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OJT研修とは?やり方・教え方は?マニュアル必要?時間がない、教えない、意味ないはダメ

 
OJT研修をしている写真
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経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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「【原因と対策】新入社員の五月病は甘えだけでなく、OJTトレーナー、会社の責任でもある」という記事を投稿しましたが、今回はその流れで新入社員向けのOJT研修について触れてみたいと思います。

OJT研修とは?

「OJT」とは略称で、正式には「On The Job Training」と言います。
意味は、「実際に実務をやりながら育成(トレーニング)する」というものです。

「OJT」の対義語として「OFF-JT」というものもあります。
Off The Job Training」と呼ばれ、内容を簡単に言えば「座学研修」のことです。職場外での講習会や研修会を利用して知識等を身につけることを指します。

「OJT」と言えば「新入社員」のイメージ

社会人の方であれば、「『OJT』『OFF-JT』と言えば『新入社員』のためのもの」というイメージだと思います。

実際には、人事異動などに伴う業務の引き継ぎなども該当しますが、新入社員時代のOJTが一番時間をかけて丁寧に行うので、どうしても「OJT=新入社員」というイメージが強くなるのでしょう。

まずは、具体的な「到達目標」を決める

到達目標を定める写真

OJTの手法(やり方・進め方)の前段階として1つ大切なことがあります。
それはOJTの具体的な到達目標を決めておくことです。

到達目標とは、具体的に言えば「いつまでに、どの仕事がどの程度できるよう」に育てるかということです。

営業職であれば、何ヶ月以内に、自社商品を全て説明できるようになるとか。
一人でお客さんにアポイントを取って、商品やサービスを成約することが出来るようになるとか、そう言った具合です。

こうした具体的な到達目標を立てることで、目標と現在との差異を測ることができ、指導しやすくなるからです。

これには理由があって、「教える」=「出来るようになる」ではないからです。
(よっぽど優秀な人であれば別でしょうが)残念ながら一度や二度教えたぐらいでは出来るようにはなりません。

きっと、あなたが新入社員だった頃、一度や二度教えてもらった程度では出来るようにならず、何度も同じ失敗を繰り返したのではないですか?くれぐれもご自身のことを棚上げにしないようにしましょう。

先輩社員の行動を棚卸し、新入社員に1、2年後に到達すべき姿を想像させる

「具体的な到達目標」というのをもう少し身近な表現に置き換えれば、それは「先輩社員の日々の働く姿」となります。

つまり、先輩社員が日々どのような行動をしているか、その背中を見せてあげるということです。

先輩社員に新入社員が同行して横で見て覚えろという形もよく見られますが、出来ればそうした暗黙知(目でみて覚えろ)に加えて、形式知(マニュアル、明文化)化したものを用意した方が、新入社員の成長速度は加速します。

そのためには、先輩社員の行動や考え方などを棚卸しする必要があります。
その行動をする為にはどんな知識やスキル、あるいは考え方が必要かというのをまとめて明文化してあげるのも大切なことです。

そうしたことを通じて、新入社員が1、2年後にこういうことを出来るようになれなければならない、そのためにはこうしたことを覚えたり勉強しなければならないんだということを理解させモチベーションに繋げさせる必要があります。

「OJTに意味がない」と言われる理由は無計画だから

カレンダーの写真

たまに「新入社員でも、数ヶ月、あるいは最悪一年経てば、使い物になるだろう」と(勝手に)思われている経営者もいらっしゃいますが、やり方を間違えると一年経っても使い物(一人前)にならないこともあります。

ろくに手ほどきもせず、見て覚えろといった感じで新入社員に接している方々もいます。

前の見出しで述べたように、OJTの前に具体的な到達目標を立てるということは、業務の棚卸にもつながります。

例えば、
・挨拶や名刺交換、会社設備の使い方、電話応対、接客応対など基本的なスキル
・従業員として必ず出来なければならない業務
・新入社員に覚えさせたいと思っている業務
(職種的に必須のものもあれば、出来れば尚良いといった少し上のレベルの業務もあることでしょう)
・上司や先輩の業務の補助をさせる場合は、補助業務の範囲の見極め(どこまで出来るようになるか)
など業務の棚卸といっても難しく考える必要はなく箇条書きレベルで抜き出していくだけでも見えてくるものがあります。

