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【書評レビュー・採用に役立つ参考本】採用の思考法のまとめ-自社に合う性格・価値観を重視

 
書評「採用の思考法」の表紙
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人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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採用コンサルタントの酒井利昌 氏が書いた「採用の思考法」の書評レビューです。

本書を読んで学べる5つのこと

【本書を読んで学べる5つのこと】
1.「人」とは「素材」。素材が悪ければ、料理人の腕が一流であっても美味しい料理は作れない。(採用してから育てるにも限界がある)
2.採用は競争であり勝ち負けであり、限られたパイを奪い合うもの。でも、採用する人を妥協してはいけない。
3.採用する上で一番やってはいけないことは採用基準を下げること
 採用基準を下げても良いのは以下の2つの場合のみ。
(1)お客様に提供する価値基準を下げるつもりでいること
(2)戦力化までの育成シナリオが万全にあること
※ 通常(1)はあり得ないので(2)となるが、同時に「育成する覚悟、待つ覚悟、芽が出ない覚悟」が必要となる。
4.採用活動はマーケティングや営業と同じ。(マーケティング手法(AIDAMAや4P分析)や営業時の考え方を活用しよう)
5.(主に新卒の採用活動を行う担当者向け)いい採用を実現させるための具体的なステップや考え方など

いい人財が集まる会社の採用の思考法 [ 酒井利昌 ]

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感想(1件)

まとめ(感想)

ここからは私が書籍の中で印象に残った項目(感想)を4つ紹介します。

「どこに行くか」ではなく「誰」と行くかが大事

バスの中で楽しそうに座る子供達

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、
・・・(中略)・・・
適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。

引用:「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」より

つまり、偉大な企業は、まずはじめに「目的地(会社としての目標)」を決めて、次に目的地までの旅をともにする人々をバスに乗せる方法を取ったわけではなく、「誰」と行くかを重視しているということです。

本書の例えを借りれば、旅行に行く際に、先に行き先を決めて、「一緒に行きたい人」と募集をした結果、自分が本当に一緒に行きたい人が手を上げてくれなければどうでしょうか?
それでも旅行に行かなければならないとして、もし一緒に行きたくない人、自分とは合わない人と旅行することになれば、楽しい旅行にはならないことでしょう。

だから、まず一緒に行きたい人を決める。
そうすれば、きっとどこに行っても(どんな目的地でも)楽しめるのではないでしょうか?
(実際、仲の良い友人と行く旅行はどこに行っても楽しいはずです)
もちろん、企業としてみた場合、ただ単に仲が良いだけを採用条件にしてはダメですし(ex.縁故採用など)、会社としてきちんとした目標を立てることも大切です。

ですから、従業員として一緒に働きたい人の特性や条件、或いはこれまでの会社の歴史や文化を踏まえ、我が社の社風に合う人はどんな人物かを明確にし、それを「採用基準」に落とし込むことが大切になるということです。

今いる従業員をヒアリングして、どんな性格やタイプの人が活躍しているのかを見直してみると会社にとっての「適切な人」が見えてくるかもしれません。

アイデンティティ(性格)や価値観などは教育しても変えられない(育てられない)

どういう人が「適切な人材」なのかを判断するにあたって、飛躍を遂げた企業は学歴や技能、専門知識、経験などより、性格を重視している。

具体的な知識や技能が重要ではないというわけではない。だが、これらは教育できるが(少なくとも学習できるが)性格や労働観、基礎的な知能、目標達成の熱意、価値観はもっと根深いものだと見ている。

引用:「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」より

本書では実践心理学NLPの人間の意識レベルを5つの階層(ニューロロジカルレベル、但し「スピリチュアル」は今回は除外)が紹介されています。

意識レベルの5つとは、最上位から

①自己認識(アイデンティティ):「私は〜である」
②信念・価値観:「私は〜という考え方を大事にしている」
③能力:「私は〜することができる」
④行動:「私はいつも〜している」
⑤環境:「私は〜に所属している」

(図形としては5段のピラミッド構造を想像して下さい)

という順番になります。

この中でも特に変化させるのが難しいのが①自己認識と②信念・価値観と言われています。
どちらも数十年かけて構築されたものですから、人そのもの(アイデンティティ、個性)やその人の価値観を変えることは簡単なことではないということは容易に想像が付くと思います。

これらは入社後の教育などで基本どうなるものではない(変えることが出来ない)ので、採用活動の際の企業と人(求職者)との「性格や価値観とのマッチング」が非常に重要になってくるということです。

本書含め、他の書籍でも言われることですが、「『採用(就職)』とは『(企業と人との)結婚』である」(採用=営業とも言われますが…)と言われます。転職が珍しいものではなくなったとはいえ、可能であれば定年まで同じ会社で働きたいと思うのが一般的でしょう。

(2016年と少し古いデータですが)
実際、離婚の原因のトップ3は、男女ともに1位から順に「価値観の違い」「人生観の違い」「性格の不一致」となっているそうです。

「離婚」も「企業と従業員」もお互いに簡単には離れられないという点では共通しています。
離婚するにしても、揉めることになれば相応の労力・時間・金銭がかかります。
企業と従業員の場合でも、労働基準法などにより従業員を安易に解雇することは出来ません。ましてやあっせんや労働審判、裁判などに至れば、離婚と同じように労力・時間・金銭がかかることになります。メディアに取り上げられれば、会社の信用やブランドの毀損にも繋がります。

