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【B/S初心者でも分かりやすい財務分析】ヘン?怪しい?4つの資産勘定の粉飾不良債権に注意

 
考えている男性のイラスト
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HOP CONSULTING
人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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今回はB/S編です。

前回の財務分析の記事の中で「数字をいじって無理やり黒字にするよりも、正直に赤字の方が良い」と言ったことを述べましたが、今回はそれ(数字をいじる)に関連する話として、財務分析をする際には、ヘンな?怪しい?資産勘定に気をつけましょう、という話をしたいと思います。

ヘン?怪しい?4つの資産勘定に注意しよう!

これから紹介する4つの勘定科目は、その内容如何によっては、粉飾決算の可能性や不良債権化していることも視野に入れておく必要があります。

【注意:粉飾や不良債権が疑われる勘定科目として、売掛金や受取手形、棚卸資産などが挙げられますが、今回はこうした王道の科目はあえて外しています。王道(売掛金、棚卸資産等)に関しては改めて別の記事で取り扱いたいと思います】

しかし、勘定科目の計上理由というのは、それがやましい理由であればあるほど、部外者の我々には中々分からないものです。
だからこそ、財務分析を行う場合、そうしたヘンな?怪しい?勘定科目に目を光らせ、その会社の本当の経営状況を見極める必要があるのです。

貸付金

決算書内にあると、特に目に付く勘定科目がこの「貸付金」です。

「貸付金」とは、貸借対照表の資産の部に計上される勘定科目です。
「貸したお金はいずれ返してもらう権利がある」ので、資産の部に計上される形となります。(ちなみに、貸付金に対する利息は「収益」(受取利息)項目に該当します)

さて、貸金業を営む業種である場合を除き、一般の業種で「貸付」を行うことはイレギュラーであるということを認識しておきましょう。

従って、貸借対照表に「貸付金」の文字があった場合は、直ぐに「あれ?この貸付金って何なんだ?」と注意を向けなければなりません。
そして、「誰に何の目的があってお金を貸し付けたのか」「回収出来る見込みはあるのか(返済してもらえるのか)」ということを確認する必要があります。

一般的に貸付先として多いのが、社長への貸付金です(特にワンマンオーナーなど)。
例え、経営者に対する貸付であっても、どんな理由で、どんな返済条件(利息や償還期限)で貸し付けたのかを確認して下さい。
もちろん、その後の返済状況の確認(きちんと貸付金が減っているか)も大切です。

【注意:当然、決算ヒアリングなどで相手方に対して尋ねた場合は、良い顔はされませんので、覚悟しておきましょう】

その他にも、知り合いの会社(経営者)や親族、友人と言った方々が対象になっていることもあります。

貸付先の資力がない場合は返済の見込みが低いですし、会社との関係性が薄そうな先なども「何故、そんな先に貸し付けたのか」と、その貸付経緯はもちろん、社長の人柄、経営手腕等にも疑義が生じます。

返済の見込みが立たないとなれば、当然不良債権化(焦げ付いた)した資産として判断することとなります。
少しずつでも返済されていたとしても、貸付金額が数千万円(或いはそれ以上)といった規模であれば、本来その数千万円という資産を使って事業で利益を生み出すことが出来た訳ですから、そうした目に見えない機会を損失しているということにも注意を払っておく必要があります(要は資産をうまく使えていないということ)。

貸付金ではなく「前渡金」という科目が使われることも

貸付金とは別に「前渡金」という科目も存在します。

「前渡金」は「商品などを購入する際に、納品前に仕入先に代金の一部(或いは全部)を支払った場合」に用いる科目です。

実際に、中小零細企業などから商品(例えば特注品や高額品)の仕入を行う場合、商品を製造に用いる材料費が高額になり経営を圧迫するといった理由から、材料費の一部として前渡金を支払う場合はありますので、この科目自体ヘンなものではありません。
しかし、本来「貸付金」で計上すべきところを、わざと「前渡金」に計上していると言ったケースもありますので、注意が必要です(貸付金よりも前渡金の方が見栄えが良いですしね)。

未収入金

「未収入金」とはその名の通り、「未だ回収出来ていないお金のこと」を指します。

似たような性質のもので、「売掛金」や「受取手形」というものもありますが、こちらは「営業活動(通常の取引)に付随した未収入金のこと」を指しますのできちんと区別しておきましょう。

という事は、「未収入金」は「営業活動に付随していないもので、未だ回収出来ていないお金」ということになります(営業活動以外のもの)。

具体的には、会社の持つ資産(動産(ex.機械・設備)や不動産)や有価証券などを売却した際などに、現金が入金されるまでの間「未収入金」として扱われます。

こうした通常の内容のものであれば特に問題ないのですが、「故意」に売掛金を未収入金として処理したり、またその逆のパターンもあります。

「故意」にとは、例えば、回収不可能な「売掛金(要は貸し倒れ、不良債権)」を「未収入金」として計上したり、逆に先に述べた「貸付金」や「未収入金」を「売掛金」として計上したりするなどして、真実を隠す動き(粉飾)が行われる場合もあります。

