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腐ったミカンの方程式が組織・職場に蔓延る前にマネジメント!金八先生流コンサル思考で解決

 
ミカンを手に持つ女性の写真
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経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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下記関連記事の中で「腐ったミカンの方程式」について触れていたので、今回はマネジメントの観点(金八先生流とコンサルタント的発想)も加えて詳しく紹介したいと思います。

「腐ったみかんの方程式」とは?

腐ったミカンの方程式の写真

箱に入れたミカンが一つ腐り始めると、あっという間に他のミカンも腐ってしまうという経験を、皆さんも一度や二度したことがあると思います。

この「腐ったミカン」のエピソードが特に有名になったのが、ドラマ「3年B組金八先生」の第2シリーズ(1980〜1981年)第5、6話の放送回です。

金八先生(役者:武田鉄矢 氏)が務める桜中学に加藤優(役者:直江喜一 氏)という不良少年が転校してきます。(しかも転校初日から、クラスメイトに殴りかかるほどの大喧嘩)

その加藤優がいた前の学校(荒谷二中)では「箱の中に腐ったミカンが一つあると、周りの他のミカンまで腐ってしまうので、他のミカンを救うために、腐ったミカンを放り出さなければならない」という教育方針を取っていました。
(つまり、学校に不良がいるなら、その不良を学校から追い出してしまおうという発想。今でもこの考え方が燻っている学校は大なり小なりあると思います)

そして、この放送回のタイトルが「腐ったミカンの方程式」と名付けられていたこともあり、「腐ったミカンの方程式」という言葉が広く世に広まることとなった訳です。

「腐ったミカンを置いておけない」-コンサルタントによる誤った使い方-

比較的最近の話ですが、学校法人での職員教育(研修)の中で外部講師(コンサルタント)が受講者に対して「腐ったミカン」「戦力外」といった人格を否定する言葉をかけ退職を強要したとして(所謂、パワハラ)、問題になった事件があります(2020年の8月頃)。

あとで詳しく述べますが、ドラマ「3年B組金八先生」では「腐ったミカン」=「不良、落ちこぼれ」といった意味のままエンディングを迎えてはいません。
(当然、そのままの意味で用いてしまったら、ドラマとしても成り立ちませんし、世間の反応も良くないでしょう)

ましてや、仮にもコンサルタントを名乗るような講師が「腐ったミカン」を言葉通りの意味で用いることは、怒りを通り越して呆れてしまいますよね。

金八先生(武田鉄矢)流の解決策

黒板の前で授業をする先生の写真

さて、ここからは「腐ったミカンの方程式」がドラマではどのように用いられたのかを見ていきたいと思います。

登場人物としては以下の通りです。
・金八先生(桜中の教師、加藤優の現担任)
・加藤優(不良少年役、荒谷二中から桜中に転校)
・米倉先生(荒谷二中の教師、加藤優の2年次の担任)

荒谷二中で加藤優(俳優:)の2年次の担任をしていた米倉先生(俳優:浜村純 氏)の言葉を借りれば、不良少年・加藤優がいた前の学校(荒谷二中)では「腐ったミカンは箱から出す(退学させる)」という方針でした。

腐ったミカンが箱の中に一つあると、他のミカンまで腐ってしまう。他のミカンを救うためには、腐ったミカンは放り出さなければならない。

引用:TVドラマ「3年B組金八先生」より・荒谷二中/米倉先生

しかし、上の言葉(引用文)に続いて、米倉先生は次のように続けています。

しかし、人間の性根が腐ってしまうことなんか絶対に有り得ない。

引用:TVドラマ「3年B組金八先生」より・荒谷二中/米倉先生

そして、金八先生も次のように述べています。

相手はミカンじゃないんです、人間ですから。

・・・中略(場面変わって)・・・

箱の中に腐ったミカンが一つあると、他のミカンも全部腐ってしまう。
だから、腐ったミカンを見つけたら、すぐに箱から捨てなければならない。
これは米倉先生が言っていた荒谷二中のやり方です。

