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【36協定とは】「36協定を締結すれば従業員に残業や休日労働させても良い」は間違い!?

 
契約書にサインする写真1
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HOP CONSULTING
人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)、経営コンサルタント(中小企業診断士)。福岡生まれだが熊本育ちのため、性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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今回、取り上げるのは「36協定(サブロク協定)」です。
(ちなみに、3月6日は「36協定の日」だそうです。)

経営者の方はもちろんですが、会社で労働者代者を勤めている方や届出を提出する事務職の方などには、お馴染みの用語ではないでしょうか?

そんな割と労使共に馴染みの深い「36協定」についてお話していきたいと思います。

サブロクキョウテイ(36協定)の名前の由来

36協定の根拠法が労働基準法「第36条」に記載されているため、このようなネーミングが付けられています。シンプルイズベストですね。

36協定とは?

ルールの写真

「36協定」とは、簡単に言えば、
従業員に残業や休日出勤をさせるために必要な取り決めのことです。

ただ、「36協定」の誤用を避けるためにも、経営者の方や人事担当者は、基本となる法律(条文)を押さえておく必要があります。

労働基準法第36条によれば、

労働基準法第36条(時間外及び休日の労働)
1 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。
2 厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
3 第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
4 行政官庁は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる

引用/労働基準法より

と定められています。

第36条の解釈(第1項のみ)

回答の写真

第36条第1項を簡潔に纏めると、

労働者代表と協定(36協定)を締結し、これを行政庁に届け出た場合には、労働時間を延長したり、休日に労働させることができる。

と読み替えることができます。

注意して欲しい点は、

1.労働者代表と協定を締結する
2.行政庁に届け出ること
3.「労働させることができる」という言葉の意味

の3点です。

1.労働者代表をきちんと選出していない会社が多い。「サインしておいて!」ではダメ

投票の写真

そもそも36協定の提出にあたって、労働者代表の選出がきちんと出来ていない会社が多いのが実情です。

36協定は提出しているけど、適正手続で労働者代表を選出せずに、近くにいた従業員や総務or人事課の従業員にとりあえず名前だけ書いてもらって…提出なんてことが起こりがちです。

あなたの会社は大丈夫ですか?

そして、従業員の皆さんも「ウチの労働者代表は●●さんだ」と自信を持って答えられますか?
労働者代表者を決めるのだから、少なくとも従業員側は誰が代表者か分かっていないと、36協定が正しく締結されているとは言えませんよ。

選出する方法はいくつかありますが、従業員数が少なければ朝礼などで、挙手や拍手(賛成多数)で選んだり、従業員が多いようなら、「●●さんが労働者代表として立候補していますので、異議がある場合は●月●日までに申し出て下さい。異議がなければ当該立候補者が選任されたものとします(異議があっても異議を唱える人数が半数未満ならOK)」といった内容の書面をメールや掲示板などで通知するのが一般的です。

「労働者代表がどのようなことにサイン(署名)するのか」まで、従業員の皆さんに説明しておくとより関心が高まって良いです。
これは、会社が従業員に対して情報開示の姿勢(他、決算内容を説明したり、会社の方針を説明するなど)を見せるという意味で大変重要です。

2.行政庁に届け出る=36協定の効力発生

36協定の効力は、労使間で協定を締結しただけでは発生せず、行政庁に届出をしてはじめてその効力が発生します。
「バタバタしていて提出し忘れていました」なんてことにならないように!後が怖いですよ(これについては、「3.残業は本来禁止されているもの」参照)

3.残業は、本来禁止されているもの

禁止の写真

この辺りは、条文独特の読み方ですが、「労働させることができる」という言葉の意味は、逆を言えば、協定を締結し届け出ていなければ「やっては駄目。違反だ」という解釈になります。

つまり、「『時間外労働や休日出勤』は、協定を締結し、行政庁に届出という手続きをとって、はじめて許可されるもの」、「残業というのは本来は犯罪(違法)だ」ということです。
そのため、労働基準法第36条に定めた手続きを経ることで、法定労働時間を超えて、または休日に労働させても刑罰が科されることがなくなる(=「免罰効果が得られる」)ということを意味しています。

このあたりは、労働基準法の労働時間(第32条)や罰則規定(第119条)をご覧頂くとより理解が深まると思います。

参考:労働基準法(労働時間)第32条
1 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。


引用/労働基準法第32条

36協定を締結すれば、労働者に残業をさせても良いは間違い?

