21311音楽の日感想レポ!花の匂いで涙しforgive桜井×MISIAは圧巻パフォ
【アイキャッチの画像は、3月20日リリース予定「forgive」の配信ジャケットです。本画像も含め、本記事のすべての画像の著作権は各著作権者(TBS様、Bank Band等)にあります】
2021年3月11日、東日本大震災の発生から10年を迎えたこの日。
TBSの「音楽の日」が放送されました。
ミスチルファンの見どころは、
・冒頭の「花の匂い」
・Bank Bandが様々なアーティストと共演
・スガシカオ、TERU(GLAY)、AI、柴咲コウ等と一緒に歌った「to U」
・歌姫・MISIAとの「はるまついぶき」と、この日のために書き下ろした新曲「forgive」
といったところでしょう。
今回は、「花の匂い」と「forgive」にフォーカスして紹介したいと思います。
黙祷・追悼のサイレンに合わせた「花の匂い」
番組の冒頭。
宮城県・石巻市荻浜(牡鹿半島)にあるWhite Deer (Oshika)で「花の匂い」が歌われました。
桜井さんの歌声とバックミュージックは小林武史氏のピアノ一本。
そして、震災発生時刻の午後2時46分の黙祷・追悼サイレンに合わせたまさかの演出。
サイレン後の歌い出しの歌詞は、
こぼれ落ちた涙が如雨露一杯になったら その種に水を撒こう」
桜井さんも溢れ出す感情を抑えつつ、でも気持ちを込めた表情が画面越しに見えて非常に印象的でした。
ちなみに、この曲のリリースは2008年で、偶然にも番組司会者の中居正広氏・主演の映画「私は貝になりたい」の主題歌。
震災前に作られた曲にも関わらず、追悼や応援の意味を含んだ歌のように聞こえてしまうのは、曲自体が桜井さんのお父様がご逝去されたタイミングで作られ、曲の背景に命の尊さや死んでもなお誰かの心の中で生き続けるといった意味が含まれていたこともあったと思います。
【花の匂い(歌詞)】
届けたい 届けたい
届くはずのない声だとしても
あなたに届けたい
「ありがとう」「さよなら」
言葉では言い尽くせないけど
この胸に溢れてる花の匂いに導かれて
Mr.Children「花の匂い」より
淡い木漏れ日に手を伸ばしたら
その温もりに
あなたが手を繋いでいてくれるような気がした
信じたい 信じたい
人の心にあるあたたかな奇跡を信じたい
信じたい 信じたい
誰の命もまた誰かを輝かす為の光
”永遠のさよなら”をしても
あなたの呼吸が私には聞こえてる
別の姿で 同じ微笑みで
あなたはきっとまた会いに来てくれる
どんな悲劇に埋もれた場所にでも
幸せの種は必ず植わってる
こぼれ落ちた涙が如雨露一杯になったら
その種に水を撒こう
人恋しさをメロディーにした
口笛を風が運んでいったら
遠いどこかで
あなたがその目を細めて聞いている
”本当のさよなら”をしても
温かい呼吸で私には聞こえてる
別の姿で 同じ愛眼差しで
あなたはきっとまた会いに来てくれる
桜井和寿×MISIA夢の競演「forgive」。本物だからこそ奏でられる圧巻のパフォーマンス
3月11日に合わせて書き下ろされた新曲「forgive」。
本曲はこの番組でテレビ初披露となった訳ですが、テレビの前で正座して観てしまいました。
まず、冒頭の「えんやこら まだいくよ」「えんやこら ここから」「えんやこら はじまるよ 今から」という、今までにない出だしで度肝を抜かれ、桜井さんとMISIAがそれぞれの個性を発揮しつつ、終盤にかけてのパワフルな掛け合い。しかも、楽しそうに歌いながら…本当にこの2人にしか出来ない圧巻のパフォーマンスだったと思います。鳥肌モノでした。
MISIAさんの声量は言わずもがなですが、一緒に歌っている桜井さんは放送日の3日前に(21年3月8日)に51歳になったばかりです。年齢を重ねると、若いころより高い声が出なくなったりすると言われますが、ボイトレの効果もあってか「花の匂い」含め、コンディション良さそうで声を響かせてましたね。