腐ったミカンを放り出す。それがプロの教師のやることですか?
そりゃあ、人間辛い目に合って、あちこちぶつけりゃ。
誰だってどっか腐ってきますよ。

我々は機械やミカンを作ってるんじゃないんです、人間を作っているんです。
そして、人間の精神が腐りきってしまうことなんか、絶対に有り得ないんです。それを防ぐのが我々教師じゃないんですか。
そして、もしも、それが出来ないのであれば、我々は教師を辞めるべきなんです。

引用:TVドラマ「3年B組金八先生」より・桜中/金八先生

いずれも非常に胸が熱くなる言葉ですね。

ドラマの中では、他校や自校の先生方から不良に対する否定的な意見を受けますが、不良に対しても毅然とした態度で接し、裏表のない言葉を交わすことで、信頼を勝ち取り解決に導いています。

こうした金八先生の言葉から窺えることは、「相手を信じること」であり、「(人間の可能性を信じて)見捨てないこと」、更には言行一致の精神が必要なのだと思います。

いくら「人間の精神や性根は腐らない」などと綺麗ごとを並べても、本心から出た言葉でなかったり、いざとなったら責任逃れをしそうな態度を僅かでも見せれば、相手に見透かされ信頼を築くことは出来ないでしょう。

腐ったミカンの方程式を解決するには、相手を信じ決して見捨てずに接すること。合わせて、言行一致の精神もお忘れなく

おまけ1:「俺は腐ったミカンじゃない」は間違い

「俺は腐ったミカンじゃない」という台詞に聞き覚えがある方もいるかもしれませんが、実はこれは間違いです。

正しくは「俺はミカンじゃない。俺は人間だ」です。

これは卒業式の卒業生代表の答辞として不良少年であった加藤優から出た台詞です。ここで、もし自らを「腐ったミカン」と表現していれば、ドラマのシナリオ(放送回第5、6話)が台無しになってしまいますからね。

不良=腐ったミカンではなく、あくまで人間。
そして、人間である以上、性根(精神)まで腐ることはなく、いつでもやり直すこと、変わることが可能だという考え方に繋がる訳です。

おまけ2:「学校」は不良にとっても大切な居場所

「中二病」という言葉(参考:中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動を自虐する語)があるように、中学生時代は多感な反抗期ということもあり、少なからず不良やそれに類する生徒が出てきます。
(単に不良と言っても、違反の学生服を着たり、茶髪にしたり、と言った可愛いものから万引き、喝上げ、暴力沙汰と言ったものまでピンキリだと思いますが…)

だからといって、学校が見捨ててしまえば、彼ら彼女らの居場所がそれこそなくなってしまいます。なぜなら、この学校という居場所は不良たちにとっても殊の外大きな存在だからです。

皆さんの学生時代を思い出してみて下さい。
学年に一人、二人は不良と呼ばれる生徒がいましたよね?
と同時に不思議に思ったことはありませんでしたか?
それは「何故、不良は学校にちゃんと来るのか」ということです。
もちろん、遅刻や欠席、宿題をしない、授業を真面目に受けない等少なからず問題はあったと思いますが、不良の多くが「学校」というコミュニティへ参加していたはずです。

これに関して、「3年B組金八先生」の別シリーズの中で、大人になった加藤優が次のように述べています。

そいつ(問題のある生徒)には先生がいるじゃないか。
先生に自分のこと見て欲しいんだよ。俺もそうだった。
だから厄介者扱いされても俺は学校に行ったんだ。本当に悪い奴は学校なんか行くかよ。
なんでそいつは学校で暴れるんだ。
先生にお前の居場所はここだって言ってもらいたいからじゃないのか。

引用:TVドラマ「3年B組金八先生」より・加藤優

学校に登校するということは、少なからずその場所に居心地を感じている訳です。なぜなら義務教育と言えども、本当に行きたくないのであれば登校拒否といった手段を取ることも可能だからです。

