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【書評レビューまとめ・おすすめ本・著者:樺沢紫苑】神・時間術-脳のパフォーマンスを最大まで引き出す-の感想

 
書評「神時間術」の表紙
この記事を書いている人 - WRITER -
経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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書籍情報

著者:樺沢 紫苑(かばさわ しおん)
著書:「神・時間術 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す」
値段/発行所:1,500円(税抜き)/大和書房(だいわ しょぼう)
その他著書:「読んだら忘れない読書術(サンマーク出版)」、「精神科医が教えるぐっすり眠れる12の法則(kindle版)」など多数

神・時間術 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す [ 樺沢紫苑 ]

価格:1,650円
(2019/11/22 11:36時点)
感想(3件)

購入経緯

アマゾンでの評価が高かったので(笑)というのは冗談ですが、以前読んだ「読んだら忘れない読書術」にそれなりに役に立つことが書いてあったので、この本も期待を込めて購入。

こんな人にオススメの一冊

・睡眠時間はきちんととっているのに、仕事や授業中にイマイチ集中できない方
・あまり頭を使っていないのに、日中頭がぼーっとしてしまう方
・身体の疲れよりも頭(脳)の疲れを感じる方。
・仕事の質を上げたい(生産性向上)と思っている方。

気づき・感想

日中の仕事のパフォーマンスを高めるため、今まで睡眠の“時間”にはこだわっていましたが、睡眠の“質”を高める努力が必要だということをこの本を読んで痛感しました。また、1日の脳のパフォーマンスのリズムに合わせた時間の使い方をした方が良いということに気づかせてくれました。

以下、気づきを得られた3点をまとめています。

起床後2時間のゴールデンタイムを活用する

脳(脳のゴールデンタイム)の写真

人間の脳は朝起きてからの2〜3時間が、一番パフォーマンスが良いそうです。
起床後は、脳が疲れておらず、脳内が整理された状態にあるからです。

しかし、せっかくフレッシュな状態にある脳も、起床後にテレビやスマホでのネットサーフィン、ゲームなどで余計な情報を入れてしまうと疲れてしまいます。
人生においてこの起床後2時間のゴールデンタイムをいかに上手く活用するかがポイントととなります。やはりこのゴールデンタイムは重要な仕事、集中力を要す仕事や、自己投資など価値あるものに費やすべきです。

どの会社にも見られる光景だと思いますが、朝出社してPCを起動、メールを立ち上げて内容確認、返信という作業は、脳のゴールデンタイムを考えると実はすごく勿体無いことをしているということです。

集中力を高めるのではなく、集中力が高い時間帯に集中力を必要とする仕事をする

集中している写真

前述したように、起床後2時間が最も脳のパフォーマンスが高い訳ですが、その後時間が経つにつれそのパフォーマンスはだんだん低下していきます。

著書では、
・午前中は脳のパフォーマンスが高い時間帯(集中力が高い)
・午後13〜16時は脳のパフォーマンスが低下している時間帯(集中力が低い)
・午後16時〜終業時間は再び脳のパフォーマンスが高まる時間帯(集中力が高い)
として紹介されています。

なお、一点補足しておきますが、午後16時以降、集中力が高まるのはその日1日の仕事の終わりが見えてくるので、最後のもうひと頑張り(ラストスパート)が発揮されるからです。
しかし、大切なことは何時までには帰る、或いは用事があって何時までには帰らなければならないといった終わり(締め切り)が見えることが必要です。
「いつ帰られるか分からない終わりの見えない残業」が横行している場合には、ゴールの見えない長距離走のようなものなので、パフォーマンスは上がらないです(いつ帰られるか分からないので、むしろ手を抜こうとする)。

また、本書では、プロのアスリートがメンタルトレーニングを行ってもなお集中力を完全にコントロールすることができないのだから、我々凡人が集中力をコントロールするのは困難だと考えるべきだと述べています。
つまり、集中力を(意識的に)高めることは普通の人には無理だと言うことです。
そうした観点で考えた時、我々に出来ることは「集中力が高い時間帯に集中力が必要な仕事をする」ということに行き着く訳です。