ですから、もし「性格や価値観」といった項目の採用基準を下げて採用した場合、企業側・従業員側双方にとって不幸な結果になりかねません。

逆に「環境(場)、行動、能力」までは変えられる

協力し合う職場環境

私自身もOJT、OFF-JTといった教育で育った身なので、「育成(教育)により人は変えられる」という想いは当然持っています。

これはこれで事実の部分もあると思いますが、採用コンサルタントである著者は「いくら鍛えても結果を出せない人材がいる」ということを、これまでの経験から悟ったと語っています。

どんなに磨いても、石ころは石ころだ。ダイヤモンドにはならない。(p8)
・育成には限界がある。(p9)
・間違えた採用をしたら、どんなに教育してもムリなものはムリ
 どんなに腕の良い料理人であっても、素材が悪ければ何ともなりません。(p14)

引用:「採用の思考法(p8,9,14)」より

日本には「始めが大事」という諺があります(意味は「コトバンク」を参照のこと)が、ここでいう「始め」とは「採用」を指しています。
始めの段階で失敗(採用する人を間違える)してしまえば、その後にいくら素晴らしい教育体制や評価制度、マネジメント、リーダーシップなどが構築されていたとしても、根本的な問題解決には至らないということを示唆しています。
つまり、そもそもの素材が悪ければ、腕の良い料理人が美味しい料理を作れないのと一緒だと言いたい訳です。

では、何なら変えられるのか?改善できるのか?と問われれば、著者は「能力」は変えることができると述べています。

先に紹介した「ニューロロジカルレベル」が根拠となっていますが、その背景にはダメダメ営業マンだった著者が、あることをきっかけにトップセールスまで上り詰めたという経験も後押しとなっています。

ここで再度ニューロロジカルレベルを確認してみましょう。

【ニューロロジカルレベル】
①自己認識(アイデンティティ):「私は〜である」
②信念・価値観:「私は〜という考え方を大事にしている」
③能力:「私は〜することができる」
④行動:「私はいつも〜している」
⑤環境:「私は〜に所属している」

前述したように①と②は変えることが難しいのですが、逆に③④⑤は変えることが出来るとも言えます。

ただ変えることが出来るとはいっても「変えていく順番」も大切です。それは上からではなく下から。⑤→③の順で変えていくことです。

まず、⑤の環境(或いは場)についてです。

「場」の大事さについては、私自身も「プロフィール」「成り立ち2:ヒトは環境で変わる」の中で触れていますが、皆さんも無意識のうちに「場」の重要性について経験しているはずです。

例えば、学生時代であれば、塾や有料施設の自習室、図書館といった勉強の場です。
日頃はついついスマホやゲームをしてしまう人であっても、周りのみんなが黙々と勉強している環境であれば、自分も負けじと勉強していたはずです。
あとはタバコを吸う人であれば禁煙エリアや電車やバスの中など公共の場ではタバコを吸うのを我慢するはずです。
逆に「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のように悪い方に環境が整えば、悪い行動を促す可能性もあります。
せっかく禁煙していても飲み会の席などで周りの友人が吸っていると、(アルコールのせいもあり)ついつい自分も吸ってしまう(禁煙を破ってしまう)ということはよくあることです。

いずれにしろ、「環境」を変えたり、或いは整えてあげることで、人の「行動」に影響を与え、変化へと繋がります

そして、その行動を繰り返すことで、それをするのが当たり前となり、「習慣化」していきます。
職場であれば、職場における正しい行動、取るべき行動というのがあると思います。
(そうしたものを就業規則なり、職場のルール明示化して整えておくことも重要です)

当然、それに逸脱した場合は叱責するなどして行動を是正させる必要がありますが、置かれた環境下における正しい行動を繰りすことで次第に経験が蓄積され、実力が付いてきます。
「実力が付く」とは、今まで出来なかったことが出来るようになることです。
つまり、「能力(〜することができる)」は「行動(いつも〜している)」によって身に付くという訳です。

これらを踏まえると「環境→行動→能力」という順で影響を及ぼしていることが分かります。
ですから、環境を変えたり整えることで、適切な行動を習慣化させ、その結果段々実力がついて「出来るようになる(能力が付く)」ということです。

ちなみに、こうしたマネジメント手法を「壁マネジメント」と呼ぶそうです。
同手法に関しては山北陽平 氏の著書「結果を出すリーダーほど動かない」や「壁マネジメント」を参照して頂くと詳細が分かると思います。

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コミュニケーション力など後天的要素であれば、採用基準から外しても良い

「本書を読んで学べる5つのこと」の中で述べているとおり、著者曰く、採用する上で一番やってはいけないことは「採用基準を下げること」ですが、だからと言って「採用基準を盛り込み過ぎてもNG」です。なぜなら、「(全ての採用基準を満たすような)完璧な人間(就活生、求職者)」はいないからです。

