【書評・続 新入社員(新人)が読むべきおすすめ本】後悔しない社会人1年目の働き方の感想
【新入社員が読むべきおすすめの本5選】の記事が、思いの外好評だったので、追加でもう一冊紹介しておきます。
新たに取り上げるのは「後悔しない社会人一年目の働き方」という本で、著者は森本千賀子 氏(リクルートエグゼクティブエージェント)。
「後悔しない社会人一年目の働き方」の書評
本書「後悔しない社会人1年目の働き方」の中には、新社会人のルールとして58個のルールが掲載されています。
正直、ベテラン社員にであれば、ほとんどのルールを知っているか、或いは自らの経験から感覚的に理解したと言ったルールばかりだと思います。
ですが、新入社員、入社3年程度社員であれば、まだまだ有用なルールだと思います。
今回はこの58のルールの中から、自分の経験を踏まえても特に共感したルールを11個取り上げて紹介しておきます。
笑顔と元気は新人の役割
「笑顔と元気は新人の役割」。
これは本書の一番最初に記載されているルールです。
作者の考え方にもよりますが、著書の一番最初と最後には作者が特に言いたい内容や大切な内容を書くものだと思います。
きっと皆さんも小学生の頃は、大きな声で元気に挨拶をしていたと思いますが、思春期を経て社会人になる頃には大きな声を出すこと自体が恥ずかしくなっていたりするものです。
ですが、本書にも書いてある通り、
新入社員(新人)が会社に貢献できることは、「笑顔」「元気」「明るく大きな声」「挨拶」といったことしかありません。
「そんな子供みたいなことやっても意味ないし恥ずかしい…」と思う方もいるかもしれませんが、あながちそうでもないのです。
確かに新入社員が即戦力になることはありませんが、会社に出社した際に明るく元気に挨拶したり、元気よく返事したり、ニコニコ笑顔でいたりと…そうした元気や明るさという新入社員ならではのフレッシュさが会社にもたらす影響力は馬鹿にならないほど大きなものです。
実際にOJTの一貫で新入社員を面倒見ている時に、そうした新人らしさでこちらも元気をもらったり、気分が良くなったりしたものです。
まぁ、私自身が新入社員の時代は、元気さとか明るさとかはあまりなかったというかむしろ、「積極的ではなかった」ので、今思えばこうした所もしっかりとやるべきだったなと反省しています。
ちなみに、この新人ならではのフレッシュさ(明るさ、元気、大きな声)が大切だということは、別の投稿記事の中でも伝えていますので、そちらの記事もご参照下さい。
雑用を率先してやる
「入社してすぐの新入社員には会社に貢献できるものがない」という考えがベースになりますが、OJT、OFF-JTなりで徐々に仕事を覚えていくとはいえ、入社して数ヶ月、或いは半年程度は戦力にはなりません。
そうした中で、新入社員ができることと言えば「雑用」です。
「雑用」とは「特にスキルや経験がなくても誰でもできる仕事」と定義されています。
例えば、企画書を作る際のデータ収集だったり、ワードやエクセルへの入力、もっと簡単なものだと書類のコピーやレジュメ・DMの作成などが挙げられます。
「雑用」と言うと響きは悪いですが、一応、会社の仕事上で何らかの目的を達成する中で発生するものなので、事業活動に全く関係のないものではありません(多分)。
新入社員向けの書籍等でよく言われるように、資料のコピーを手伝う際には、どんな内容が書かれているのか、資料の作り方(まとめ方)などを見て積極的に学びましょう。
いやいや、俺は挑みがいのある難しい仕事をしたいという思いもあるかもしれませんが、「簡単な仕事や基本的な仕事が出来ない人に難しい仕事は回ってきません」。
頼まれた仕事をきちんとこなし、それを続けることで信用が積み重なり、難しい仕事を依頼しようという気持ちになるものです。
失敗は新人の特権。むしろ恥を一杯かいた方が勝ち
よく言われることですが、若いうちに色々と失敗しておくことは大切です。
というか、若いうちじゃないと失敗がしにくいというのが本音です。
皆さんも上司や先輩が失敗したら、「あれ?それって(上司・先輩として)どうなんだろう…」と不安に思ったり、実力を疑ったりするんじゃないですかね?