このように不良債権化した売掛金や未収入金が名前(勘定科目)を変え、紛れ込んでいる可能性もあります。そうなると本当の資産状況は非常に見えづらくなります。

前払費用

「前払費用」とは、「契約に従い継続的にサービスを受けている場合に未だ提供されていないサービスに対して支払った対価(費用)」のことを言います。

主に、家賃やリース料、保険料などがこれに該当します。

前払費用は、未だ提供されていないサービス(役務)に対して用いるものですから、期末時点では「費用(経費)」として見做すことが出来ません(発生主義の原則)。

つまり、当期の費用から除去すると共に、貸借対照表の資産の部に計上するという形になります。

という事は、意図的に「前払費用」に振替る事で、費用(経費)を少なくすることも可能だということです。
そういう意味で、前払費用が不自然に増加している場合や、やけに金額過多の場合は、「費用を過少にして利益が出た(ex.黒字化、赤字の縮小)ように見せかけている」と言った可能性も考えなければなりません。

仮払金

「仮払金」とは「最終的な勘定科目が決まっていない(使途不明)、或いは金額が未確定の場合に一時的に支払われたお金」を指します。
いずれにしろ「仮」と付いているので、「一時的に」使用する科目になります。

期中での計上処理の中でとりあえず「仮払金」として扱う事はありますが、その後、使途や金額を確定させて適切な勘定科目に振り替えるのが普通です。
特に期末時点では「仮払金」も含め、会計ルールに則った適正な処理(修正等も含む)が求められますから、「仮払金」という「仮の状態」が期末時点で存在することは、ちょっと不自然だということを押さえておきましょう。
(勿論、期末ギリギリで仮払金が発生するようなケースもあります)

少額ならまだしも、仮払金の金額が大きい場合は会計処理上で何かごまかしている可能性もありますし、また、いつまで仮払金が残っている場合には、会社として会計処理に問題があるとも言えます。

【対処法】資産と見做さず仮の決算書を作成

以上、本来の会計ルールに則っていれば、いずれも何らおかしくはない資産勘定ですが、そんな中でも注意すべきヘンな?怪しい?資産勘定として、4つの勘定科目「貸付金・未収入金・前払費用・仮払金」を紹介しました。

とは言え、財務分析を行う上で、そうした勘定科目の詳細まで分かる事は稀です。

会社に融資を行う銀行や主力取引先など立場が強ければ、決算ヒアリングと称して事細かに聞く事は可能かもしれませんが、そうした特別な立場になければなかなか難しいものです。
(仮に決算ヒアリングをしても、うまく誤魔化されたり、説明が不十分だったりすることもあります)

上記関連記事でも述べているように、調達した資金を「資産」に変え、そしてその「資産」を上手に使って事業で「利益(お金など)」を生むことが原則であり一番重要なことです。

言い換えれば、「資産」とは将来的に会社に利益(お金など)を生むために存在するものと言えます。

会社が所有する「資産」としては、流動資産として、現金預金、売掛金、受取手形、有価証券、商品、原材料といったものから、土地や建物、機械設備と言った固定資産。営業権や商標権いった無形の固定資産まで幅広く存在しています。こうしたものは、いずれ会社のために利益を生む存在です。

今回紹介した「貸付金・未収入金・前払費用・仮払金」という4つの勘定科目も「資産」の部に計上されていますが、「現金・預金、売掛金、商品、機械設備等」といったものと比べると、会社のために利益を生む存在とは少々言い難く、イレギュラーな存在であると言えます。
「前払費用、未収入金」は別としても、「貸付金、仮払金」と言った勘定科目は本来「存在しない方が良いもの」とさえ言えます。
(一応、貸付金は受取利息という形で収益になりますが、一般の企業の本業(製造、小売、卸、サービス業(貸金業以外))から考えれば「普通に当然ある科目」とは言い難いものです)

ですから、財務分析を行う上では、これら4つの「資産」がきちんと活用され会社に利益を生むのか?、実は不良債権化され、固定化(動かせないお金)していないか?と言った目線で見ていく必要があります。

そして、数期分の決算書や相手先からのヒアリング結果をもとに、もし、固定化(ex.貸付金であれば回収不能)や粉飾が疑われるような場合は、大雑把でも良いので処理(損切り等)を行い、「みなしの決算書類」を作成することが必要になります(ex.純資産から不良債権分を減額する)。
このように仮の決算書を作ってみる事で、その会社本来の経営状態(B/S、P/L)が少しは見えてくるという訳です。

まとめ

さて、今回は貸借対照表(B/S)の試算勘定の中から王道(売掛金、棚卸資産等)以外で粉飾や不良債権が疑われる勘定科目として「貸付金・未収入金・前払費用・仮払金」の4つを紹介しました。

勘定科目として存在する以上、正しい会計ルールに則り計上すれば本来何も問題がないものです。

ですが、経営者も人間ですから意図的に不正を行う可能性も否定出来ません。
財務分析を行う上で、そうした罠に引っかからないようにこうした4つの資産勘定にも粉飾や不良債権の可能性が隠れていることに注意しておきましょう。

【注意:粉飾や不良債権が疑われる勘定科目として、売掛金や受取手形、棚卸資産などが挙げられますが、今回はこうした王道の科目はあえて外しています。王道(売掛金、棚卸資産等)に関しては改めて別の記事で取り扱いたいと思います】
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人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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