そうした「学校」という居場所を、教師や学校から取られてしまうと、それこそどこにも居場所がなくなります。
(もちろん、周りの生徒に迷惑をかけたり、暴力を振るったりと本人に退学を求めざるを得ないような重要なケースも存在しますが)

学校の他に、家庭内などの居場所があれば良いですが、得てしてそうした生徒は家庭内でも何かしらの問題を抱えていたりします。
(ドラマの加藤優も、父親が蒸発し母子家庭で自分がアルバイトをして生活費を稼いでいました(数学よりも「家賃と飯」の方が大事と言った台詞も)

当然、学校が全てではありませんし、(転校、通信制)逃げることも良いでしょう。ですが、親や先生からの協力も得られず、見捨てられてしまった学生(未成年)には中々ハードルが高いことかもしれません。

そうして唯一と言える居場所がなくなれば、深夜徘徊や家出、(同じような境遇の)不良仲間や反社的な類いと連んだり、果ては悪事に手を染めたり。
最悪の場合、自殺といった可能性もあるかもしれません。

だからこそ、学生時代における教師という存在は非常に重要なのだと思います。
「歳を取ると思考が凝り固まる」なんてことも言われるぐらいですから、若い頃(学生時代)の学校や教師の影響力というものは馬鹿にできず、学力向上のみならず、人格形成等にも非常に大きな影響を持つと言えるでしょう。

指導者、教師、コーチは、自分の指導下にある人たちの
・人格を磨くこと
・建設的なものの考え方と価値観を教えること
・模範を示すこと

という「聖なる任務」が与えられている。
さらにそれ以上に大切なのは、そのような責任、機会、義務を与えられていることは特権だということだ。人はそのような特権を絶対に軽んじるべきではない。

引用:伝説のコーチ「ジョン・ウッデン」の言葉より

言葉でどんなに教えても、
本棚にあるすべての書物を読ませても、
若者にどうあるべきかを教えることはできない
教える者が身をもって示すことによってのみ
それは可能になる

(指導者の最も強力な味方は、みずからが示す模範である。
指導者たるものは、何かについて語るだけではなく、実行しなければならない。手本を示すことは最高の教育法である)

引用:とある詩/カッコ内はジョン・ウッデンの言葉

おまけ3:問題児は学校ではなく「家庭」の責任!?

一方で、不良などの問題児の原因は学校ではなく、「家庭での教育やしつけと言った家庭内環境にある」とする意見もあります。

こちらに関しては、アドラー心理学を参考に紹介したいと思います。

まず、アドラー心理学では、家庭内でのことは課題の分離としてタッチしません(考えません)。

その代わり、あらゆる言動にはそれが向けられる「相手」がいると考えます。
つまり、学校内で生徒が問題行動を見せるのであれば、それは「教師(或いは学校)」に対して向けられているということです。
ですから、教師や学校に対して、授業の妨害、宿題を無視するといったことを決めている訳です。だから、教師(或いは学校)に向けられた行動を他でもない教師や学校がしっかりと受け止め解決しなければならないということです。

他ならぬ教師に向けて、教師がいるときを選んで問題行動を起こしていということは、家庭ではない教室という世界に居場所を求めているということを意味しています。

学校でのその問題行動は他でもない「教師や学校」に向けられている
家庭の責任と考えず、教師や学校の問題と捉えて解決すべき

引用:幸せになる勇気(p.154-158)より一部抜粋・改

金八先生流を踏まえたコンサル思考の解決策

解決策を提案する男性の写真

さて、ドラマで用いられた「腐ったミカンの方程式」については理解して頂けたのではないかと思います。

ここからは、コンサル的な思考で解決方法を模索してみたいと思います。

実際、箱の中に腐ったミカンがあった場合にはどうするのか。

①腐ったミカンを箱の中から取り除く(袋に包んでゴミ箱へ)
②周りのミカンに飛び火(カビが繁殖)していないかをチェック
③影響を受けたミカンがあれば状態次第で取り除く

