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地味目立たない見えない・やって出来て当り前の仕事も認め評価すればやる気やりがいを持つ

 
挙動不審でコロコロを持って掃除をする男性の写真
この記事を書いている人 - WRITER -
経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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世の中には、地味な仕事、目立たない仕事、見えない仕事、小さな仕事、やって当たり前、出来て当たり前の仕事等々言われている仕事があります。そしてこうした仕事は多くの場合、やる気、やりがいと言ったものを持ち辛いと言われています。

今回は、こうしたタイプの仕事がどうしてやる気、やりがいを持ちづらいのか?、更にはそうした仕事でもやる気、やりがいを持たせることは出来ないのか?について考えてみたいと思います。

「職業に貴賤なし」と言うが…

ある仕事を選んだ人のイラスト

職業や仕事に関して述べるときに出てくる考え方の一つとして「職業に貴賤なし」と言う言葉があります。

意味は以下にある通りです。

「職業に貴賤なし」
職業による貴賎の差はない、という意味の表現。
一般的には、どのような仕事も社会に必要とされているものである、働くこと・職務を全うすること・労働をして稼ぐことは等しく貴いことである、人を仕事の内容によって差別すべきではない、などといった意味合いで用いられることが多い。

引用:職業に貴賤なし/Weblio辞書

しかし、社会人であれば「綺麗事」「詭弁だ」「実態はそうではない」と感じる場面は多々あります。

例えば、
「大きい仕事、小さい仕事」
「見える仕事、見えない仕事」
「目立つ仕事、目立たない仕事」
「派手な仕事、地味な仕事」
「日向の仕事、日陰の仕事」
「表方の仕事、裏方の仕事」
「(会社の)花形の部署(部門)」
「縁の下の力持ち的な仕事」
「ホワイトカラー、ブルカラー」

と言った言葉。
同じ業界・業種の中でもこのように仕事(の内容)に優劣をつけ、使い分けているのが実情です。

また、ネット等を見ると、建設業や貸金業(消費者金融)、清掃業などは、業界人自らが「我々の業界はイメージが悪い」などと自虐的に語ったりしています。

ですが、どのような業種・業界であっても、今なお利用され存在しているのであれば「それは社会に必要とされているものであるということ」は疑いようのない事実です。

ただ、業種・業界によって、提供する商品・サービスの対価(付加価値)に差がありますので、どうしても「職業に貴賤あり」と映ってしまうのかもしれません。
しかし、付加価値に関しても、資本主義、需要と供給といった市場原理、或いは有名無名といった要素など様々な要因で決まってしまうため、必ずしもこちらが望む評価(価値・金額)を得られるものではないというのも世の中の難しいところですね。
(例えば家事(労働)には対価が発生していませんが、その価値を産出すると年収で500〜600万円とも言われます。確かに掃除・洗濯・料理をアウトソーシングしようとすればそれなりの費用がかかりますからね)

「地味で目立たない仕事、見えない仕事、出来て当たり前の仕事」は、なぜやる気・やりがいを感じにくいのか?

これは人間の視野や関心の向け方に目を向ければ、非常に簡単なお話です。

人間は「目立つもの」「大きいもの」「派手なもの」に目を奪われがちで、「目立たないもの」「小さいもの」「地味なもの」には目が向きにくいと言った特徴があります。

例えば、会社の場合、大きな実績をあげた人(例えば営業が大きな成果をあげた、契約を取った)に対しては称賛や表彰を行うかもしれませんが、毎日コツコツやるべきことをやっている人に注目が集まり称賛されるという場面はほとんどないでしょう。

また、やって当たり前、出来て当たり前の仕事に関しても、あまり目に止まることはありません。
何故なら「出来て当たり前」だと考えているからです。

これも日常に置き換えてみると、分かりやすいかもしれません。

(セミナーでのちょっとしたアイスブレイクタイムや場合によってはクイズ番組でも使われるような内容ですが)
そこで皆さんに一つ質問です。

「(コンビニエンスストアの)セブンイレブンの三色カラーの配色と配置はどうなっていますか?分かりますか?」
(7イレブンのロゴマークを描けとかでもOKです)

という質問に対して、正確に答えられる人は案外少ないものです。
(正解は上からオレンジ、グリーン、レッド。本見出し内の末尾にイラスト写真あり)

誰しも街中を歩いて看板やお店の店頭を見れば、「あっ、セブンがある」と気づく事ができますが、
(他のコンビニや有名ストア(Docomo、アップル、チェーン店など)も同様)
逆に、その看板や店頭のデザインや色を正確に再現するのは難しいものです。
お店として見分けがついている以上、区別・認識はしているけれど、ロゴやカラーと言った詳細までは意識が向いていない訳です。

これと同じ事が、地味で目立たない仕事、見えない仕事に対しても行われていると言えます。
ですが、それ(地味な仕事等)を与えられ、仕事としてやっている人や上司等から頼まれてやった仕事を、せっかくやり終えたのにまるで存在しないかのように扱われたら、内心堪らないでしょう。

もしかしたら、最初の頃は「ありがとう」程度の一言があったかもしれませんが、日々の業務の中で何度も繰り返されたことで、それが当たり前のものとして扱われるようになれば、業務に対して「やる気・やりがい」を失ってしまうのも当然です。
(夫婦生活で、掃除や食事をしてくれる奥様に対して次第に旦那が「ありがとう」と言わなくなる状況と何だか似ていませんか?)