本書では新人や若いうちの失敗は会社へのダメージも少ないが、役職が上がるにつれ責任のある仕事が任せられるので、失敗した時の会社への影響が大きくなる。
だからこそ、若いうちに失敗をしてその失敗から学ぶことで、役職が上がった時に活かせるし、失敗を減らすことにも繋がると述べてあります。
これはOJTで仕事を教える側(先輩や指導員)から見ても、その通りです。
「本来はこんな単純なミスをしてはいけないんだけど、まぁ、新人だからしょうがないか」で許してしまうことがあります。
ですが、ある程度社歴(年数)を重ねた方が新人がするようなミスをしてしまうと、「まだこんなミスをしているのか」「成長していないな。これじゃー、使えない」「大事な仕事は任せられないな」といった感情が湧いてしまうものです。
だからといって手を抜いたり、適当に仕事をして良いということではないですが、本人なりに一生懸命やった上で間違えた場合は新入社員の頃は大抵許してもらえるということです。
許してもらえるからこそ、その間違いを2度と繰り返さないように気をつけましょう。
反発せずに一度は受け入れる(素直であれ)
新人であっても、時に会社の方針、上司の指示などに異を唱えたくなることがあるでしょう。
先に挙げた「雑用」もそうですし、意味の無い(と感じる)書類や会議、効果が薄いと思われる営業戦略など…。
本書では、そうした自分の意見とは違う場合でも、一度は反発せずに受け入れてやってみなさいと述べられています。
いざ、言われたとおりにやってみると、自分が思っていたよりも意味があったり効果があったり、勉強になったり成長に繋がったりと、良い方向に転ぶこともあります。
しかし、一度やってみた上で、どうしても納得いかない場合はその時、改めて意見を言うのが良いでしょう。
ただ、注意して欲しいことはただ文句や愚痴を言うのではなく、代替案を提案するなど建設的に意見を述べることを忘れてはいけません。
おまけ:新人の時は自分の職種に限らず、何でもやってみることが大事
「反発せずに一度は受け入れる」に関して少し持論を付け加えておきます。
主に雑用を依頼されるケースに当てはまるのですが、
例えば、自分が営業職で入社したとして、普段は事務職がする仕事があったとします。
たまたま指導している先輩(営業職)が外出している際に、事務職の方から新人の自分に対して「良かったら、やってみる?」と事務職の仕事を振られたとします。
そこで、「(生意気に)それは確か事務職がする仕事ですよね。営業職の自分が今後やることはないと思うので結構です」とか、「それは自分の仕事じゃないから、やらなくて良いです」と断るのか、それとも「ええ、是非後学のためにやらせてください」とか「やってみます」と元気よく答えるかで、その後の成長も大きく変わってきます。
職種(営業、事務、経理、法務等)によって、担当する職域があります。
しかし、仕事というのは多くの人の手を経て完成するものです。
営業が売上を出し、それを事務職が事務処理を行い、経理が再度仕訳や処理ミスのチェックをしたり、後日、財務が入出金を処理したりといった具合です。
自分の範囲だけではなく、なるべく隣接する部分や仕事の全体像(流れ)を知ることでより生産性の高い効率的な仕事が出来るようになります。
例えば、一度やってみて自分の仕事が処理されたあとの次の流れを把握したり、仕事の全体像からみた自分の仕事の役割・意味などを理解していることで、全体の仕事の流れ(営業・事務・経理・会計)の中で詰まっている部分があると感じれば、改善策が打ち出せることもあります。
特に新入社員のうちは「ただの雑用」「自分には関係ない(仕事)」と思わず、色々と主体的に手伝ってみることをおすすめします。その方が、会社がどういうことをやっているのかという全体像が見えて、自分自身の成長にも繋がります。
そして、雑用をそのまま「雑用」と思うか、まだまだ創意工夫ができるもの、或いは自分のレベルアップに繋がる雑用だと思うかでも、また違ってくることを最後に付け加えておきます。
入社1年目は、「守・破・離」の「守」
社会人一年目だと、「守・破・離」の意味自体が分からないかもしれませんね。という私も、通販会社「ジャパネットたかた」の元社長・高田が講演会の中で、能を確立した「世阿弥」の教え(考え)を大切にしていると話されていたのをきっかけに詳しく知りましたからね。
「守・破・離」というのは「世阿弥」の教えで以下のような意味があります。
・「破」はその型を破って応用する段階
・「離」はそれらに創意工夫を加え、自分独自のものを確立する段階。
この意味を踏まえて、見出しを見てもらうと、入社1年目は「守破離」の「守」の段階となっています。