と言った具合だと思います。従って、ミカンを取り除く以外の方法は皆無と言えます。

組織や職場において悪影響を与える人物を「モノ」として扱った場合、その人物を取り除くこと(退職勧奨、自己都合による退職)が手っ取り早い解決策と言えます。しかし、他記事でも再三に渡って述べている通り、一度雇った従業員をクビにすることは中々難しい訳です。

とすれば、やはりドラマ3年B組金八先生と同じように「ミカン(モノや機械)」ではなく「人間」としてみて、そして「人間の性根(精神)は絶対に腐らない」という見方をしていくしかありません。

そうなると次の手としては、

①周りに影響を及ぼさないように隔離
(腐ったミカンを捨てずに別の箱に移動。ex.異動や配置換え)
②腐敗ではなく発酵、熟成と捉える
(考え方や見方を変える。ex.短所ではなく長所と捉える)
③皮を剥き、食べる
(人間は絶対に腐らないという思考。企業も従業員を信じる必要あり)

さて、一つずつみていきましょう。

①周りに影響を及ぼさないように隔離

現実においても、腐ったミカンを別の箱や場所に移動するというやり方を行なうと思いますが、基本的にはこれと同じことです。

例えば、「上司が〜、部下が〜」と言った不満や、「こんな仕事したくない。本当はあの仕事がしたいのに」と言った具合に、今いる環境(人間関係含め)や役割に不満があって、腐っている従業員もいます。

我がままを言えば何でもまかり通るという風潮はいけませんが、場合によっては周りの環境が自身を腐らせることもありますので、異動や配置転換という環境の変化も選択肢の一つだと思います。

ただし、隔離と言っても、「追い出し部屋」のようろくに仕事も与えず、周りとコミュニケーションも取れないような環境に追いやることではないということはお間違えなく。
(補足:たまに上司や部下を持たずに一人で黙々と仕事をする方が良いという方もいますので、そのあたりはしっかりと従業員と話し合って両者納得の上で対処するようにしましょう)

②腐敗ではなく、発酵、熟成と捉える

発酵や腐敗の専門家(発酵マイスター・尾田春菜 氏)によれは、「発酵」か「腐敗」かの違いは、「人間が人間の視点で決めたもの」だそうです。

【引用元のページ:発酵と腐敗・熟成の違いって何?

ということは、人間の見方次第では、腐敗ではなく、発酵や熟成と捉えることも可能だということです。

似たような話として、我々は、時に短所を長所として捉えることを行います。
例えば、「神経質」は「几帳面」、「計画性がない」は「行動力がある」、「流されやすい」は「協調性」と言った具合です。

組織や職場において新しいことをやろうとしても、定年間近の社員やベテラン社員が昔からのルールややり方に捉えられていて、中々前に進まないと言った組織内での弊害が起こることもあります。

そうした時に、「障害」と見るか、「貴重な助言や指摘」と見るかでだいぶ変わってくるものです。つまり、従業員のことも「短所」ではなく「長所」と捉えて、それを上手く活用できる環境を整えてあげることも経営層のマネジメントの一つです。

従って、問題となっている従業員の長所や得意分野を発見し、それを活かせる適材適所の配置換えや長所を伸ばす或いは短所を補う人材配置等がこれに当たります(①の考え方にも通じる部分です…)。

③皮を剥き、食べる

腐ったミカンはその表面の皮を剥けば食べれると思っている方もいると思いますが、実際には腐りの原因となっているカビの菌はカビが生えていない所にも繁殖していると言われています。
従って、表面が腐ったミカンは皮を剥いて食べるのではなく、そのままゴミ箱へポイした方が無難と言えます。