そうなると、仕事としてはやらざるを得ないものですから、あとはいかに機械的に淡々とこなすかということに重点を置くようになり、その業務の改善や効率化といったことには、全く目が向かなくなることでしょう。

また、当り前と言われるような仕事に対しても同じです。
(少し不謹慎かもしれませんが)東日本大震災や今回のコロナ禍で、お店に物が無い状態やお店が閉まっているといった状況が度々発生しました。そうした日常が失われて初めて、運送業やエッセンシャルワーカーの大切さを理解することになりました。多くの人が当り前のことが当り前じゃなくなったときにしか、その有り難さは実感できないものです。

私の知り合いが、2016年の4月に起きた熊本地震に被災した際に「お水だけは必ず備蓄しておいた方が良いよ。(無いと、もしもの時に非常に困る)」と注意喚起してくれていたのが印象的でした。

「プロフィール」の中でも書いている通り、熊本は「蛇口を捻ればミネラルウォーター」と言われるほど、水に恵まれており、熊本県民にとって「蛇口を捻れば水が出る。しかも美味しい水が」というのは生まれた時から当り前の光景です。
その昔(平成の時代)、福岡等で渇水による水不足が社会問題となった時でさえも、熊本は豊富な湧水のおかげで「水で困る」という事があまりなかった訳です。
(とはいえ、りんご台風などによる自然災害+停電で水の供給が途絶えた経験はありますが…)
ですが、震災により当り前が当り前ではなくなった事で、水のありがたさ、備蓄の大切さを改めて認識したというで訳です。

セブンイレブンのイラスト
(参考:コンビニエンスストア・セブンイレブンのカラーやロゴの配色や配置)

だからこそ、認め評価する仕組みが重要

地味な仕事、目立たない仕事、当り前の仕事が、見向きもされない理由は何となくご理解頂けたかと思います。

理由が分かったのなら、後は対策を講じるだけです。

「見向きもされていない」「当り前と思われている」ということは、言い換えれば
(あなたの)仕事ぶりが認められておらず、評価されていないという証でもあります。

そこで、「相手を認めているよ、評価しているよ」という態度が一番伝わりやすいのは、褒めたり、感謝を伝えることだと思います。

しかし、「会社で褒められないのは当たり前!経営者や上司が社員(部下・後輩)を褒めるのが難しい理由」「褒めない会社はサンクス(ありがとう)カードを導入-目的効果は組織のコミュ活性化や社員のモチベ向上」で述べている通り、会社で感謝されたり、褒められたりする経験は意外にも少ないものです。

だからこそ、社員が誰か(社員やお客様)の役に立っていた姿や良い行動をしていた姿などを発見し、その事実をみんなで共有し、その結果、周りから認められ「この会社に居てもいいんだ」「自分のした事がきちんと見られている」といった安心感や自己肯定感に繋がる働きかけを行うべきなのです。

以前紹介した「サンクスカード 」(外部リンク:手書きで伝えるサンクスカードアプリ)も有用なツールの一つですが、会社の特徴や雰囲気に応じて「社員の良い行動を見える化する方法」は色々と考えられますから、会社や職場の雰囲気にあった方法で、社員の行動に対して感謝したり褒めてあげられる体制を築いて欲しいと思います。

マネージャー(管理職・上司)の仕事は部下の行動を観察してフィードバックすること

「社員の良い行動の見える化」を誰よりも率先してやるべきなのは、部下を束ねるマネージャー(管理職・上司)に他なりません。

日々部下の行動を観察し、部下の良い点、良い行動などに感謝したり、褒めたりすることは、まさしくマネージャーの仕事です。当然、良い点のみならず・悪い点含めてきちんとフィードバックし、必要に応じて改善すべきことは改善させて下さい。
もし「時間がないし、(自分の仕事に係りっきりで)部下を中々褒められなくて…」なんてことを言っているマネージャーがいるのであれば、本来のやるべき仕事をやっていないのと一緒です。

そもそも、人間にとって「周りから関心を持たれていると感じること」は非常に大切なことです。

(もちろん、一人が大好きという方もいますが…ただ、自分はぼっちでも平気などと言っている人は「周りを気にしていること」の裏返しにも取れます。本当に一人が良いと思っている人は「ぼっち」などと考えないはずです)