つまり、「入社1年目は、基本を積み重ねることが重要」ということです。
貴方の同期の中には、様々な要因もあってたまたま大きな成果を出す人もいるかもしれません。そうした同期がいると比較されたり、自分も成果を出さなきゃと焦ったりしがちです。
ですが、いきなり「破」や「離」に到達することは出来ないので、入社1年目は焦ることなく、まずは今の自分がやれることを一生懸命やる。
そのうえで、余裕があれば将来(2年後、3年後)を見据え、必要だと思うスキルや知識を徐々に身に付けていくのが良いでしょう。
特に最近の若者は、「どこかで、すぐにでも輝かしく活躍できると思っており、うまくいかないのは他者のせい、仕事が合わないせいであり、叱る人は敵」といった根拠なき万能感を抱いている方もいるようです。
社会はそうそう甘いものでもありませんし、後述の「見出し:お叱りは期待の表れ」ということもありますので、そうした根拠なき万能感に似た考えをお持ちの方は、十分に注意したいところです。
可愛がられる新入社員になる
本書の中でしばしば「可愛がられる新入社員になるのがコツ」みたいな内容が書かれています。
というのも、「可愛い後輩」「真面目に頑張ってるようだから、ちょっと面倒をみてあげよう」といった具合に上司や先輩に思われれば、時間を作って色々と教えてくれるようになるからです。
ただ、個人的に1点加えておきたいことがあります。
この「可愛がられる新人になる」ために、変に偽りの自分を作ったりしてはいけないということです。
元々性格的に自然と可愛がられる(人に好かれる)タイプの人もいるでしょうし、逆にそうではない人もいると思います。
あからさまに暗かったり、やる気がなかったり、元気がなかったりといったものは社会人としてどうかと思いますが、自分らしさも忘れず無理のない範囲で対応する意識も大切だと思います。自分の性格や気持ちに反して無理をし続けてしまうと、どこかで決壊してしまう恐れもあるからです。
本書の中でも、「可愛がられる新人になる」ためには、第一に「素直さ」が大切であると述べてあります。
きちんと挨拶をしたり、真面目に話を聞いたり、何かしてもらったらお礼をいったり、自分のミスをきちんと認め、真摯に謝り、同じミスを2度と繰り返さないようにするなど、そうした「素直さ」や「当たり前のことを当たり前にやる」ということが可愛がられる新人になるための第一歩でしょう。
飲み会の幹事をする
「飲み会の幹事をする」と聞くと「なんだ。ただの雑用じゃん」と思われる方も多いでしょう。
しかし、私の経験から言ってもこの「飲み会の幹事役」というのは非常に有意義なもので、実は本書の中で一番共感した部分でもあります。
というのも、「飲み会の幹事をする」ということはリーダー役・仕切り役をやることになり、マネジメント力を鍛える絶好のチャンスとも言えます。
実際、幹事役を当日まで滞りなく進めるためには、プランニング能力(計画・段取り・調整)や相手への気遣い(心配り)、交渉力やキーマンを見分けて押さえる力など様々な能力が要求されます。
では、飲み会で決めるべきことと言えば何でしょうか?
・どのあたりでやるか(場所)
・どんなお店を選ぶか(何料理にするか)
・料理の金額はどうするか(場合によっては役職に応じて傾斜配分も検討)
・上司や先輩の意見(何が食べたい、好き嫌い)を加味する
・(あるかないか分からないが、万が一2次会に行くという流れになった時に)2次会はどこにするか
・いつまでに参加人数を確定し、いつお店へ連絡するか
・大人数での飲み会であれば、お店に入れるか、狭くないか等の確認
・当日、お店までのアテンド(誘導)はどうするか
・(コースであれば)会費は当日に集めるか、事前に集めるか
上記のようなことが、パッと思い浮かべられたらあなたは幹事を問題なく務めることができると思います(笑)。
例えば、「いつやるか」にしても、事前に外してはいけない方(職場の上司)の日程を押さえたり、日程自体も職場の繁忙期・閑散期、営業等の出張が入りにくい日を考慮したりする必要があります。
「立地やお店」にしても、職場からなるだけ近い方が便利(例えば、時間ぎりぎりまで仕事が出来る)ですし、参加者が食べられない食べ物(例えば、牡蠣や甲殻類などアレルギー持ち)や嫌いな食べ物があれば外したお店を選んだり、料理の金額が高すぎてもいけませんし、かといって安ければ今度は味にも影響してきます。
また、部や課の人数が多ければ、お店が狭くて移動が大変だったり窮屈だったりする可能性もあります。
リーダーとは、部下の様々な意見を集約しつつ、自分の意見や自分より上の決定権者の考え方を鑑みながら、適宜決定し実行していかなければなりません。