ですが、「ミカン(モノや機械)」ではなく「人間」として考えた場合、金八先生の言葉を借りれば、「性根(精神)が腐ることはない」ということです。

つまり、表面が腐っていたとしても皮を剥けば中身が腐っていることはないということです(「腐っても鯛」ということ)。

【参考:「腐っても鯛」の意味】
広辞苑:「本来すぐれた価値を持つものは、おちぶれてもそれなりの値打ちがあることのたとえ」
大辞林:「本来上等なものは,たとえ腐ってもその品格を失わない」 

職場の環境、人間関係、仕事の内容など様々な理由により、腐ってしまったかもしれませんが、皮を剥けば中身は依然輝いていて、マネジメント次第では本来の価値、輝きを発揮する可能性があると信じることを意味します。

上記関連記事の中でも述べているように「人間というものは、ダイヤモンドの原石のような性質を持っている」訳です。

「原石」ということは、磨いたり削ったりすることでダイヤモンドに生まれ変わります。逆に言えば、磨いたり削ったりしない限り、ダイヤモンドのような輝きを持つことはありません。そして人間に置き換えた場合、「マネジメント」こそが「磨いたり削ったりする作業」に該当する訳です。

多くの従業員は「よし!やってやろう」「活躍したい」「出世したい」と言った夢を抱いて入社してくるはずです。
ですが、どこでどう間違ったのか、組織や職場に悪影響を与えてしまう従業員も出てきます。

その人にとって大きな失敗があったのかもしれません、もしかしたらプライベートで大変なことがあって一時的に腐っているのかもしれません。
或いは職場での何気ない言動がその人を傷つけてしまったのかもしれません。
そうした結果、腐ってしまったのかもしれません。

金八先生の言う通り、人間誰だってどっか腐ってくるものです。

人間辛い目に合って、あちこちぶつけりゃ。
誰だってどっか腐ってきますよ。

引用:TVドラマ「3年B組金八先生」より・桜中/金八先生

「仕事をする以上、会社で働く以上はプロであるべき(結果と責任を伴う)」とする企業側の言い分も分かりますが、同時に「人を育てる」と言う重要なマネジメントが出来ていない企業側にも責任はある訳です。従業員のせいばかりにするのではなく、企業側のマネジメントにも問題があると真摯に受け止めるべきでしょう。

最後に、ここでの見出しが「皮を剥く」ではなく「皮を剥き、食べる」としている点に注目して下さい。

現実での腐ったみかんはカビ菌の影響もあり、皮を剥いたとしても中身を食べずに捨てた方が良いとされています。

しかし、見出しのように「皮を剥き、食べる」ためには、食べる側(企業側)も中身は腐っていない(腐ったミカンは中身も腐るけれど、人間は中身は絶対に腐らない)と信じる必要があります。でなければ、腐った皮を剥いたミカンを食べることが出来ません。
(補足:ミカンを「従業員」とすれば、食べる側は「企業」)

つまり、企業もまた心から人間(従業員)の精神は絶対に腐らないと信じなければならないのです。そうすることが出来れば、問題のある社員も自分(企業)のマネジメント次第で良くなる(食べられるようになる)と考えられるようになるでしょう。

我々は機械やミカンを作ってるんじゃないんです、人間を作っているんです。
そして、人間の精神が腐りきってしまうことなんか、絶対に有り得ないんです。それを防ぐのが我々教師じゃないんですか。
そして、もしも、それが出来ないのであれば、我々は教師を辞めるべきなんです。

引用:TVドラマ「3年B組金八先生」より・桜中/金八先生

逆に、上記の金八先生の言葉を踏まえれば、人間(従業員)の精神(性根)が腐り切ってしまうことを防ぐことができない、つまり、従業員をきちんとマネジメントできずに安易に問題のある従業員を切り捨てるような企業は人を雇う資格はないということなのかもしれません。

おまけ:感染症(新型コロナウィルス)との戦いも腐ったみかんの方程式が当てはまる!?

