全体の6割が会社員ということですから、企業の人事担当者や、社会人などがスキルアップの一環として受験しているものと思われます。
とは言え、スキルアップだと思って甘い考えで資格を目指すと痛い目をみることになりかねないのは、先の合格率の低さから想像出来ると思います。

当然ながら、国家資格だということもあり試験範囲は広大です。(注:詳しい試験内容は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトをご参照下さい。)

簡単に説明すると、労働基準法、雇用保険法などの労働法令科目と、健康保険法や国民年金法などの社会保険法令科目とに別れています。
科目数としては7教科になるのですが、その中の1つに労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識というものがあり、これら一般常識の出題範囲に該当する法令は数十にも及びますし、統計問題も出題されるので、とても1年程度の受験期間で全てをカバーすることは出来ず、一般知識の科目は、非常に対策が立てずらいというのもこの試験の特徴でしょう。(行政書士試験も似たような出題範囲があります)

とはいっても、この試験は基本的に暗記(の試験)だと思っています。(だからと言って、理解力が全く要らないという訳ではありません・・・。)
8月に行われる年に1度の試験に向けて、「覚えては忘れ、覚えては忘れ」をひたすら繰り返す忍耐の世界です。
(整理・記憶→定着→一部忘却、整理・記憶→定着→一部忘却といったスパイラル)

合格率40〜50%の資格であれば、最後の1ヶ月位で追い込みをかければ合格出来る人も多いと思いますが、この資格に関しては、毎日コツコツ勉強しないことには合格出来ない試験だと思います。

「【資格勉強法】社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士に合格した勉強のコツ10選」にも書いているように、ある程度の勉強量をこなさないことには、合格ラインに近づくことすら出来ません。
また近年、選択式(各科目3点以上という足切りあり)で教科書や問題集にも載っていない難問が出題されることがあり、択一式や合計では合格点に足りているのに、足切りにあってしまう受験生が多く、最後は運頼み、神頼みのところもあります。

<社会保険労務士の合格体験記>

まずは、800〜1,000時間の勉強時間を一つの目安として真剣に勉強してみて下さい。(机に座っていても携帯をいじっていたり、ぼーっとしていた時間はもちろん抜きにして‼︎)
それを達成してはじめて、「勉強の効率(質)が・・・」「講義やテキストの質が・・・」「今回は出題された問題が悪かった」「試験が難しかった」といった不満を言う権利が出てくると私は思います。

さぁ、ここまで読んでそれでも興味がある方はLet’s Tryです。
何故なら、資格試験は、「試験を受けてみたい、目指してみたい」と思った時が一番モチベーションが高まっていると言われているからです。
(注:詳しい試験概要は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトをご参照下さい。)

中小企業診断士の試験はどんな感じなの?

中小企業診断士は、2016年に「取得したい資格ナンバーワン」になったこともあるほど、ビジネスマンに人気の資格です。

その理由としては、経営(ヒト、モノ、カネ、情報)について幅広く学ぶことができるので、取得すればどの業界でもそれなりに役立つだろうと考えられているからだと思われます。
とは言っても、約1,000〜1,500時間の勉強が必要な上、1発合格出来る確率は約4%です。社会保険労務士同様軽い気持ちで受験するにはハードルが高い資格と言えます。

ただ、この資格を目指す方が期待している通り、勉強する内容は、経済学、経営理論、運営管理、マーケティング、人事・労務、IT(情報システム)、財務(ファイナンス、会計)、経営法務(民法、商法)、中小企業政策など、多岐に渡るためビジネスマンとしての力が一段も二段もアップするのは間違いないと思います。(そういう意味では経営幹部などの方が向いていますが、もちろん、一般社員の方でも十分メリットはあります)
(詳しい試験内容は、「一般社団法人中小企業診断士協会のHP」をご覧下さい)

人間とは都合が良いもので、自分の見たいもの、聞きたいものだけを選んで受け取っている生き物です。
例えば、新しい自動車やパソコンを買いたいなぁと思い始めると、それに関すること(新車やパソコンのスペックや値段、人気など)に注意が向くようになりますよね?