【この辺りのことは、「はじめて従業員を雇うときに事前に押さえておきたい3つのポイント」の記事でも触れていますのでご参照下さい。】

これを元に、新入社員に覚えさせるべき業務を、その内容・難易度に応じて研修期間を考慮する訳です。

現実的には、大企業を除けば、新入社員のOJT研修は割と行き当たりばったりが多いと思いますが、業務の棚卸を行い教える業務を取捨選択することで少しは順序立ててOJT研修が出来るようになるはずです。

「今日はこれを教えて、来週はこれ」「この業務はいついつまでには出来るようになる」といった具合です。こうすることで、OJTをする側(上司や先輩)も何をしようかな?何を教えようかな?と考える時間が減ります。

よく行われるOJTは無計画で、「とりあえずこれやってみようか」とか、「先輩が抱えている業務を急遽訳も分からず手伝わされたり」とか、断片的過ぎて学習効果は半減してしまいます。
なぜなら、今、自分が教えてもらっている業務が、業務全体(取り掛かりから完了まで)のどの部分をやっているのか分からず、全体像が把握できないので自分の覚えるべき仕事という認識が甘く、印象に残りにくいからです。

たまの突発的な手伝いは良いですが、基本的には計画的に順序立てて説明、研修をしていく方が、新入社員が日々自分の成長を感じることが出来るという点でオススメです。くれぐれも新入社員はあなた(あなたたち)の作業のお手伝いで来たのではなく、戦力となるために来たということを忘れてはいけません。一人前にすることが会社の義務なのですから。

OJTのやり方で注意すべきこと

OJTで教える際に重要なのが、その業務にどんな意味や目的があるかを教えることです。それがないと、ただWord・Excelを操作するというスキルのみの話になってしまいます。

自分がやる作業が、会社の業務全体の中でどのような意味を持つのかを知っているのと知らないのでは、OUTPUTの質も変わってきます。

例えば、「電話が掛かってきたら、すぐに出るように!」と教えるだけではなく。
「なぜ、あなたが電話に出ないといけないのか?」、「なぜすぐに出ないといけないのか?」そうしたことを考えさせた上で、その理由を教える訳です。

新入社員が率先して電話に出るのは、そのくらいの仕事しか任せられないというのもありますし、どの部署にいっても電話応対というのはありますから必須の業務とも言えます。また、あなた(新入社員)が取らないと、他の方(先輩や上司)が電話に出ることになり、それまでやっていた仕事を止めてしまう事になる、など考えればいくらでも理由があります。

すぐに電話に出ることも、電話口のお客さん(取引先や顧客、一般ユーザー)を待たせないためであり、万が一待たせてしまった場合お客さんはどのように感じるか?ということを考えさせれば新入社員でも分かるでしょう。

どんな業務でも、そこにどんな意味・目的があるのかを考え・理解した上で業務をしてこなすということは大切なので、OJTの際には、そのことを意識しましょう。

OJTが上手くいかない理由は、教える側(OJT担当者)も初めて、或いは経験が浅いから

悩んでいる女性の写真

まず、新入社員を任せる事になる社員が、入社2〜5年目ぐらいで、加えて初めて新入社員のOJTを担当する方が多いというのも問題です(勿論、成長を促すという点でOJT担当者をさせてみるというのは結構なのですが…)。

働き盛りの年齢もあって抱える業務に余裕がないので、新入社員のOJTもどこかほったらかし気味になってしまいます。自分の業務(ノルマなど)をこなしつつ、新入社員を育てるのはかなりハードなことなのですから。
また、おそらく自分自身が丁寧に時間をかけてOJT研修を受けた訳ではないので、自分の時と同じような感覚で新入社員にも教えるので中々上手くいかず、結果、負の連鎖が続きます。

【原因と対策】新入社員の五月病は甘えだけでなく、OJTトレーナー、会社の責任でもある」に投稿した内容にも通ずるのですが、こうした負の連鎖を防ぐためには、OJT担当者一人に任せきりにしないことです。
さらに上の先輩、上司、ひいては経営幹部と、全社一丸となって新入社員を育てるんだという気概を持って臨むことが大切です。
ただし、基本はOJT研修のスケジュールに従うようにし、必要に応じて上司や経営層などが指導を行い、その際には少なくともOJT担当者に承諾を得て現場を掻き乱さないように注意しましょう。

