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【職場のトラブル】相談内容のトップは「いじめ、嫌がらせ」

 
職場のトラブルの写真
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HOP CONSULTING
人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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「はじめて従業員を雇うときに事前に押さえておきたい3つのポイント」の記事の中で、経営者は全ての責任を負う義務があるということを紹介しました。

その義務の中には、従業員に快適な職場環境を提供することや、会社・組織として法令遵守に努めることなどが挙げられます。

特に快適な職場環境については、ブラック企業、過労死、長時間労働といった言葉が世間を賑わせているように、多くの企業でまだまだ道半ばといった状態です。

一昔前までは、会社が終身雇用制度の名の下で従業員を雇う代わりに、従業員の方も、会社に多少の不満があっても我慢して定年まで勤め上げるのが一般的でした。

しかし、現在はその構図は崩れ去っていると言えるでしょう。

何故なら、老舗企業でも倒産してしまう世情の上、転職する方も増え(転職への理解も深まっている)、雇用の流動化が進んでいるからです。
そうなってくると一つの企業に留まる必要性はなくなり、企業への忠誠心も薄くなってきたと言わざるを得ません。

その結果として、労使トラブルの増加に繋がっている訳です。

労使トラブルがひとたび発生すると、解決に向けて人員を割かなければならず、本業が疎かになります。
解決のために金銭(慰謝料、損害賠償等)を支払うといったこともあるので、特に中小零細の企業にとっては脅威となり得ます。

労使トラブルを回避するには、どういったことが原因でトラブルが起きているのかを知っておく必要があります。

原因を知っていれば、あらかじめ対策を取ることができますし、万が一労使トラブルが発生しても、誤った対応を取る可能性を下げることが出来ます。

今回の記事では、毎年厚生労働省から発表されている「個別労働紛争解決制度の施行状況」から、職場のどういったことが原因で労使トラブルに発展しているのかを見て行きたいと思います。

そもそも、個別労働紛争解決制度とは?

質問マークの写真

「個別労働紛争解決制度」とは、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などを めぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、次の3つの方法(この3つを紛争解決援助制度という)があります。

1.「総合労働相談」
2. 労働局長による「助言・指導」
3.紛争調整委員会による「あっせん」

これらの紛争解決援助制度は、労働者、事業主のどちらからでも利用可能で、利用はもちろん無料です。

また、労働者がこれらの紛争解決援助制度を利用したことを理由として、事業主が労働者に対して不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されていますので、労働者の方は安心して利用することができるようになっています。

なお、制度の対象になる紛争、ならない紛争がありますので、詳細は、厚生労働省HP「個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)」にてご確認下さい。

労働相談件数は、10年連続で100万件越え

厚生労働省が発表している、2017年度(平成29年度)の個別労働紛争解決制度の施行状況(利用状況)によれば、総合労働相談件数は、1,104,758件とのことです。

制度施行(2001年(平成13年)10月の施行)から、17年が経過しようとしている段階ですから、従業員や事業主にも相当程度認知されている制度と言えるでしょう。

総合相談件数が、100万件を超えたのが2008年度(平成20年度、1,075,021件)ですので、ここ10年間は毎年100万件を超え、高止まりしている状況です。

ちなみに、15年前の2002年度(平成14年度)は約62.5万件、10年前の2007年度(平成19年度)は約99.7万件となっていますので、15年前と比べると177%の伸びとなっており、数値的にも労使トラブルが増加しているのが伺えます。

相談内容は「いじめ、嫌がらせ」がトップ

円グラフの写真

前述した総合労働相談件数のうち、民事上の個別労働紛争の相談件数は、250,035件です。

注:「民事上の個別労働紛争」とは、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛 争(労働基準法等の違反に係るものを除く)のことを言う。

そのうち、相談内容のトップ5をみてみると、
(補足:1回において複数の内容にまたがる相談等が行われた場合には、複数の内容を件数に計上されている。)

1位:いじめ・嫌がらせ(72,067件、23.6%)
2位:自己都合退職(38,954件、12.8%)
3位:解雇(33,269件、10.9%)
4位:労働条件の引き下げ(25,841件、8.5%)
5位:退職勧奨(20,736件、6.8%)

といった順になっています。

ここで注目したいのが、1位の「いじめ・嫌がらせ」です。
「いじめ・嫌がらせ」の割合は23.6%と、全体の4分の1に迫る勢いですし、民事上の個別労働紛争の相談件数のみならず、都道府県労働局長による助言・指導(2,249件、22.5%)、紛争調停委員会によるあっせん(1,529件、29.1%)の段階においても、トップの項目となっています。

総母体である民事上の個別労働紛争の相談件数で「いじめ・嫌がらせ」がトップなので、その後の解決手段となる助言・指導、あっせんでも上位にくるのは当たり前といえば当たり前ですが、やはり注目しない訳にはいかないでしょう。

職場トラブル:いじめ、嫌がらせの具体的な内容

いじめの写真さて、ここからは、「いじめ・嫌がらせ」の具体的な内容をみていきたいと思います。

厚生労働省の発表には、各事案(いじめ・嫌がらせ、解雇など)の事例が紹介されていますので、その内容をここで取り上げてみました。
(期間は、2002年度(平成14年度)から2017年度(平成29年度)まで)

