【資格勉強法】社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士に合格した勉強のコツ10選
プロフィールにも少し書いていますが、私はフルタイムで働きながら、中小企業診断士(合格率約4%)、社会保険労務士(合格率約6%)などの難関国家資格を含む13種17個の資格試験に1発で合格することができました。
そして、経営コンサルタントとして独立開業後も取りたいと思った資格に挑戦し、現在16種20個に到達(笑)。
これまで様々な資格試験を受けてきた訳ですが、私は、高校受験も大学受験も第一志望には見事に落ちており、「試験=不合格、失敗」という悪いイメージをずっと持ち続けていたので、むしろ「試験」と名のつくものが苦手でした。
だから、こういった難関資格で合格を掴み取ることができたというだけでも大変ありがたいのですが、それだけではなく、受けた資格試験にすべて1発合格(ストレート合格)できたということに、自分自身でも驚いています。
先ほど述べたように学生の頃は、「(学生の)仕事=勉強」という恵まれた環境にあるにも関わらず受験では失敗し、一方で、社会人になってから「仕事と勉強」という二足のわらじ状態でも、合格率1桁の難関資格(試験)に合格することが出来たのには、学生時代とは違う「何か(勉強法やノウハウ)」があったからだと思います。
今回は、資格試験を受け続けて見えてきた「その何か」について、これから資格を目指す受験生のお役に立つように勉強のコツ10選という形でまとめてみました。
社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士に合格した勉強のコツ10選
本当に資格を取りたいと思えるだけの目的・理由があるか
おそらく学生時代との一番の違いがこれです。
正直、私は、高校や大学受験の時に、これといって明確な目的(何がしたい、何を学びたいなど)を持つことなく、自分の学力や居住地から高校や大学をとりあえず選んだだけでした。
一方で、社会人になってからの資格試験は違います。
・財務諸表が読めるようになりたい → 簿記
・経営者と様々な話題について話せるようになりたい → 中小企業診断士
・労働全般(労働法規や人事・労務問題)について学んで仕事に活かしたい → 社会保険労務士
・相続や遺言について学んでみたい → 行政書士
といった明確な目的を持って資格を受けることを決めました。
また資格の選考基準として、今の自分に必要な知識や興味のある内容が学べる資格だけを受けてきました。
皆さんも、「流行りの資格」だとか、「初めて資格を受けるのであれば、取りえずこれ」みたいな曖昧な理由ではなく、その資格を取るのに明確な目的・理由があるかどうかを考えてみて下さい。
私の場合は、その資格を取った後のことを大事にしていました。
つまり、その資格を活かして活躍している自分の姿が、ありありとイメージ出来るかどうかを基準に考えていました。そして、合格後の姿をイメージしておくことは勉強をする上でのモチベーション維持にも繋がるので非常に大事なことです。
合格までを目的にするよりも、合格後のありたい姿を目標にした方が、より内発的な動機付けが強まって途中で資格勉強を諦めてしまう可能性が低くなることでしょう。(見出し:「おまけ3:具体的なイメージ(目標)を持つことは大事」もご参照下さい)
これまでの生活習慣を全く別のものに変えるという覚悟を持つこと
そもそも、会社で強制的に取らされる資格を除いて普通、資格試験は受けようと思わなければ受ける必要のないものです。
そして、学生時代とは違い、資格勉強は完全自主性です。
社会人ともなれば多くの方が親元を離れ一人暮らしをしています(もちろん家族持ちもいらっしゃいますが…)。
ということは、勉強をサボろうが、あるいは、途中で色々と理由をつけて資格試験を受けることを諦めても問題はないわけです。
誰からも怒られることはありませんし、「勉強しなさい」と言われることもありません。
だから、社会人になって自分の自由時間を削ってまで勉強するというのは、自ら苦行に飛び込んでいるような状態ではないかと私は思っています。