これらのことを踏まえ、本書では「午前中は集中仕事、午後からは非集中仕事といった仕事のやり方」を推奨しています。

ここで言う「集中仕事」とは、「文章を書く」「プレゼンの資料を作る」「重要な資料・書類作り」「英語の論文を読む」など高い集中力を要する仕事(論理的な作業や、文章の執筆、語学の学習など)です。
一方「非集中仕事」とは、「メールの確認・返信」、「電話・コピー」、「書類の流し読み」、「会議や打合せ」など、高い集中力を要さず、いつでも(或いは移動中にでも)出来るような仕事を言います。

ただなんとなく気の向くまま、或いはいつもの習慣に従って仕事を行うのではなく、脳のパフォーマンスの高低(リズム)に合わせた仕事をすることがより効率的に仕事をする(生産性を高める)ことに繋がります。

寝る前2時間の過ごし方が大切

家でリラックスしている写真

さて、週休二日(5日働いて2日休み)で働く人は、月曜日から金曜日にかけて段々とパフォーマンスが低下していくタイプの方が多いはずです(私もそうでした、笑)。
例えば、月曜日を仮に集中力が100%とすれば、水曜日は85%、金曜日には60%と段々と低下し、土日の休みを使って100%に回復し一週間トータルで帳尻を合わせるといった感じです。

ですが、このようなパフォーマンスだと非常にロスが多いのも事実です。
というのも、本書では「仕事量」=「集中力(仕事効率)×時間」だと述べています。
仮に残業で「時間」を稼いだとしても、そもそも残業で疲れて「集中力がない状態」で行われたものであればそれで得られる仕事量は大したものではありません(どちらかと言えば、時間をかけた割に質の悪いものが出来上がることが多いはずです)。

そこで本書では「疲れを持ち越さない生活」を提唱しています。
つまり、翌日の朝には肉体的・精神的にも100%に回復している状態にしておくということです。
そのためには、ぐっすりと深い睡眠を取ることが必要となります。
質の良い睡眠が集中力(体力含め)を回復させるのに効果的だからです。
となってくると、どうやったら質の良い睡眠が取れるかということになりますが、それには「寝る前2時間の過ごし方」が鍵となります。

ここでは詳しい説明は省きますが、副交感神経を高めて寝ると、寝ている間の心身の回復が良くなるということが言われているからです。そして、「副交感神経を高める」には、夜(寝る前)に「休み」や「リラックスタイム」を持つことが必要となります。

副交感神経を高める具体的な行動としては、以下のようなものが挙げられます。

【寝る前2時間にやった方が良いこと】
・ゆったりとした時間、リラックスした時間
・読書
・音楽、アロマ(非視覚系)
・熱すぎない入浴
・リラックスさせる軽い運動(柔軟、ヨガなど)
・ペットと戯れる
・家族とのコミュニケーションをとる

【寝る前2時間にやってはいけないこと】
・視覚系娯楽(ゲーム、映画)
・明るいものを見る(スマホ、パソコン、テレビ)
・明るい場所で過ごす(特に蛍光灯NG、会社やコンビニ)
・熱いお風呂
・食事
・飲酒
・激しい運動

寝る前の2時間にこうした行動を心がけることで、質の良い睡眠につながり、翌朝脳の集中力が100%回復した状態で迎えられるという訳です。
夜寝る前のスマホやゲームなんて、多くの方が今では当たり前のようにやっていると思いますが、そこは思い切って切り捨てて実践してみる価値はあると思います。

この見出しの最後に、本書に掲載されていた言葉を載せておきます。

朝起きる時の生活習慣で「1日」が決まる。寝る前の生活習慣で「人生」が決まる

なんだかドキッとする言葉ですね。

「1日」は朝起きた時のコンディションによって決まってしまうということ。そして、朝起きた時のコンディションを決めるのは「寝る前の習慣」。つまり「寝る前2時間の過ごし方」、もっと言えば「リラックスタイムを持てる」かどうかが肝要です。

遅くまで残業をしていると、当然リラックスタイムが持てず、翌日脳(の集中力)は100%に回復していない訳ですから、パフォーマンスは低下します。
本書でも「遅くまで残業をすること」は「仕事を頑張っている」のではなく、「仕事を怠けている」のと同じだと本書では述べられています。
「残業が多い会社」は、社労士的には勿論、脳科学的な面から見ても、今、一度働き方を見直すべきだと言えるでしょう。
「本当に長時間労働させることが、会社としての成果に繋がっていますか?」と…。

では、睡眠時間は何時間取れば良いのか?