歌を聴く前は、もしかしたら、MISIAの高音・パワフルボイスに負けてしまうかな(?)と思いましたが、そこは桜井さん。マイク通りの良い声+低音コーラスと十分際立った歌声を披露していらっしゃいました。
さて、「えんやこら」をネットで調べてみると、「力仕事などで呼吸を合わせたり動作を促したりする意味で用いられる掛け声」と書かれています。分かったようで分からない。
そこで作詞した桜井さんのコメントを見てみましょう。
えんやこら
引用:SPICE編集部HPより(URL:Bank Band、ゲストボーカルにMISIAを迎えた新曲「forgive」を配信限定リリース(コメントあり) | SPICE – エンタメ特化型情報メディア スパイス (eplus.jp))
ここから
はじまるよ
あれから10年
それから今も
大きな流れの前では、小さくて不完全な僕らを
許しながら
それでもやっぱり未来へ力強く漕ぎ出す
そんな歌です
東北の方々の力に満ちた歌を、声を聞いて欲しいです。
櫻井和寿
実際、ニュースや新聞等を見ると、まだ10年前のあの時のこと(自分の取った行動、後悔など)をいまだに許せないでいる方がいらっしゃるとお聞きします。「前向きに生きていかないと…」とといったコメントはまさにそうした気持ちを表しているのではないかと思います。
曲のタイトル「forgive」は「許しなさい」「人の罪などを心底から許す」といった意味です。
誰のせいでもないと分かってて 誰かを責めたり 自分を恨んだりして」
「変わってく事でしか続いてはいかない それもとうに理解してる
新しい景色を許すことで それまでの全てが許されるならいいのに」
「昨日を許して 次の僕らへと 自分を許して 次の未来へと」
といった具合に歌詞の中にもforgiveの想いがちりばめられ、悲しみを抱えながらも、「次の僕らへ」、「次の未来へ」と進んでいこうよ、というメッセージが見て取れます。
それに日本独特の言葉である「えんやこら」は、「一人」ではなく「みんな」で一緒に力を合わせようという印象が強い言葉ですから、みんなでそっと寄り添いながら一歩踏み出そうといったイメージを抱かせてくれました。
以下はテレビを見ながら書き起こした「forgive」の歌詞です。
「もういいかい?」「まだまだだよ」って、自分の中の悩みや葛藤の様子を「かくれんぼ」に例える歌詞も印象的でしたが、一方で冒頭のかくれんぼは、震災当時に避難所の子供たちがかくれんぼしている姿を眺めていると、時が止まってその瞬間だけ嫌なことを忘れられたみたいなことをイメージしたのかな?、と歌を聴きながら思いました。
桜井さんが作曲しただけあって、聞けば聞くほど深みを感じる曲に仕上がっていると思います。
【forgive(歌詞)】
Bank Band feat. MISIA「forgive」より
えんやこら まだだよ えんやこら まだいくよ
えんやこら ここから えんやこら はじまるよ 今から
「もういいかい?」「まだまだだよ」って
子供たちが かくれんぼしている
可愛らしくて 懐かしくて 束の間 時が止まる
いつも見えない荷物の重さに
身体を屈めながら暮らしてる
誰のせいでもないと分かってて
誰かを責めたり 自分を恨んだりして
爪先立ちして
風のディストーション 身体中に浴びながら放つよ
金網を超えて 何処までも飛んでけ
あの日丸めた未来予想図を
紙飛行機のイメージで 次の僕らへと
「もういいかい?」「まだまだだよ」って
自分の中のかくれんぼなんか もうやめた
えんやこら まだだよ えんやこら まだいくよ
えんやこら ここから えんやこら はじまるよ
変わってく事でしか続いてはいかない
それもとうに理解してる
新しい景色を許すことで
それまでの全てが許されるならいいのに
爪先立ちして
風のディストーション 身体中に浴びながら歌うよ
花びらが舞った きらめく解放区で
明日のためのメロディ奏でよう
金網を超えて 何処までも飛んでけ
あの日消えた未来予想図を
爪先立ちして 次の僕らへと
花びらが舞った 次の未来へと
昨日を許して 次の僕らへと