飲み会の幹事役も「参加者みんなが楽しめる飲み会」という目的を達成するために、その目的の阻害要因を考えて事前に潰しつつ、参加者の意見(好き嫌い、アレルギー、日程)も取り入れ、最終的な意思決定をしなければなりません。
(必ずしも全員参加が出来ない場合もあるので、そうした場合は不参加の方が不合理にならない範囲でベター案を提案する必要がある)
個人的に、飲み会が楽しめるかどうかというのは幹事の腕にかかっていると言っても過言ではありません。
料理が美味しいのは勿論のこと、お店の雰囲気や職場からお店までの移動距離(立地)、店内でゆったりくつろげるか、みんなが楽しめるか、盛り上がった場合に退店時間に融通が利くか、など気を付けなければならないことは多々あります。
「たかが飲み会、されど飲み会」と思って適当に幹事をやってしまうと、後日「あのお店全然料理が美味しくなかった」「せまくてきつかった」「掘りごたつじゃなくて足が痛かった…」なんて不満が出て思いがけないところで評価が下がる可能性もありえます。
お叱りは期待の表れ
別の投稿記事で何度も言っていますが、「お叱り」こそ、期待の表れです。
叱られた当人は嫌な気分になったり落ち込んだりすると思いますが、覚えておいて欲しいルールの一つです。
「失敗は新人の特権」とは言え、ミスや失敗には多かれ少なかれお叱りが伴います。
叱られた方(新入社員)からすれば、落ち込んだり、自己嫌悪したり、上司や先輩が嫌な奴に見えたりすると思います。
一方で、叱る側(上司や先輩)も、「叱る」という行為によって大きなエネルギーを費やしているのです。
(叱り方に気を付けていても)「叱る」ということは、相手に嫌な思いをさせますし、叱られる側も「口うるさい上司だな」「面倒な先輩だな」と思うこともあります。
人間、誰しも嫌われたり、嫌な奴だと思われたくない訳ですから、「ミスや間違いに気づいても何も言わない(叱らない)」という方が楽なのです。
ですが、新入社員の成長の為や将来会社を背負って立つ社員になってもらいたいという期待から、あえて「叱っている」のです。
本書でも述べられているように、お叱りは期待の表れです。
そして、間違いやミスを犯しても叱られなくなったときは、期待値がゼロになった、もう何も言わないと諦められた(見捨てられた)と思って下さい。
「叱られるうちが華」、くれぐれもお忘れなく。
嫌いな相手距離をおく前に相手の本質を探る
「お叱りを良く受ける相手」や「自分が苦手な相手」に対して、ぜひ活用して欲しいルールです。
上記記事でも述べていますが、人間の行動心理の中に「好きか嫌いか」という判断基準があります。
当然、自分が苦手にしている相手やよく叱られる相手、接し方が厳しい相手に対しては近寄らない傾向があります。
好きな相手には近づき、嫌いな相手(苦手な相手)には近づかないのが人間の行動心理だからです。
ですが、相手の本心は分かりません。
「見出し:お叱りは期待の表れ」で述べたように、期待しているが故に、厳しい言葉をかけたり、厳しい課題を与えたり、時に叱ったりしてくれている可能性もあります。
或いは、仕事が出来る上司や先輩は、あなたが嫌いとかではなく、ただ性格的に相手にも自分と同じレベルの質や量、やり方を求めてしまっているだけということもあります(ex.自分にも他人にも厳しいタイプ)。
相手の本心を聞くというのは中々難しいところもあります。
しかし、松下電器の創業者松下幸之助 氏は「人生の岐路に立ったとき、どっちの道を進むか迷ったときは、困難な方を選ぶとよい」と仰っています。
今回のようなケースも、安易に避けてしまうのではなく、あえて近づいてみる、仲良くなってみるということも時には必要になります。
経営者感覚を持つ
松下幸之助 氏も稲盛和夫 氏も著書などの中で、社員も経営者感覚(経営者意識)を持てと述べていますが、本書でも同じようなことが書かれています。
経営者感覚を持つことで2つの意識が芽生えると思います。
1つは、コスト意識です。
私もサラリーマン時代は自分の時給を計算して、自分のコストを意識していました。だから、集中しきれていない仕事をしてしまうと、その時給分の損が会社にかかっているんだなと気を引き締めたものです。
(会社に貢献しようと思う社員であれば(笑))
この意識を持つだけでも、就業時間中は真面目に働かないといけないという気持ちが湧くのではないでしょうか。
当然、残業をすれば、その基本給の1.25倍の費用が更にのしかかります。