苦行を長く続けるためには、「1.本当に資格を取りたいと思えるだけの目的・理由があるか」で書いているように、資格を取るには自分の中での強い動機付けが必要となる訳です。
そして、「何か資格を取りたい」と思ったら同時に、これまでの生活習慣を全く別のものに変える覚悟が必要になります。
例えば、
・どんなに仕事で疲れていても、毎日勉強する(勉強の習慣化)
・遊びや旅行、飲み会といった誘いを断る(たまの気分転換の場合は
OK)
・仕事が休みの日は、全て勉強にあてる
といった覚悟です。
つまり、睡眠 = 食事 = 勉強 ≧ 仕事 > その他(遊び、飲み会 etc)という優先順位に生活を変える覚悟です。
特に長期間・長時間の勉強が必要となる難関資格は、このような覚悟がないと合格できません。
ちなみに、何かを習慣化させるには80日、或いは3ヵ月(90日間)かかるといった話をセミナーや書籍等で耳にします。私の経験的にもこれらは妥当な数字だと思います。
資格勉強を始める前に、今一度自分自身にその覚悟があるかどうかを問うてみて下さい。
試験日から逆算して学習計画を立てる
「1.本当に取りたいと思えるだけの目的・理由があるか」と「2.これまでの生活習慣を全く別のものに変えるという覚悟を持つこと」をクリアできたのであれば、次は、試験日までの学習計画を立てることです。
そのためには、資格の概要(試験時間、年間試験回数、マークシート形式or記述式、合格基準点、合格率 etc)や、合格に必要な勉強時間や勉強期間を書籍やネット等を使って調べます。
学習計画を立てる際に重要なのが、自分の学習環境を鑑みながら試験日から逆算して計画を立てていくことです。
例えば、皆さんに馴染みのある簿記2級に合格するには、およそ200〜400時間の勉強が必要だと言われています。ここでは間をとって、300時間の勉強が必要だと仮定しておきます。そして、今から試験日まで3ヶ月の期間があるとすれば、1ヶ月100時間、ひと月30日の計算であれば、1日3時間程度の勉強が必要となる訳です。
1日3時間の勉強時間が確保できるかどうか、自分の学習環境を見つめ直してみて下さい。
仕事を効率的こなしたり、今まで別のことをしていた自由時間を当てたとしても、3時間確保できそうになければ、1日2時間の勉強時間で再計算してみるなどの修正をしてみてください。仮に1日2時間となると300時間をクリアするには、150日(5ヶ月)の勉強期間が必要になります。この場合であれば、次次回の試験に合わせて勉強するような形がベストになるかもしれません。(簿記2級は、3〜5ヶ月のスパンで試験が実施されている)
1つだけ注意しておくと、資格の概要を調べていると短期間で合格した体験談が載せられていますが、それを鵜呑みにして計画を立ててはダメだということです。
この時大切なことは、短期間という期間ではなく、その合格者の方の勉強時間に着目することです。
経験上、多くのサイトでは、こういう勉強をした(例えば過去問を何回解いたなど)ということは書いてあっても、実際の1日の勉強時間までは書いていないことが多いようです。
ある資格の場合では、「●週間で合格」と謳ってありましたが、本文をよく読むと「1日10時間の勉強をした」と書いてありました。はっきり言って、社会人に1日10時間×●週間の勉強は無理です!!!
もちろん、本当に短期間かつ短時間の勉強で合格できる方もいますが、基本的にそういう方は稀(例外)だと考えて下さい。間違っても自分と一緒にしてはいけません(笑)
最後に。先ほどの例では、勉強時間を3時間から2時間に減らして、受験日(試験回)をズラすという例でお話ししましたが、試験日までの期間が短い場合を除いて、試験回をズラすことはあまりオススメしません。多少無理をしてでも、合格するために必要な勉強時間を捻出する方が効果的です。(つまり、先ほどの例だと、1日3時間の勉強が確保できるようにやりくりする)
何故なら、
資格を取りたいと思った時が、一番モチベーションが高いと言われている(資格試験あるあるの皮肉めいた一言)
・締切効果
「残された期間で仕上げなければならない」という締切(終わり)が決まっている方が、俄然やる気が出る
見たこと、読んだこと、解いたことは全て忘れてしまう前提で(間違えてなんぼ)!