質問マークの写真

さて、本記事のタイトルに戻ります。
経営者の方は、「36協定を締結すれば、労働者に残業させても良い」と思っている方が多いと思いますが、先に述べたとおり、残業させるということは本来犯罪(違反)に該当します。

それを36協定という免罪符(免罰効果)を得ることで、協定で定めた範囲内に限り残業を許可してもらっているのです。
ですから、皆さんが考えている以上に「36協定」というのは大切だということをきちんと認識しておいて下さい。
書類上の不備のみならず、運用上の不備(決められた時間を超えてしまう)なきよう十分に気をつけなければなりません。

そのような背景を踏まえると、タイトルでも述べている「36協定を締結すれば、労働者に残業させても良い」という考え方自体を改めないといけないのではないでしょうか?

第一歩は、何故残業させると割増賃金が発生するのかを考えることにある

お金に悩む人のイラスト

時間外労働だと2割5分、休日労働だと3割5分といった具合に割増賃金が発生しますが、そもそも何故割増賃金が発生するのかを考えたことはありますか?

法律を作った行政側からは、時間外・休日労働は、「本来臨時的なものとして必要最小限にとどめられるべきである」との通達が出ています。

つまり、残業(休日出勤、深夜残業含む)させることは、ペナルティー(罰)だと考えているのです。
その証拠に、「割増賃金を払ってまで働かせたくないでしょ?」という意味で、2割5分や3割5分といった割増率が設定されている訳ですから。

補足:休日出勤の割増賃金の支払いの代わりに休ませれば(代休)させれば良いと思っている経営者の方は、是非こちらの記事もご参照下さい。
(参考:「振替休日と代休の意味とその違いを分かりやすく解説!」

働き方改革関連法案で、残業時間の上限規制が話題となりましたが、そもそもダメ(犯罪、違反)だとされている残業ありきで考えられていることがおかしいのです。
(そうはいっても、業種や従業員数によって残業が避けられないのは理解しています。)

「残業時間が月80時間、月100時間」という目先の言葉に惑わされず、どうすれば残業を減らせるか、或いはなくせるか、という業務内容の見直しや改善に着目するのが本来の働き方改革での対応となります。

したがって、経営者は、「割増賃金を払えば残業させても良い」ではなく、本来は「割増賃金を払ってまで仕事をさせるのは経営上損だから、定時で上がれるように仕事を見直したり、機械設備、IT導入なども含め生産性向上を目指した経営改善を続けつつ、残業をしてもらうにしても、臨時的、最小限にとどめるべき」という考え方を第一にしなければなりません。
どうも最近のニュースを見ていると、そのあたりの発想が忘れ去られているような気がします。
本質を見落とさず、あるべき姿をイメージして経営していきましょう。

36協定を提出していなければ、当然、残業させることは出来ない。逆を言えば…

ここまで読み進んだ方であれば、最後まで言わなくても分かると思いますが、従業員を一人でも雇っていて、残業させることがある場合は、必ず36協定を締結し、行政庁に届け出る必要があります(正社員、アルバイトなど雇用形態に関係なく)。たまに、就業規則の作成とごっちゃになって、従業員が10人以下なら36協定は不要と思い込んでいる方もいますので要注意です。また、労働契約(または就業規則)に時間外労働を命じることができる旨を定めておくこともお忘れなく!

逆を言えば、残業(休日出勤等含む)が全くない会社であれば、36協定の提出は不要となります。但し、今のところ残業はないが、今後、残業が発生する可能性があるといった場合は、要検討です)

まとめ

今回は、労働基準法と36協定についての本質的な考え方を紹介しました。

経営者の皆様は、きちんと正しい方法で36協定を締結し、月間、年間の時間外労働の時間を守りつつ、決められた残業代を支払うのはもちろんですが、そもそも「本来は残業なんてさせてはならない。残業をさせても臨時的、最小限に留めるべき」という考え方で経営をすることが益々重要になると思います。

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