会社としては、少なくとも営業職などノルマを持っている社員であれば、新入社員のOJTに時間を割かせるために一時的にノルマを下げたり、新入社員を育てることが出来たか否かで評価するといったやり方に変えるべきです。

【必見】誰でも実践出来る!OJT担当者が持つべき4つの心得

アドバイスをする女性の写真
(1)新入社員時代のOJTで、自分がされて嫌だったことはやらないこと。
(2)OJTの時に、「先輩からこんな風に教えて欲しかった」「こういった話や考え方、心構えを教えて欲しかった」ということは惜しみなく新入社員に伝えること。
(3)怒っても良いが(理想は叱る)、感情に任せて怒ってしまった場合は反省して次の日にしっかりフォロー(謝罪)すること。
(4)新入社員に関心を持ち、決して見限らないこと。

以下で、少し補足説明しておきます。表題が上記と異なりますけど、番号はリンクしています。

(1)自分がされて嫌だったことはやらない

「負の連鎖」を続けないということです。

誰しも経験があるはずです。新入社員の時に先輩(OJT担当者)から嫌なことを言われたり、嫌なことをされたり。その時は、悔しさや悲しさが溢れたことでしょう。そこで仕返しとばかりに新入社員にあてつけるようなことはしてはなりません。

部活動で、先輩から可愛がりを受けたらから、自分が上級生になった時は仕返しとばかりに後輩をいじめるなんて話がニュースで取り上げられたりしますが、それと同じことを大人になってやっているようでは、人間的に未熟過ぎます。

そもそも、残念なことに現在の義務教育では生徒側として「教えられること」は多少身につけられても、先生側の「教えること」や「教え方」を学ぶ機会がほとんどありません。だからこそ、最低限自分がやられて嫌だったことを反面教師として、新人や後輩にはしないことを勧めている訳です。

勿論、甘やかすとは違います。時に厳しいことを言うのは、指導上必要なことです。ですが、理不尽な振る舞いは行わないようにしましょう。

(2)あのとき、こんな風に教えてもらえてたら…

これも経験があると思います。

仕事を覚えて業務をこなせるようになると、「こういう説明や順序で教えてもらえると分かりやすかっただろうな」とか、「あの時言ってたことはこういう意味だったんだ」といった発見が出てきます。

そういう発見や覚えた業務を通じて自分が作り上げたより良いノウハウは、惜しみなく新入社員に伝えるようにして下さい。自分のノウハウを中々他の人に教えたくないかもしれませんが、それを伝えることで新入社員の成長スピードや理解度が深まるのであれば、出し惜しみする必要はないはずです。また、会社としてもその人しか出来ない聖域を設けることは生産性やリスクマネジメントの上でも良いとは言えません(ただし、高度な専門分野・知識などは多少扱いが別です)。

あとは、「失敗談」を話すことも有効です。
入ったばかりの新入社員にとって、先輩はなんでも出来る、なんでも分かってる雲の上のような存在(実際はそうでもないんですけど(笑))や憧れの存在となりえます。

だからこそ、先輩方の失敗談を伝えるということは大切なのです。

先輩達は、今はしっかりしているけど、昔はダメダメだった。失敗してばかりだったということが分かれば、自分も成長すれば先輩達のようになれるかもしれないというイメージが出来るからです。

かといって、舐められたらダメなので、時に新入社員の鼻っぱしを折ってあげることも忘れてはいけません。たまには先輩の凄さを見せつけてあげましょう。

(3)叱りなさいというけれど…

叱っている男性の写真

書籍などでは、怒るのではなく叱りなさいと書かれています。

「怒る」と「叱る」は、簡単に言えば「感情的」か「建設的」かの違いだと思いますが、これがまた難しいですね。

見出し(「OJTが上手くいかない理由は、教える側(OJT担当者)も初めて、或いは経験が浅いから」)の中で書いていますが、往々にして新入社員の指導担当は、若手社員が務めます。