「ついこの間やった問題なのに間違えた」
「テキストに書いてあることをなかなか覚えきれない」
「同じ問題をまた間違えた。これで3度目だ・・・」
「どうして自分はこんなに記憶力が悪いんだ」
勉強をしていると、こういうことって本当によくあります。
個人差はあれど、「人間は忘れる生き物」なのです。それはもう本能であり、習性なので、どうしようもないことです。だから、そのこと(同じ問題を間違えた。覚えていなかった)にいつまでもくよくよしてはいけません。
忘れてしまった、間違えてしまったのなら、次は忘れないように工夫して覚えてみましょう。
例えば、毎日、その問題やテキストを見返すのも良いですし、間違いノートを作って、時間があるときに見返すようにしたりするなど、色んな方法が可能です。
忘れてしまうことは当たり前のものと受け入れて、どうやったら忘れないようになるか、Trial and Errorの精神で勉強していきましょう。
過去問や問題集は、全ての選択肢が判別できるようになるまで徹底的にやり込むこと
「過去問や問題集を解くこと」が、資格試験における必勝法の1つです。というか、これなくして合格はあり得ません。
多くの資格試験が五肢選択のマークシート形式ですので、ここからはそれを前提に話を進めていきます。
資格を目指している方から、
「過去問や問題集の答え(正解の選択肢)を覚えてしまった」という話を聞くことがあります。
確かに問題集を何度も解いていると、「あー、この問題の正解肢は「ウ」だったよな、これは「1」だったなぁ」と答えを覚えてしまっていることはままあります。
ですが、「過去問や問題集を解く」とは、出題されている問題の答え(選択肢)を覚えるということではありません。
「過去問や問題集を解く」とは、全ての選択肢の答えが正しく分かるということです。例えば、五肢選択で正しい選択肢はどれかという問題であれば、正解肢以外の残り四つの選択肢の間違っている箇所を指摘でき、尚且つその正しい答えを言えるということです。
ですから、五肢全てが判別できるようになって初めて「その問題が解けた」ということになります。
試験問題は、確かに過去問や問題集の内容から出題されることが多いですが、全く同じ問題が出題されるということは余りありません。選択肢のどこかをイジっていたり、文言を入れ替えていたりしています。
そういった問題に引っかからないように、少なくとも過去問や問題集で問われた内容であれば、どのような形で出題されても対応できるように仕上げておく必要があるわけです。
その仕上げておくというレベルが先ほど述べた「全ての選択肢の答えが正しく分かる状態」ということです。
さらに、難関資格に合格するには、ただ問題が解けるということだけでなく、問題を解くスピードも要求されます。試験では、初めて見る問題(初見の問題)や、選択肢が紛らわしく、しっかり考え込まないと答えが導き出せない問題も出題されますので、どうしてもそういった問題に想定以上の時間を取られてしまいます。そうなると最悪の場合、試験時間(回答時間)が足りないということも起こり得ます。ただでさえ試験中は、緊張、不安や焦りで普段通りの力を出すことが困難になっていますからね。
こうしたことを防ぐためにも、少なくとも過去問や問題集で解いたことがある問題は、問題を読んだ瞬間とほぼ同時に答えが導き出せるぐらいの回答スピードを備えておく必要があります。(これは、先ほど述べたように問題集や過去問で全ての選択肢が判別できる状態になっていれば可能です。)
大事なことなので繰り返しますが、過去問や問題集は、全ての選択肢の答えが判別できて初めて問題が解けるようになったということです。試験日までにこの状態になるようにしっかりとやり込むことが大切です。ただ、奇問・難問に対してこの状態になる必要はありません。いわゆる、基本問題、頻出論点についてこの状態になるようにやり込みましょう。
なぜなら、合格するには、みんなが知らない問題が解けることではなく、みんなが知っている問題を落とさないことが何より重要になるからです。このような優先順位も忘れないようにしましょう。
周りから何を言われようと関係ない。「自分だけは受かる」という固い意志を持ち続けること
資格勉強を開始し勉強にも慣れてくると、今度は勉強以外の様々な誘惑が現れてきます。
まず、「いついつ、遊びに行こう」、「仕事終わったら、飲みに行こう」こういった誘いには容易に乗らないようにしましょう。
今、自分が何を優先すべきかしっかりと意識して下さい。時に断る勇気も必要です。
とはいえ、こういった誘いはまだまだ序の口なので、「2.本当にその資格が必要か」がクリアできた方であれば大丈夫だと思います。
ですが、
「勉強ばかりしないで遊びに行こうよ。ほんと、最近付き合い悪いなぁ」
「その資格すごく難しんでしょ。だから、勉強してもどうせ無理だって」
「そんなに勉強してなんになるの?」
「資格なんか取っても何の役にも立たないよ」
「そんな資格があっても稼げる訳じゃないし」
「この資格を取るのには、普通●年はかかるよ」
といった言葉が聞こえてきたらどうでしょうか?