自分を許して 次の未来へと
声よ響け 次の僕らへと 歌よ響け 次の未来へと
声よ響け 次の僕らへと 歌よ響け 次の未来へと
涙を連れて飛んでけ
次の僕らへと
「forgive」は21年3月20日から配信スタート
番組終了後、早速発表がありましたね。
反響を呼んだ、「forgive」は2021年3月20日(土)AM0:00から配信スタートです。
気に入った方は、是非、買いましょう(笑)。尚、今回の配信の収益は、ap bankを通して2021年8月11日から宮城県石巻市で開かれる3度目の「Reborn-Art Festival」の運営費として使われる予定とのことです。
ちなみに、TOY’S FACTORYのBank BandのHPには、以下のように記されています。
「本作は、日本を代表するボーカリスト MISIA をゲストボーカルに迎え、Bank Band feat. MISIA 名義での発表。
引用:TOY’S FACTORYのBank BandのHPより
櫻井和寿が作詞、小林武史が作曲 & 編曲。
RECORDING には、小林武史 (Key.) / 櫻井和寿 (Vo.) / 小倉博和 (Gt.) / 亀田誠治 (Ba.) / 河村 “カースケ” 智康 (Dr.) / 四家卯大 (vc.) / 沖祥子 (vn.) / 山本拓夫 (Sax.) / 西村浩二 (Tp.) など、日本のトップミュージシャン達が “Bank Band” として参加 ! さらに 、コーラスには、石巻好文館高等学校音楽部と石巻メンネルコールの方々が参加して下さいました!」
番組の感想・SNS上ではこんな声が…
「花の匂いに関して」
引用:ネット&SNSコメントより
・本物のアーティストによる本物の歌
・感動した
・鳥肌が立った
・号泣。涙腺崩壊
・本当にいい歌(花の匂い)
・心に刺さった。心に染みた(響いた)
「桜井和寿×MISIA コラボに関して」
・圧巻のパフォーマンス
・最高のコラボ。お互いがリスペクト
・MISIAの歌唱力に圧倒された。桜井さんの声が素敵
・カッコいい。感動
・神。神がかってる
・最強の二人による、最強のハーモニー。破壊力抜群
「その他」
・(この番組は)有料でも良い。無料で見れるなんて逆に申し訳ない
・音楽の力を感じた
・久しぶりに本物の歌手たちによる素晴らしい歌番組
まとめというか、個人的感想
震災から10年という節目の年でもあり、番組は追悼を強く意識した作りだったと思います。
冒頭の追悼サイレンと合わせた「花の匂い」の演出には賛否両論あるようですが、個人的には思いもよらない演出に感動しましたし、桜井さんの気迫も相まって無言で聞き入ってしまいました。
あと、ファンキーモンキーベイビーズが復活したのだから、震災当初から積極的に支援していたSMAPが一夜限りの復活もありなんじゃないかと思いましたが、それだと震災の日に故人を偲ぶよりも、SMAP復活の方が注目を集めてしまうので嫌がったのかな?とか、勝手に想像しました。
さて、TBSの音楽の日。
久しぶりに歌番組を最初から最後まで観ました。
4時間という長時間にも関わらず、CMも少な目(変に引っ張らない)、余計な演出なし、ひたすらアーティストの歌を聴かせる作りで大満足でした。個人的に、小林さんや桜井さんあたりがTV出演する条件として、番組構成にまで口を出して作られたのではないかと思うくらい視聴者目線の作りだったように思います。
また、「(歌聞きながら)MISIA、本当気持ちよさそうに歌ってるな」と感じたのは、桜井さんがap bank fesのBank Bandでの立ち位置と同じで、コラボアーティストを引き立てて、一歩下がった感じで歌われていたからかもしれません。それもあってか「はるまついぶき」や「forgive」ではMISIAさんに思いっきり自由に歌ってもらって、桜井さんはそれを上手くサポートしているようにも映りました。
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