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会社の人事評価は好き嫌い相性バイアスで決まる-不満納得いかないどうでもいいが自然の流れ

 
人事評価が低くて驚いている男性の写真
この記事を書いている人 - WRITER -
人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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さて、今回は人事評価に関して少し触れてみたいと思います。

人事評価とは?

まず「人事評価」の定義を見てみたいと思います。

(人事評価制度に関する言い回しは色々とありますが)
人事評価(制度)とは、一定期間内における従業員のパフォーマンス(能力やスキル、仕事に対する姿勢や態度、成果等)を公平に評価し、それを報酬(給与や賞与)や等級(昇進・役職)、人材配置(人事異動)に反映させたり、現時点での成長度合いを把握し更なる成長を促すことなどを目的として運用する制度です。

人事評価が「好き嫌い相性、バイアス」で決定されている会社は意外と多い

しかし、定義通りに公平な人事評価(制度)の運用がなされて、従業員もその結果に満足しているという会社は、ほとんどないのが実態でしょう。その証拠に「何故あの人より評価が下なんだ。なんであいつの方が早く昇進するんだ」なんて声(愚痴)を聞いたことがある方も多いはずです。

100m走のようにみんなが同一条件であれば、評価(順位付け)も公平に行うことができるかもしれませんが、社員が他の人と全く同じ仕事を受け持っているということはまずあり得ません。当然ながら職域・職責差、個人差(能力、成長)などを考慮し、いかに公平に評価するかが人事制度の肝となりますが、そう簡単には上手くいかないのは皆さんの実体験からもお分かりの通りです。

各社それらしい人事評価制度はお持ちですが、その実、評価者(経営者や上司)の好き嫌いや相性、バイアス(が働くことによるエラーの影響)に左右されているというのが本音だと思います。
(もちろん、「ウチは公平に評価している」と主張する会社もあると思いますが…)

評価の決定理由を聞いてみると…

  • 最終的に社長(オーナー)の鶴の一声で決まった(評価も変わった)
  • 上司の個人的な好き嫌い
    (ex.自分が可愛がっている部下は高評価など)
  • 頑張っているから
  • 長年働いているから(社歴が長い)
  • 過去の前例を踏襲(ex.配属・異動して一年目はみんなこの評価(同じ評価)など)
  • (最悪の場合)何となく

なんて声が聞かれます。

人事評価の評価項目は、主に「能力面」「業績面」「情意面」の3つがあります。
(「情意面」とは、積極性や規律性、協調性といった態度や意欲を見る項目です)

もし会社の人事評価制度の中に能力面や業績面で明確な基準がない場合には、「情意面」のウェイトが大きく占めることになりかねません。

つまり、

  • 頑張っている人(成果は関係なく、頑張っているように見える人)
  • (評価者の)自分を慕ってくれている人
  • 会社への忠誠心がある人(ex.長時間労働(サービス残業なら尚可)を厭わない、休まず働いてくれる(有給を消化しない))
  • 明るい人
  • 元気がある人
  • 素直な人
  • 真面目な人

といった目に見える「やる気(態度や意欲)」での評価になりがちだということです。
もちろん、態度や意欲も大切な評価項目ですが、それだけが評価基準になってしまうと公平な評価と言い難いのはのは明らかです。
皆さんの会社でもこうした情意面での評価に心当たりがあるのではないでしょうか?

業績面など契約件数、売上高、利益といった貢献を数値化できるものもありますが、管理部門やサポート(事務職など)部門などは目には見えない貢献がほとんどです。また、売上高など数値化できるものも、各種サポートがあってこそ成り立つものですから、100%営業のおかげという訳でもありません。
また、日本では個人の仕事の分担や責任範囲が不明確であり、かつチームで協力しながら成果を出すものが多いので、業績面や能力面での評価が難しいといった背景もあります。

【補足】
情意評価や日本の仕事はチームプレーが前提で個々の評価がしづらいといった内容に関しては、こちらの記事「【書評:「承認欲求」「承認とモチベーション」で有名・太田肇の著書】「見せかけの勤勉」の正体(成果主義、やる気主義)」をご参照下さい)

閑話休題:バイアスによるエラーとは?(代表的な6パターン)

フィルターを通して見た風景の写真

「バイアス」とは、「傾向、偏向、先入観、データ等の偏り、思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み要因、得られる情報が偏っていることによる認識の歪み」といった意味で使われます(引用:Weblio辞書により)。

人事評価の際にバイアスが働くことで、以下のようなエラーや効果が生まれると言われています。
(人事に通じていない方でも、幾つか見聞きしたことがあると思います)

1.寛大化傾向(エラー)

評価が甘くなってしまう傾向のことです。「低評価をつけて部下に嫌われたくない」といった心理状態が働くと起きやすいと言われています。

2.中心化傾向(エラー)

評価のメリハリ(優劣)が失われ、中庸・凡庸化する傾向のことです。アンケートの5段階評価で3(普通)を選んでしまうのが典型例。

3.厳格化傾向(エラー)

評価が厳しく辛くなってしまう傾向のことです。

4.ハロー効果

評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のことです。別名、光背/後光効果とも言います。

5.イメージによる評価(確証バイアスが影響)