・暴力を受けた(パワーハラスメント、身体的な攻撃)
・暴言、必要以上の叱責を受けた(パワーハラスメント、精神的な攻撃)
(ex.仕事が遅い、●回ミスしたら解雇、「馬鹿、お前」などと呼ばれる)
・業務指導時の説明不足
・力仕事を一人に押し付ける
・業務上の負傷後も過酷な業務が割り当てられた
・トラブルなどの責任をなすりつける
・通常の仕事量の●倍にも及ぶ仕事を押し付ける
・仕事を与えない
・会社で無視される
・食事代などを奢らせる

などといったものです。

まさか、皆さんの会社や社員の言動がこの中のどれかに当てはまってる、なんてことはありませんよね?

何故、トラブル(労使トラブル)に発展したのか?

質問マークの写真

なぜ、トラブル(労使トラブル)に発展したでしょうか?

その理由は非常に簡単です。

「会社が、(暴言、暴力等の)問題に対して真摯に対応していなかった」

この一言に尽きます。

前述したような「いじめ・嫌がらせ」に対して、労働者が会社や上司に対して、「こういうことが起こってるので改善して欲しい」と、勇気を出して声を挙げたにも関わらず、十分な対応を取らなかったことがトラブルにまで発展した主な理由です。

中には、会社は積極的に関与せず、当事者に任せるといったものも見受けられました。

特に、いじめや嫌がらせを受けている側が声をあげても聞く耳を持たず、いじめや嫌がらせをしている側の意見しか耳を貸さないという事例が非常に多かったです。

また、一部では、被害を相談したことで、仕事を任せなくなったり、周囲から無視され始めたといったひどい事例もありました。

いずれにしろ、会社がこのようないい加減な対応をしていては、トラブルに発展するのは目に見えてますね。

昔はトラブルに耐えられなくなって従業員が辞めてしまっても、会社を訴えるようなケースに発展することは少なかったかもしれません。

しかし、現在では、インターネットや書籍などを通じて、従業員が自分の身を守るための知識を身につけていますし、行政機関にも、今回のような「個別労働紛争解決制度」のような労使トラブル解決のための手段が整ってきています。

そのような背景を考えれば、従業員が昔よりも声をあげやすくなっているので、トラブルが増えているのも当たり前ですね。

どんな対応、対策を取るべきか

相談窓口の写真

真摯に対応するといっても具体的にどのような対応を取れば良いのでしょうか?

被害者の気持ち(主に従業員)と常識に照らしわせて考えれば、何も難しいことはないと思います。

例えば、手始めとしては、会社全体でいじめや嫌がらせといったことが起きないように、セミナー等を通じて啓蒙することがスタートとなるでしょう。
どういったことを言えば、どういったことをすれば、いじめや嫌がらせになるのかを周知、啓発する訳です。

そして、万が一いじめや嫌がらせといったことが発生した場合には、きちんとその声が上がってくるように相談窓口を設けましょう。

直属の上司だと握りつぶしたりする可能性もあるので、人事部や第三者(外部機関)などといった相談窓口が良いでしょう。

そして、相談が来たら、事実関係を迅速、かつ正確に確認します。

特に被害者の声をないがしろにしないようにしましょう。

いじめや嫌がらせ、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントは、主に権限がある人(上司や経営層などの強者)が加害者となり、従業員(部下、派遣などの弱者)が被害者となるケースがほとんどです。

このような上下関係、力関係が存在すると、往往にして加害者の意見を鵜呑みにしてしまいがちですので、両者の言い分を聞き、公正な目でしっかりと事実関係を確認して下さい。そして、適切な対処を行いましょう。

間違っても、そうした相談をしたことを理由に不利益な取り扱いをしないようにして下さい。

まとめ

発表されている通り、この10年総合労働相談件数は、100万件越えで高止まりしていますが、現場では数字以上のトラブルを抱えているはずです。

労働災害などの分野でよく取り上げられるものに、「ハインリッヒの法則(いわゆる、ヒヤリハット)」というものがあります。

この法則は、1つの大きな事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害、そして、300件のヒヤリハット(事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした事例)が存在している、というものです。

この法則から学べることは、大きな事故・災害の防止のためには、ヒヤリハットの段階で対処してくことが非常に大切だということです。

職場のトラブルもこれと同じように、従業員から上がってきた声の裏には、相談事以外にも数多くのトラブルになる原因が存在していると考えるべきではないでしょうか。

ですから、もし従業員がいじめ、嫌がらせを受けている相談してきたのであれば、その問題に真摯に対応し、職場環境の改善に努めるべきだと思います。

ヒヤリハットの段階(相談内容によっては既に大きな事件となっている可能性もありますが)で、きちんと対処しておけば、大きな事故・災害、つまり、労使トラブル(労働紛争)へと発展することを防げるはずです。

あの時適切に対処していれば・・・。
なんてことにならないよう経営者や上司はこのことをしっかりと心に留めておきましょう。

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人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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