目の前にいるのに、まるでいないかのように扱われれば誰しも悲しくなるはずです。周りから必要とされていないと感じれば、それは本人のメンタルやモチベーションにも多大に影響を与えます。
何も、毎日、長時間会話をしなさいという訳ではありません。日々、あなたの行動や発言、きちんと見てるよ、聞いているよ、という合図を送り続けてやれば良い訳です。

「やって出来て当り前の仕事」というのは主観であって、全ての仕事は会社が必要だと思って与えている仕事である

中には「当り前のことをしているのに、何でわざわざ感謝したり、褒めてあげないといけないのか」と言った反論を持つ方がいると思います。そうした方はぜひ原点に立ち返ってみましょう。

元々の始まりは、会社内で人手が足りず「誰かにやってもらわなければならない仕事や作業」があり、それをこなしてもらうために人を雇っている訳です。

つまり、
「①(人を雇ってでも)誰かにやってもらわなければならない仕事や作業がある」
→「②従業員にやってもらう」
→「③(その労働の対価として)お金を支払う」
という条件で労働契約がなされている訳です。

ですから、あなたがいくら「やって出来て当り前の仕事」と思っていても、それは会社・組織として「お金を払ってでもやってもらうべき仕事」ということに違いはないということです。主観ではなく客観的な視点で物事を見なければなりません。
そして、会社として与えている仕事が、社員の手により滞りなく行われたのであれば、それをきちんと認めてあげるべきだと思います。

また、マネージャーは部門やチームの業務内容によっては「不良品の発生を○%以内に収める」「(計上や入出金などの事務作業を)ミスなく行う」と言ったミスなく正確に作業を行うと言った系統の目標を立てたりすることがあると思います。

ミスなく正確に行うといった目標を立てた以上、日々黙々と作業や事務処理を行う社員に対して、労いや感謝の言葉を伝えなければなりません。こうした作業は、当然目立つものでもありませんし、売上と言った営業成績のように目に見えるものでもありません。ですが、例え見た目が、地味な仕事でも、目立たない仕事でも、会社・組織、或いは上司の指示に従い仕事を行なっている訳ですから、指示を守って確実に仕事をこなしている社員に対し感謝したり褒めないという理由はないでしょう。

経験的にも、我々が幼少期には親や周りから「〇〇をしてはいけない」とか「○○しましょう」と言われ、それを言いつけ通り守ることができたり、指示に従う事が出来た場合には、必ず褒められたはずです。
ちょっと極端な例えかもしれませんが、仕事もこれと同じ事が言える訳です。
地味で目立たない仕事、見えない仕事・やって出来て当り前の仕事でも、会社・上司からの指示命令に従いもたらされた結果であれば、それは感謝や褒める対象としては十分ではないでしょうか。
(もし、本当に不要で意味のない仕事であれば、それを取り除いてあげるのがマネージャーのやるべき仕事です)

まとめ

ここまで述べてきたように、地味な仕事、目立たない仕事、やって当り前、出来て当り前の仕事であっても、本を正せば会社・組織として必要な仕事、やるべき仕事だということです。

もし本当に評価に値しないような、価値のない仕事を社員にさせているのであれば、即座にやめさせてあげて下さい。
それがマネージャーの仕事であり、社員のため、生産性向上のためにも必要なことです。

そして、例え地味だろうと、目立たないだろうと、やって当り前、出来て当り前と思ってしまう仕事であっても、会社・組織の言われて通りに仕事をこなしているのであればそれを認めてあげて下さい。
そうした仕事を受け持っている社員であっても、きちんと観察すれば良い点、良い行動というのが確実に存在します。
それを発見するのがマネージャーの仕事であり、良い点良い行動に感謝や称賛(褒めてあげる)をあげれば社員のやる気ややりがいに繋がるはずです。

地味だからこそ、目立たない仕事、当り前と思ってしまっている仕事こそ、よくよく関心を向け観察してみましょう。
その時に役立つヒントは、「もしその仕事をする人がいなかったら?」「当り前と思っている事がある日なくなったとしたら困るのでは?」という視点です。

【まとめ】
(1)職業に貴賤なし。
  →でも現実には、評価や価値に違いはある
(2)「地味で目立たない仕事、見えない仕事、出来て当たり前の仕事」は、なぜやる気・やりがいを感じにくいのか?
  →仕事を認めてもらえないから
(3)だからこそ、認め評価する仕組みが重要
  →地味で目立たない仕事、見えない仕事、出来て当たり前の仕事でも、認めてあげよう
(4)マネージャー(管理職・上司)の仕事は部下の行動を観察してフィードバックすること
  →社員に関心を向け、良い点良い行動を発見し、それをフィードバックしてあげよう
(5)「やって出来て当り前の仕事」というのは主観であって、全ての仕事は会社が必要だと思って与えている仕事である
  →地味な仕事でも目立たない仕事でも、それは会社としてやってもらう必要のある仕事。会社の指示通り仕事が行われているのであれば、それは十分評価に値する
この記事を書いている人 - WRITER -
経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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