ある人に対して「●●さんは、◯◯な人」という印象やイメージを持っていると、それを補完するような情報を集め、「やっぱり自分の思った通りだ」と確信を強めてしまうというものです(逆にイメージを反証するような情報は集めなかったり、拒否したりします)。
いわゆる、カエサルの名言「人は見たいものしか見ようとしない」という奴ですね。
例えば、社内の悪口や噂などにより、「Aさんは仕事が出来ない人」という印象を抱いていれば、仕事が出来ないという根拠となりそうな情報(ミスや仕事が遅い)を集め、(逆にそれに反する情報は収集しなかったり拒否したりする)、イメージと評価を結びつけて確固たるものにしてしまうといった具合です。

6.自己投影効果

一般的には、自分と考えや行動が似ている部下を高く評価し、そうでない部下を低く評価する傾向のことを言います。本記事のタイトルにもなっている「人事評価は好き嫌いや相性で決まる」に多分に影響を与えているバイアスの一つとも言えます。

不満で納得いかない人事評価が続けば、次第に社員のやる気は下がりどうでもいいと感じるのは自然の流れ

仕事中にさぼっている男性社員の写真

こうした人事評価の影響もあってか、(アンケート調査等によれば)実際、社員の6〜7割の方が人事評価に対して何らかの不満を持っているとも言われています。

不満の理由も様々ですが、例えば、自己評価と社内評価の乖離評価基準が不明瞭評価者によるバラつき(評価の甘い辛い)など、といったものが挙げられます。

自己評価が高すぎるあまり社内評価とのGAPに納得してくれないといった、本人に問題のあるケースもありますが、評価者が被評価者に対して「評価の理由をきちんと説明できない」ということが不満の原因となりやすい訳です。
特に、前述の見出しで述べたような好き嫌い相性といった「情意面」で評価した場合は尚のことです。

そうなると、「自分よりあいつの方が評価が高いのはなぜか?」「なぜ自分はこの評価になったのか」といっ不満や疑問がいつまでも解消されず、評価のたびに社員の不満は溜まります。
長年これといって納得のいく説明を得られず評価もイマイチ(普通)であれば、「頑張ろうが頑張らまいが人事評価は同じこと(大して変わらない)」と判断して、今まで通りを続けたり(更なる努力改善を行わない、新しいことをやりたがらない)、多少手を抜いたりする社員が出てきても何らおかしな事ではないと思います。経営者の中には、「人事評価は昇進・昇格、報酬(給与・賞与)のアップの目安にするため」というイメージが強いと思いますが、事の他社員のやる気への影響も大きいということです。

経営者は、ステークホルダーに対して説明責任の義務(アカウンタビリティ)を有しますが、同時に社内(社員)に対しても適切な説明責任を有するということ忘れてはなりません(この場合は評価理由の説明)。

(注意:もちろん、仕事が好きだからと、報酬(お金)や評価、昇進等を気にすることなく働く人もいらっしゃいます)

GEやGoogleは人事評価をやめた?

プレジデントオンラインに「なぜアメリカ企業は人事評価をやめるのか?(著:守島基博)」という記事が紹介されています。(ググれば他にも関連記事がありますので、興味のある方は探して読んでみるのも良いと思います)

内容としては、GEやGoogleといったグローバル企業の中で、「人事評価を辞める動きがある」というものです。
とはいえ、人事評価そのものを廃止するという訳ではなく、レイティング(rating)を辞めるというものです。
つまり、社員に点数を付けたり、ランク付けをしない(No Rating)という動きです。
(こうした考えが生まれた背景には色々と理由があるようですが、その辺は今回は割愛します)

一方で、前澤友作氏が創業した株式会社ZOZOでは基本給・ボーナスは「一律同額」ということで有名でした。
ZOZOの理念に共感する人が集まれば、社内での待遇差による悪口や嫉妬も生まれずらくなるでしょう。ですが、他人よりも評価されたい、頑張りを認めて欲しいといった人には不向きな制度だとも言えます。

いずれにしろ、GEジャパン株式会社の人事本部長がとあるインタビュー内で述べているように、「評価は何のために行うのか?」。会社はこれに対する答えを人事評価制度に反映することが大切だという事です。
(ちなみに、GEでは「評価は社員の能力開発を促すためにやるものだ」と定義した結果、前述のような動きになったようです)

まとめ

【本記事のまとめ】
1 人事評価とは?
2 人事評価が「好き嫌い相性、バイアス」で決定されている会社は意外と多い 
 能力面、業績面の評価基準が不明確だと、情意面(好き嫌い)での評価がウェイトを占めてしまう
 2.1 閑話休題:バイアスによるエラーとは?(代表的な6パターン)
   寛大化傾向、中心化傾向、厳格化傾向、ハロー効果、イメージ評価(確証バイアスによる)、自己投影効果
3 不満で納得いかない人事評価が続けば、次第に社員のやる気は下がりどうでもいいと感じるのが自然の流れ
 ⇨(社員が)評価される
 ⇨でも、評価理由は不明で不満が残る
(⇨何をやれば評価が上がるのかが謎な会社も多い。また頑張ったとしても評価に反映されないことも…)
 ⇨次第に頑張っても頑張らなくても同じことだと思うようになる
4 GEやGoogleは人事評価をやめた?
 「評価は何のために行うのか?」これに対する回答(定義)が人事評価に反映されていることが大事
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人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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