例え、相手に悪気はなくても、資格勉強をしている本人にとっては「痛恨の一撃」となり得ます。
勉強が全く楽しくないとは言いませんが、勉強よりも自分の好きなことをしている方がよっぽど楽しいことは分かりきったことです。ただ、そういった気持ちを押し殺して勉強している人達にとっては、先に述べたような言葉を聞かされると非常に辛いものがあります。
また、同じ受験生同士でも、「この資格を取るのに、普通●年はかかるよ」といった言葉は、初学者には必要以上に重くのしかかります。つまり、最初からあるいは途中で合格を諦めることに繋がる可能性すらあるのです。
こういった言葉に触れてしまうと、せっかく今まで、必死に勉強を続けていた緊張の糸が切れてもおかしくはありません。また、「付き合いが悪くなった」と言われて、人間関係の回復に走り、結果、途中で勉強をやめてしまう人もいるかもしれません。ですが、資格の勉強を本気でしたことがない方、資格といったものに全く興味がない方には、決して勉強しているこちらの気持ちは分からないものです。
だから、「周りから何を言われようと関係ない。自分だけは絶対に受かるんだ」という固い意志を持ち続けることが合格のためには何より大切です。周りは周り、自分は自分でいることです。
周りから何を言われようとも、学習計画に沿って粛々と勉強を続けましょう。それこそが合格への近道です。
使用しているテキスト、問題集を最後まで信じ抜くこと(浮気厳禁)!
試験日が近づくにつれて、だんだんと不安や焦りが出てくるものです。特に、試験日が迫ってきているのに今ひとつ成績が伸び悩んでいる方だと、「勉強のやり方が悪いのだろうか」、「テキストや問題集が良くないのではないだろうか」と、そういった不安にかられます。
そこで、ついつい新しいテキストや問題集に手を出してしまう方がいらっしゃいますが、これは絶対に止めるべきです。
勿論、ある出版社のテキストには載っていて、別の出版社のものには載っていないといった内容の部分もあるでしょうが、大手出版会社が出しているような教材であれば、内容にそこまで大きな差はありません。(基本問題や頻出論点といった部分は、ほとんど同じだと私の実体験上からでも言えます)
資格勉強初心者ほど、新しい物に手を出しがちだと思いますが、新しい物に手を出すよりも、勉強開始直後からずっと使っているテキストや問題集を信じて、試験日までひたすらやり込む方が何よりも大切です。
合格に必要とされる勉強時間をクリアしてから不安や不満を嘆け
「今回は無理そうだ」
「この調子だと、次の試験も受からなそうだ」
「全然成績(得点)が伸びない」
「どうしてなかなか覚えられないんだろう。テキスト、講義が悪いんじゃないか」
こういった不安や不満を嘆く前に、嘆くに値するだけの勉強(量)をしたかどうか、自分自身に問うて下さい。
「2.試験日から逆算して学習計画を立てる」でも少し触れていますが、せっかく目指す資格に合格するために必要な勉強時間を割り出している訳です。私はこの勉強時間というのは、これまでの合格者の体験談から導き出されたもので、それなりに根拠のある数字だと思います。
どんなに勉強の効率や質を追求しても、合格にはその資格に見合った相応の努力が必要となります。この努力こそが、「勉強時間」、「勉強量」だと思っています。
勿論、それまでの経験(職歴や専門分野)や取得資格の有無で必要となる勉強時間(量)は増減します。ですが、それは、その経験や過去の資格取得に勉強時間(量)を費やしていたからであり、全体(トータル)で見た場合は、やはり「相応の勉強時間(量)」を費やしているわけです。
まずは、多少効率が悪くとも勉強時間(量)をこなさなければ、合格は見えてきません。
以前、林修先生もテレビで、「成績が優秀な方」と「そうではない方」の差は、「勉強時間の差」だとはっきりおっしゃっていました。
具体的には、その方(成績が優秀ではない方)にとっては勉強しているつもりでも、成績が優秀な方の勉強時間と比べると圧倒的にその時間が少ないということでした。
つまり、本人は一生懸命やっているつもりでも、相対的にみたら大した時間ではなかったということです。本人は「頑張っていたつもり」だったけど、勉強の質や効率、頭の良し悪し以前に、単純に絶対的な勉強時間(量)の差が存在していたという訳です。
ちなみに私の場合は、(括弧内はネット等に掲載されている合格までに必要な勉強時間)
・中小企業診断士:820時間(1,000〜1,500時間)
(*投稿当時、診断士の勉強時間を1,000時間としていましたが、TAC出版の「合格の秘訣」に書いた820時間に修正しております。いつの間にか記憶が改竄されてました、笑)