みんながみんな人間が出来ているわけではないので、新入社員を指導する最中、どうしても感情的に怒ってしまうことがあります。言い合いになることもあるでしょうが、基本的には上下関係から先輩に口答え、反論は出来ないと思うので、お互いモヤモヤ、イライラした気持ちでその場を後にすることになると思います。

若さゆえの時もあれば、業務が忙しくてイライラしていて新入社員に当たってしまったりといったこともあるでしょう。そうした場合は、家に帰ってからでも良いので、その出来事を反省し次に繋げて下さい。

そして何より大事なのが遅くとも次の日、出来れば朝一番に新入社員を個室に呼び出し、しっかりと謝罪をして下さい。「昨日はこれこれこういう理由で怒ったような指導になって申し訳ない。次からはきちんと丁寧に指導するから」といった感じで。

先輩であろうが新入社員であろうが、悪かったこと、いけないところがあれば、しっかりと謝罪、反省の気持ちを伝えるのは大切です。
あとに引きずらないためにも重要なことです。ただでさえ、OJT担当者と新入社員の間は、一方的(悪く言えばパワハラっぽい)な関係になりやすいのですから注意しましょう。

(4)OJT担当者が見限ったらお終い

愛の反対は「憎しみ」ではなく「無関心」

かのマザーテレサの言葉だと言われいますが、実は違う人の言葉だとかなんとか…。まぁ、誰の名言かは置いておいても、非常に含蓄のある言葉。

例えば、「叱られること」は、新入社員にとっては非常に嫌なことでしょう。誰だって叱られたくないですからね。
けれど、先の名言を踏まえれば、本当は叱ってもらえるだけ有り難いことだとも言えます。新入社員のOJT研修や指導をしたことがある方なら理解してもらえると思いますが、叱ったり指導したりするのって結構エネルギーを必要とします。叱るにしろ、怒るにしろやはり精神的な疲労が知らず知らずのうちに蓄積してしまうものです。

だから、本当に愛情がなくなり見限られたら、声をかけられなくなったり、叱ってもらえなくなります。

会社だからそんなこと起こらないと思うかもしれませんが、例えば、簡単な仕事しか任せてもらえない(もしくは何も仕事を任せられなかったり)。
仕事を任せられたとしても、その成果や成果物に対して先輩や上司から何のコメントや指摘がないといったものも、期待されていないことの裏返しです。本来、新入社員の成果物に穴(指摘)がないなんてことはないのですから。

先ほども述べたように「叱る」というのは非常にエネルギーが必要なので、相手(新入社員)に関心があり、成長して欲しいと思っていないと叱れません。
何故なら、どうでも良い相手(新入社員)であれば、「叱らない」「無視する(無関心)」という選択肢を取れば済むからです(そのように扱われた新入社員は大変だと思いますけど)。
そうすれば、無駄に疲れることもなくいつもの日常を過ごすことが出来ます。

ですが、実際に新入社員にOJT担当者(先輩や上司)には、周りの方が新入社員をどのように思おうと最後まで見限らずに関心を持ってもらいたい。
直接、指導する方(先輩や上司)に見限られてしまうと新入社員はこれから先ずっと大変な思いをします。

たまたま新入社員の面倒を最初に見ることになったとは言え、それも何かの縁です。毎年新入社員が入社してくるような会社であれば、あなたにとっては何人もいる新入社員の一人かもしれませんが、新入社員にとって手取り足取り教えてくれたOJT担当者はあなた一人なのです。最後まで、新入社員の成長を信じ接することを忘れないで下さい。

やってはいけない考え方は、「時間がない」「教えない」「意味がない(諦める)」の3つ

逆にやってはいけない考え方が「時間がない」「教えない」「意味がない」の3つです。

(1)「時間がない」
OJT担当者の仕事は何も新入社員に教えることだけではありません。自分の業務も抱えています。そうなると必然的に優先順位は「自分の仕事>新入社員の教育」になってしまいます。ただでさえ、日本人は働き過ぎ(けど、生産性は低い)で時間が足りない訳ですから。基本的には、OJTのスケジュール(今日、何を教えるか)を決めたり、1日のうちこの時間はOJTに当てる、直接指導できない場合は、これをさせるなど、OJTの優先順位を上げることを考えましょう。