それと同じようで、中小企業診断士の資格取得を通じて様々な分野を学ぶことで、色んな分野の情報にアンテナが立つようになります。経営者の方と話をしていても、様々な話題に対応できるようになります。また、その場では即答できない質問でも、様々な分野に触れているので答えまでアプローチしやすくなる(当たりがつけやすい)ということも言えるでしょう。

さて、試験内容について簡単に説明します。
まず、試験は2日間に分けて行われますので、体力面・知識面ともに結構ハードな試験です。
しかも夏場のとても暑い時期に試験が行われるので、試験会場に行くだけで汗びっしょりなんてこともあり得ます。
受験生時代は、友人達と試験会場の近くにホテルを取り前日入りして試験に臨みました。
また、試験1日目が終わった後は、(2日目は暗記三兄弟(*後述)ということもあり)、お酒を飲みながら夕食を取ったりしたのでリラックスして臨めたと思います。(とはいえ、初めて受ける国家資格だったので試験直前や試験中は緊張しましたけど・・・。)

試験科目は7科目となりますが、それを大雑把に区分すると理論系と暗記系に別れます。

理論系は、「経済学・経済政策」と「財務・会計」。暗記系は、「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・中小企業政策」で暗記三兄弟とも呼ばれています。そして、「企業経営理論」と「運営管理」は理論系と暗記系の中間に位置するといった感じです。

特に、「経済学・経済政策」、「財務・会計」は暗記ばかりではなく、理論・理屈で覚えないといけない部分も多く、この2科目については、受験生時代に大変苦労した記憶があります。

前述した社会保険労務士の資格と同様に、やはり忘却との戦いです。ひたすら過去問集や模試、答練の復習をやっていた覚えがあります。

しかも、科目毎に全く内容が異なりますので(例えば、法律とIT知識など)、合格するにはいかに苦手科目を作らないかということに尽きます。
何故なら、中小企業診断士の試験は、7科目合計で6割以上得点し、かつ1科目でも40点を下回っていないことが一次試験合格の基準となります。(詳しい合格基準点は、一般社団法人中小企業診断士協会のHP等をご覧下さい)
つまり、総得点で6割以上取れていても、1科目でも40点を下回っていれば不合格となってしまうからです。人間誰しも得意・不得意が存在するので、試験科目が多岐に渡るというのはそれだけ試験対策が困難になるということです。

だからこそ弱点克服のため、中小企業診断士の試験科目に関係する(下位)資格を受験する方が多いのもこの試験の特徴です。
例えば、「財務・会計」の対策として簿記2級、「経営法務」の対策としてビジネス実務法務検定2級と言った具合です。(ちなみに私は、中小企業診断士の勉強と並行して、簿記2級、ビジネス実務法務検定2級、3級を受験し合格しています。)

更にこの試験は、7科目の一次試験をクリアしても二次試験があります。
二次試験は知識に加えて、出題された事例をもとに解決策を助言するという形式になるので、ロジカルシンキングが必要となります。さらに、二次試験の答えはブラックボックス化しています。一応、TACや大原などの受験指導校が二次試験の模範解答を発表しますが、本当の答え(質問に対してどういった答えを求められていたか)は最後まで分からないままです。実際に、口述試験(三次試験)の対策として、模範解答を見ましたが「自分はこんな答え書いていないけどなぁ」と思う解答も結構ありました(笑)。

いずれにしろ、ストレート合格出来たとしても一次試験の8月初旬、二次試験の10月下旬、最後口述試験の12月中旬まで気が抜けない戦いとなります。社会人の方にとっては長期にわたり勉強時間を確保しなければならないので、仕事とプライベートのやりくりが大変な試験と言えます。実際、私も14ヶ月間、中小企業診断士の試験勉強を最優先で過ごしましたので、それはそれは気が狂いそうになるくらいキツかったです。

<中小企業診断士の合格体験記>

中小企業診断士の試験と社会保険労務士の試験、一体どちらが難しい?

よく聞かれる話なので、ついでに書いておきます。
あくまで個人的な感想ですが、難易度順に並べると以下の通りです。

社会保険労務士試験 > 中小企業診断士試験 > 行政書士試験

社会保険労務士を1番とした理由は、出題範囲が広く、覚える量も半端ないという点と、選択式の足切りが非常にシビアという点からです。例え、合格点を取れていても、選択式が一問でも足切りに合えば無条件で不合格になってしまう上、また来年一から挑戦(科目合格等がない)というのはシンドイですね。

中小企業診断士も足切りはありますが、一応、科目合格が可能なのでその分易しいと言えます。また、一次試験に合格すれば二次試験は計二回挑戦するチャンスがもらえますので。ただ、ストレート合格となると合格率は4%程度になりますので、難関試験には違いがありません。

行政書士も一般知識等という科目で足切りがありますが、文章理解や個人情報保護など、多少得点が稼げたり出題範囲が絞れることもあるので、社会保険労務士試験の選択式の足切りよりはマシだと思います。また、実際に合格までに要した勉強時間や出題の難易度から前の2つの資格より難易度は劣るかなという判断をしました。

あくまで試験難易度の区別であり、どの資格が優れている、優れていないということではありませんので、誤解のなきようお願い致します。

<行政書士試験の合格体験記>

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