・社会保険労務士:850時間(1,000〜1,500時間)
・宅地建物取引士:100時間(200〜300時間)
・行政書士:660時間(600時間〜1,000時間)
といった勉強時間で合格しています。
(いずれの資格も1発合格なので、まぎれもなく合格するまでに私が要した勉強時間です。)
勿論、能力やそれまでの経験で個人差はあるでしょうが、合格するにはやはり資格に見合った勉強時間が必要だと思います。質や効率を追い求めることが悪いとは言いませんが、まずは勉強時間を追い求めた方が賢明です。なぜなら、量をこなすうちに自分にあった勉強法が見えて効率も上がっていくからです。私も、資格試験を経験するたびに勉強の効率が上がっていったように思います。
このことを踏まえると、「今回は無理だ」「成績(得点)が伸びない」といった不安は、必要な勉強時間をクリアして初めて嘆く資格がある言葉ではないでしょうか。やることをやっていないのに、「勉強法がどうだ」とか「講義が、テキストがどうだ」「成績が伸びない」といった理由を挙げるのは、少々虫が良すぎると思います。
最後に補足しておきますが、前述した合格までに要した私の勉強時間には、きちんと勉強している時間だけしか含んでおりません。 机に座っていたけどあまり集中していなかった、携帯をいじっていた、まとめノートを作っていたといった勉強とは関係のない時間は含んでいません。
このような注意書きをするには理由があります。
近頃は、有料の自習室でも資格学校の自習室でも、勉強しているのか、携帯をいじっているのか分からないような受験生が多いように感じます(皆さんの中にも、心当たりがある方がいるのではないでしょうか?)。
勿論、本人は勉強をするために自習室に来ているのかもしれませんが、「机に座っていた時間、資格学校などに滞在した時間」=「勉強時間」ではないことにくれぐれも注意して下さい。勉強したつもりになっている時間を勉強時間にカウントしているようでは、いつまで経っても合格は掴めませんよ。特に、居眠り、スマホいじりは以ての外です!
最後の最後まで諦めない(直前期で成績がグッと伸びる)
直前期(試験日から1〜2ヶ月前)に突入すると、本番に慣れる意味も込めて模試や確認テストを受け始めることになります。その時、模試などであまり得点が取れない(合否判定の結果が悪い)と必要以上に凹んでしまったり、あるいは最悪の場合、受験を諦めてしまう方もいます。
私も、中小企業診断士の受験の時は、直前期の全国模試でD判定(C判定だったかも?)でした。それまで、それなりに勉強していて、ある程度結果もついてきていたので、模試の結果に大ショックを受け1週間ほど勉強が手に付きませんでした。
ですが、そこから何とか立ち直り直前期の追い込みもあって無事に合格することが出来ました。また、社会保険労務士や宅地建物取引士の受験の時も、直前の全国模試ではD判定やC判定で中小企業診断士の時と似たような感じでしたが、やはり直前期の頑張り、追い込みで合格をもぎ取ることが出来ました。
ですから、これまでの経験から言わせてもらえば、直前期(試験1〜2ヶ月前)が一番成績が伸びる時期です。毎日着実に勉強して来られた方だと、「これだけやったのだから、絶対受かりたい」という想いが後押しして、直前期は、勉強の質、量とも飛躍的に上がりますので、得点がどんどん伸びていきます。
ともすれば、本試験当日(本番の日)でも伸びているのではないでしょうか。
その証拠ではないですが、試験直前期に行われる全国模試の段階では悲惨な状態(C、D判定)だったにも関わらず、本試験ではそれまでに一度も取ったことがないくらいの得点で合格することが出来ました。
参考までに、それぞれの本試験での得点は以下の通りです。
・中小企業診断士:一次試験(7科目)総得点455点(700点満点)
・社会保険労務士:択一式53点、選択式36点(択一式70点、選択式40点満点)
・宅地建物取引士:37点(50点満点)
・行政書士:214点(内訳:法令等182点、一般知識等32点、300点満点)
(注:合格点は各試験の合格基準(試験概要)をご参照下さい。)
→証明となる得点表等は下記関連記事でご確認下さい。
だから、直前期に模試などの成績が悪くても必要以上に落ち込んでいる暇はないのです。直前期の大切な時間を1分1秒とて無駄にしてはいけません。幸い模試はお試しであり、本番ではありません。
むしろ本番前に自分の弱点(得点が取れなかった分野)が見えて良かったと気持ちを切り替えて、試験日まで粛々と勉強を続けて下さい。
最後の最後まで油断禁物(特に模試の得点結果が良かった方)!