(2)「教えない」「目で見て覚えろ」という風潮は今でも残っています。
私が自動車ディーラーで働いていた時は、ほとんどそんな感じでした。接客ロープレもしたことがなく、とりあえず遠目から先輩の接客の様子見たり、実際に接客をしながら覚えていきました。車の知識(他社の車種名なども含む)もなかったからそれも自分で勉強して知識を取り入れたり。ともかく形式立てて何かを教えてもらったという記憶がありません(笑)。まぁ、それはそれでなんとかなる部分もあるのですが…。

とは言え、しっかりと形式立ててノウハウを教えてあげた方が、成長スピードが速いのは間違いありません。前述しましたが、自分が新入社員の時に、こうやって教えてもらいたかったということがあると思います。そのことを思い出して新入社員にも伝えてあげましょう。

(3)「意味がない」
「意味がない」というのは、「教えない」という結果から来ているとも言えます。
なかなか成長しないので「OJTをやっても意味がない」といった具合です。

そもそも、人はすぐには成長しません。
一人前になる迄には時間も必要ですし、教える側にも根気が必要です。
今の若い世代の特徴として「楽して、すぐに結果を求めたがる」というものがあります。ゲームで育ってきたので、社会人になってもその感覚(ゲーム感覚)が抜けないのでしょう。

これは、新入社員、OJT担当者どちらにも言えますが、仕事を覚えるにも、作業の質が安定するのにも、相応の訓練と時間が必要です。その間、叱られたり、自分に不甲斐なさを感じたりと嫌なことも経験します。

OJT担当者は、新入社員は「失敗する」「ミスする、間違う」のが当たり前だと思って、気長に根気よく接していくしかないです。そのための一つの目安としてOJTの到達目標を決めておくということを述べた訳です。
「これぐらいの時間と期間をかければ、だいたいこの程度できるようになる」という目安があるとOJTもやり易くなります。

資料やマニュアル(手順書)の有用性

マニュアルが入ったファイルの写真

作成に時間がかかることもあって、中小企業などではあまり重要視されていないようですが、マニュアルは大変効果のあるものです。

会社で働いている方にとっては「当たり前」であっても、外から来た人間(新入社員、転職者、派遣などの臨時職員)にとっては当たり前ではありません。実際、作業手順書のようなマニュアルがあることで作業の定着が数十パーセント高まるといった統計もあります。また、OJTや引き継ぎ用にマニュアルを作ることで、担当者の知識が体系化され理解が深まります。

確かに、時間はかかりますが、マニュアルを作ることで他の人でも容易に作業が行えるようになり、異動の際や急遽病気で休むといった際にも、業務の混乱を最小限に抑えることができますので、OJT研修でも適宜、資料・マニュアルを準備しておくことをお勧めします。
教えた後、新入社員もマニュアルを見ながら実践するので、迷ったり立ち止まったり、質問したりする回数がぐっと減ります。そうなると、OJT担当者の時間も確保できるので一石二鳥になります。

最後に一言。
マニュアルといっても大げさに構える必要はなく、まずは作業手順などを箇条書きで抜き出して、そして徐々に説明や図、コツやポイントなどを追加していくといった形でも結構です。
社内秘情報の流出などは気を付ける必要がありますが、今は携帯のカメラや動画という身近なアイテムもありますので、そのあたりもうまく使っていくと効率はあがります。(情報流出が怖ければ、社内専用のカメラとか用意しても良いかもしれませんね)
最初から「完全なもの」をと堅っ苦しく考えずに、とりあえず簡単なもので大丈夫なので作ってみましょう。

まとめ

今回は、新入社員向けのOJT研修について紹介しました。

新入社員が成長するには相応の時間と失敗が必要です。ゲームのように簡単にレベルアップして急に出来るようになる訳ではありません。
OJT担当者のみならず、上司、他の先輩、経営層など会社一丸となってじっくり育てるという気持ちが大切です。
また、極論すればOJTのやり方に「これが唯一無二の正解」というものはありません。OJTを行う側、OJTを受ける側、能力、スキル、性格含め千差万別です。OJTを行いながら、その人にあったOJTを実施することが正解に近づく第一歩だと思います。

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経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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