日本のみならず世界中で目下、新型コロナウィルスと格闘する日々ですが、新型コロナウィルスといった感染症には「腐ったみかんの方程式」が当てはまる部分もあります。

一般に腐ったみかんの方程式とは、「箱の中に一つでも腐ったみかんが存在すると腐敗(カビ菌)が周りに伝染していき、周りのみかんを腐らせてしまうこと」と考えられています。

これを今の「新型コロナウィルスや感染症」に当てはめて考え、想像してみて下さい。

一人でも「腐ったみかん(ex.感染者や無症状者がマスクも着用せずに密になる場所に出歩いたり、周りに人がいる場所で大声で喋ったり、咳やくしゃみをする)」がいれば、周りのみかんにも飛び火(感染)して、腐らせることになります。

もちろん、感染者(陽性者)した方が悪者だと言いたい訳ではありません。
マスクや手洗いと言った感染予防対策をしていても、罹ってしまうことがありますし、また、自宅待機中や無症状故に思いがけず家族に移してしまうといったこともあるでしょう。

ただひとつ言いたいことは、一人一人が「腐ったみかん」のような行動を取らなければ、第一波での緊急事態宣言のように新型コロナウィルスの感染拡大を抑え込むことができるのではないでしょうか。

もう我慢するのは嫌。会話するのにマスクが邪魔。マスクしているとダサい。いちいち、出入りするたびに手洗いうがい(アルコール消毒)するのがめんどくさい。自分さえ良ければ良い。若いから罹っても平気など、色々と理由はあるでしょうが、あなたはモノや機械ではなく「人間」です。

腐ったみかんの方程式の肝は、人間は心(性根)までは腐らないということですが、「腐ったみかん」のような行動を取るということは、自らをモノや機械だと周りに喧伝しているようなものではありませんか?

医療崩壊が叫ばれる今、今一度自らの考えと行動を引き締めを図りたいところですね。

最後に。
残念ながら、テレビ番組やニュースにより、気の緩みが生まれている部分もあると思います。

例えば、政治家が大人数で会食したり、鼻マスクで記者のインタビューに答えたり。或いは、テレビ番組の収録が、マスクなしで仕切り版と距離だけで行われていたり、テレビ番組のロケ等でマウスガードのみを着用して大声で話したり街中でインタビューを行うといったものです。
(注意:マウスガードはナイロンマスクよりさらに低い飛沫防止効果しかないと言われています)

テレビやニュースで流れる映像だけを見て、「あの程度の感染予防で良いんだ」「あれが許されるなら、自分たちも少しぐらい外食したり騒いだりしても良いのでは」といった気持ちが芽生えてしまうこともあるので気を付けたいところです。
(補足:芸能人や政治家はテレビ局や自費でPCR検査を事前・定期的に受けていたりするので、われわれと同じ条件とは考えてはいけません。事実、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスは週に4回、ジャニーズ事務所も定期的にPCR検査を行うなど、我々一般人とは状況が異なりますので。)

まとめ

さて、今回は「腐ったみかんの方程式」を取り上げてみました。

私の中で「みかん」と言えば、「ミカンセイジン(みかん星人)」です。
今でいう「ゆるキャラ」「ブサキャラ」みたいな位置づけ?で、平日朝に放送されていた「ウゴウゴルーガ」の中でCGキャラとして出演していました。(みかん星人アワー)
毎日それを見てから、友達と学校に登校していました。

【本記事のまとめ】
・腐ったみかんの方程式とは?
・金八先生流の解決策
 →不良や問題児は「ミカン(モノ・機械)」ではなく「人間」
 →人間の性根(精神)は絶対に腐らない
 →辛い目にあって、あちこちぶつけりゃ。誰だってどっか腐ってくる
・金八先生流を踏まえたコンサル思考の解決策
 →①周りに影響を及ぼさないように隔離
  (腐ったミカンを捨てずに別の箱に移動、ex.異動や配置換え)
 →②腐敗ではなく発酵、熟成と捉える
  (考え方や見方を変える、ex.短所ではなく長所と捉える)
 →③皮を剥き、食べる
  (人間は絶対に腐らないという思考。企業も従業員を信じる必要あり) 
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