睡眠の質を高める方法は、先の見出しの中で触れましたが、では、「睡眠時間は何時間とれば良いのか?」という疑問についてです。

ある研究では「日中に明晰な状態を維持するためには7〜9時間の質の良い睡眠が必要」という報告が上がっているそうです。

以前、書評で書いた「早起きの技術/著:古川武士」の中でも、「7〜9時間」という数字が紹介されていたので同じですね。

これらの書籍からみても、「少なくとも7時間以上」は取りたいところです。

おまけ1:ホリエモンも睡眠時間の大切さに言及している

「ホリエモン」こと堀江貴文氏も睡眠時間の大切さを著書の中でしばしば言及しています。

堀江さんは「分単位でスケジュールが詰まっていてとても忙しい人」というイメージの方が多いかと思いますが、その実、睡眠時間は平均して7〜8時間取っているそうです。
その理由は「ちゃんと寝ないと翌日のパフォーマンスが下がるから」です(まさに本書と同じことを述べています)。
また、勉強にしろ、仕事にしろ、「睡眠時間を削って頑張る」という解決策は悪手で、「寝ること」は人生を充実させる上での最重要事項だと断言されています。

おまけ2:寝る前は記憶のゴールデンタイム(受験生用)

勉強を積みかせている女性の写真

「暗記系は寝る前にやるのが良い」という話を受験や資格の勉強に打ち込んでいる時に聞いたことがあるかもしれませんが、本書にも「寝る前15分に記憶したことは1日の中で最も記憶に残りやすい」と述べてあります。
(研究者によっては、「寝る前1〜2時間を記憶のゴールデンタイム」とする人もいるそうです)

何かを暗記してから、その後に余計な情報を入れると「記憶の衝突」が起こり、脳が混乱し、睡眠中の情報の整理、記憶の定着に支障をきたすそうです。
つまり、寝る前に記憶したら、そのまま眠りにつくのが一番だということです。

「今日は一日頑張って勉強したから、最後寝る前に自分へのご褒美としてテレビを見る」なんてことは実は一番やってはいけないことらしいです。
(私も、テレビではないですが、似たようなことをした経験があります)

まとめ

さて、「神・時間術 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す」で得た気づき・感想は以下の通りです。

・起床後2〜3時間の脳のゴールデンタイムを活用する
・脳のパフォーマンスが良い(集中力がある)時間帯に、集中力を要する仕事をする
(一般の人に「集中力を高める」などと言ったコントロールは不可能)
・寝る前の2時間のリラックスタイムを大切にし、睡眠時間は7時間以上とる

脳のパフォーマンスを最大限に生かし効率化をはかり、それで得た自由時間をさらに自己投資に回し、さらに効率化することが大切になります。間違っても自由時間が増えたからと言って、それで仕事時間を増やしも意味がありませんので気をつけましょう。

この他にも、本書には脳のパフォーマンスを最大限に活かすため、集中力の的となる「雑念の対処法」や、朝の起床術(5分シャワーを浴びる等)や脳の疲れを回復(リセット)する方法(運動や仮眠等)なども掲載されています。興味のある方は是非!

最後に著者曰く、「昼は緊張し、夜は弛緩して過ごすのが最も健康的な時間の使い方」だそうです。
つまり、「昼間はバリバリ働き、夜は人生を楽しむ、リフレッシュ・リラックスタイムに充てる」のが最強の時間術だそうです。

本記事には本書で述べられていることの一部しか書いていませんが、皆さんの参考になれば幸いです。
また、本書に興味がある方は是非書店で手に取って中身をチェックしてみてください。

本記事で紹介した書籍:「神・時間術 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す」

神・時間術 脳のパフォーマンスを最大まで引き出す [ 樺沢紫苑 ]

価格:1,650円
(2019/11/22 11:36時点)
感想(3件)

この記事を書いている人 - WRITER -
経営コンサルタント(中小企業診断士)、人事・労務コンサルタント(社会保険労務士)。福岡生まれの熊本育ち。性格は典型的な「肥後もっこす」。 「ヒト」と「組織」の問題解決(人材教育・育成や組織変革)を専門とする。 また、商社時代に培った経験から財務・会計にも強く、人事面のみならず財務面からの経営アドバイスも行う。 他にも社会保険労務士、中小企業診断士や行政書士など難関国家資格を含む20個の資格にフルタイムで働きながら1発合格した経験を生かし、資格取得アドバイザーとしても活動中。
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