果たして集中力を欠いた状態でだらだらと1~2時間残業して仕上げた仕事が、本当に会社のためになるのか?、費用に見合う効果が生み出せるのかと自問自答することにも繋がります(朝早出して仕事をした方が効率的なのはこういう理由)。
2つ目は、一人ひとりが会社を背負っているという意識でしょう。
一人一人が経営者であるということは、つまり一人ひとりが会社を代表しているということです。昨今の従業員による犯罪や事件・不祥事、SNS等での炎上など、自分が会社を背負っているという責任を持っていれば、本来無責任な行動は出来ないはずです。
例え社会人一年目であろうと、入社して数週間しか経っていなくとも、あなたが何らかの事件や不祥事を起こせば、ニュースや紙面には「●●会社の社員が○○事件・不祥事を起こした」という見出しで報道されることになります。そうすれば、あなたの会社の看板に傷がつくことになり、あなただけでなく他の従業員も犯罪や不祥事を起こしたように世間から見られることになります。
おまけ:残業代いらないので残業させてください/未来工業
岐阜にある電気設備資材等の製造販売を行う「未来工業」での逸話ですが、「残業代はいらないので、残業させて下さい」と言った社員に対して創業者である山田昭男 氏は「君が残業することによって冷暖房費や光熱費が掛かる。だから、その分を支払ってくれるなら残業しても良いよ」と言い返したそうです(記憶が曖昧ですがこんな感じのやり取りだったはずです)。
まぁ、そのように言い返された社員がその後、どうしたのかは言わなくても分かりますよね?
これもある種の経営者感覚(特にコスト意識)を身に着けさせる良例だと思います。
下記関連記事の中で述べているように、そもそも残業をさせるもさせないも、使用者側の権利であり、労働者の権利ではありません。
そういった法律を持ち出した理性に訴える反論も良いですが、よりリアルで身近な回答(冷暖房費、光熱費)で感情に訴えて本人に気付かせる方法も大切だと思います。
「当たり前」に感謝
本書の中で、「あなたが仕事が出来ているのは、多くの人から支えられているからであり、そのことに感謝しなければならない」と述べてあります。
仕事とは多くの方(違う職種)との共同作業であり、自分一人だけの力だけではないということです。
また、あなたが今こうして問題なく働けるのも、上司や先輩方による指導や事務職等によるサポート、或いは人事部や総務部による社内研修や仕事で必要な備品などいろいろなものがあってこそだということです。
上記関連記事の浦田理恵さんの言葉の中にも、「当たり前という考えから「惰性」が生まれる」というものがあります。
特に、現在はコロナ禍による景気低迷で、収入減少や失業といったことが当たり前のように起こっています。企業のコロナ禍による倒産も急増しています。もはや、会社があり働けていることすら、感謝しなければならないような状況と言えます。
だからこそ、当たり前を当たり前と思わず、あなたを支えてくれる周りに感謝ししっかりと自分の仕事(役割)を果たさなければなりません。それと同時に、今度はあなたが利他の精神を発揮し周りの方々を助けてあげなければならないということです。
本記事と合わせて読みたい新入社員が読むべき本5選
こちらの記事もご参照下さい。
感想
ここで紹介した以外にも、社会人に役立つ仕事のルールが全部で58個紹介されています。
例えば、質問魔になる、(先入観のない)新人ならではの視点で意見を言う、複数の先輩を観察し良いとこ取りをする、本や新聞を読む、財務諸表を読めるようにする、社内社外(異業種含む)の人と人脈を作るや人間関係の築き方、メンターや自分を励ます言葉を見つける、といったこと等が書かれています。
中には大企業ならではのルールというか、確かに大企業だと効果的・役立つだろうなと思うものも多々ありました。だから、ワンフロアですぐに全員と顔見知りになるような中小零細企業だと、ルールとして成り立たなそうものだったり、あえてルールに挙げるまでもないものもあるなというものもありました。
まとめ
2 雑用を率先してやる
3 失敗は新人の特権。むしろ恥を一杯かいた方が勝ち
4 反発せずに一度は受け入れる(素直であれ)
5 入社1年目は、「守・破・離」の「守」
6 可愛がられる新入社員になる
7 飲み会の幹事をする
8 お叱りは期待の表れ
9 嫌いな相手距離をおく前に相手の本質を探る
10 経営者感覚を持つ
11 「当たり前」に感謝
本記事の中で、取り上げたのは僅か11個ですが、自分自身の経験も踏まえて「これた確かにやったほうが良い」と思うものを厳選して紹介したつもりです。
とは言え、人によって共感する部分は異なると思いますので、興味を持たれた方は是非手に取って読んでみて頂ければと思います。