ですから、採用基準を下げない代わりに、不要な採用基準を外すことが大切です。
不要な採用基準とは、「後天的に身につけることが出来る能力」のことを意味します。

では、後天的に身につけることが出来る能力とは何か?
本書に出てくる具体例は少ないですが、「コミュニケーション能力」や「英会話」「笑顔」などが挙げられています。
これらは訓練次第でいくらでも伸ばすことが出来るので、採用基準から外しても良いと著者は言います。

ここで「コミュニケーション能力は採用基準から外しても良い」と聞いて、驚く採用担当者(或いは新卒者や求職者)もいると思います。

それもそのはず。
「新卒採用に関するアンケート調査(2018年度調査)」の中で、採用担当者が選考にあたって特に重視した点の第1位こそが「コミュニケーション能力」なのです。しかも、16年連続の1位。

「この仕事は私にしかできない」と思い込んでいる方もいると思いますが、「仕事のほとんどが他の人でも行える」と私は考えています。もちろん、そのための訓練は必要ですが、時間をかければ代替可能なものがほとんどだと思います。
(ビジネスの世界では、誰かが会社を辞めたとしても、気が付いたら他の誰かが穴埋めしているなんてことはよくあることです)

ですが、「私にしかできない」⇆「誰でも出来る」という、2つの考えが存在する以上、「後天的に身につけることが出来る能力」というのは会社によって異なってくるのが普通です。

当然、人材育成に力を入れている会社、人間の可能性を信じている会社では「後天的に身につけることが出来る能力」と捉える幅は広いでしょう。

あなたの会社でも、成長著しい従業員の意見や業務遂行にあたって必要な能力やスキルを棚卸しすることで、「最初は全然だったけど出来るようになった」「苦手だと思っていたけど慣れればできるようになった」「この能力は後でも鍛えられる」といったことが見えてくるかもしれません。

そうしたものが分かれば採用基準から外したり、逆に今までは見向きもしてなかったけど、うちの仕事をする上でこの要素は外せないといったものが見えてくるといったこともあると思います。

もちろん、本人の適正や入社後に置かれた環境(ex.上司や先輩の教育や指導、周りの支援など)もあると思いますが、「今まで採用で重要視していた項目」が実は「後天的に身につけることが出来る能力」だったということが分かり、現在の採用基準を見直すことになれば、今まで採用条件に合致していなかった「人材」が目に留まるようになり、いずれは自社にとっての「人財」になる可能性もあるかもしれません。(後述の「選考にあたって特に重視した点のトップ5」内に記載している「マネーボール」の話を参照のこと)

おまけ:選考にあたって特に重視した点のトップ5

ちなみに、採用担当者が重視した点のトップ5を挙げると以下の通りですが、就活生はもとより、採用に興味がある方や採用活動に従事したことのある方であれば、ある程度想像通りのランキングだと思います。

1位:コミュニケーション能力(82.4%、16年連続1位)
2位:主体性        (64.3%、10年連続2位)
3位:チャレンジ精神    (48.9%、 3年連続3位
4位:協調性        (47.0%)
5位:誠実性        (43.4%)

ですが、この結果に対し「異常ではないか」と著者は述べています。
なぜなら「◯年連続」という言葉に見られるように、選考にあたって重視する点が昔からほとんど変わっていないからです。

皆さんもご存知のように現代は非常に移り変わりの激しい時代です。
情報、技術の進歩が著しく、あっという間に流行り廃りが変化していきます。
そんな時代だからこそ、求められる人物像(要件)も変わってくることが普通ではないかということです。

ですが、ランキングが示すように、企業側はいつまでも同じ要件を重視して採用しています。

確かにどれも重要な要素ではあると思いますが、「本当に今の時代に求められている要件なのか?」ということを一度改めて考えてみるのも良いと思います。

本書の中で映画「マネーボール」(MLBのGMに焦点を当てたストーリー)の話が出ています。
この映画は、就任したGMが他球団とは違う指標(セイバーメトリクス)を用いることで、他球団からは見向きもされなかった選手を獲得し、20連勝を達成するといった話です。

つまり、採用担当者が重視した点をただ単に真似るのではなく、自社の歴史や組織風土、自社で活躍している人材の特徴などをもとに独自の視点で採用基準を設けることで、他社では中々評価されなかった人でも自社では上手くマッチングする優秀な人材を獲得できる可能性もあると言うことです。

また、プロ野球球団の福岡ソフトバンクホークスは「一芸に秀でた選手」を育成選手として指名することで有名ですが、企業もこうした視点で考えてみることもありなのかもしれませんね。

参考:他の採用関連の記事

・【採用企業向け1】
「採用の悩みや課題を抱える社長・人事採用担当者必見!中小企業が取るべき採用戦略3ポイント」
・【採用企業向け2】
「求人募集前に企業が決めることは「求める人物像(性格人柄)」-学歴・スキルより優先すべし」

・【就活生(学生)向け】
「就職や仕事を「好きなこと、やりたいこと」で選ばなくても案外大丈夫な理由-悩める就活生へ」

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人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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