直前期の模試の成績が良かったりすると、「あー、このままいけば本試験も大丈夫そうだな」「これだけ点数が取れてるから余裕だな」と思って、直前期に油断してしまう方がいらっしゃいます。
特に難関試験などで、長期間勉強していて直前期の模試で思うような得点が取れたりすると、「油断=慢心」が生まれ、これまでの緊張の糸が切れて気を抜いて勉強を疎かにしてしまう可能性があります。
適度な気分転換は勿論構いませんが、本試験で何が起こるか分かりません。ひょっとしたら、模試の得点もたまたま最後の二択で悩んでいた問題がマグレ当たりして得点になったのかもしれません。
最後の最後まで、気を抜かずに緊張感をもって勉強に臨むことをお勧めします。
せっかく、頑張ったのに最後の油断で合格を逃してしまうのは本当に勿体ないですよ。
試験当日は、体調・知識・精神面全てを整えて臨むこと
試験という性質上、多くの方が知識面の充実ばかりを目指しがちですが、本試験では、体調面、精神面を整えることも同じくらい重要です。
例えば、体調面で言えば、試験会場での夏場の冷房・冬場の暖房対策、昼食後の試験であれば、睡魔に襲われないような昼食や飲み物(利尿作用の強いものは避ける)の選択、疲れた脳を活性化させるような甘い物、栄養ドリンクの持ち込みなど色々と工夫する要素はあります。
また、試験当日に体調を崩さないように、試験1〜2週間ぐらい前からしっかりと栄養のある食事を摂ったり、毎日の睡眠時間を確保するなどの気も配りたいところです。
そして私が、一番大切にしているのが「精神面」を整えることです。
つまり、せっかくこれまで勉強してきたのに、試験前から不安や緊張に負けてしまったり、初見の問題や難問・奇問に出会って必要以上に焦ってしまい、それが他の問題にも影響してケアレスミスを誘発してしまったりなど、自分の実力を100%出せないままで試験を終えてしまうことのないように精神面も整えておくということです。
精神面を整えるというのは、非常に難しいことではあります。(もともとプレッシャーに強い、弱いといった体質的なものもありますし。)
ですが、例えばそうしたこと(初見の問題や奇問・難問に出会う、試験時間が足りずに焦ってしまうこと)が、起こるかもしれないということをあらかじめ想定しておくだけでもだいぶ違ってきます。
あとは、模試などで実際にそういった経験・失敗を積んでおくと試験では必要以上に動揺しなくなるかもしれません。
なによりも精神面を支える特効薬になるのは、試験日までしっかりと勉強することだと思います。
「これだけやったのだから、どんな問題が出題されても大丈夫」
「(これだけやった)自分が受からずして、誰が受かるんだ」
「自分が落ちようなら、他の受験生もみんな落ちる」
「自分が解けない問題は、他の受験生も解けない」
といった自信を持てるぐらいに努力をしてから試験に臨めば、試験中に少々のトラブルが起きてもすぐに落ち着きを取り戻し、冷静に対処できるはずです。
(おまけ1)勉強ばかりもNG(リフレッシュ法を確立せよ)
これまで書いた内容と少し矛盾してしまうかもしれませんが、資格試験を戦うには、やはり勉強ばかりしていては駄目です。ずっと勉強ばかりしていると、だんだん気が滅入ってきます。
例えば、
「なぜ、自分だけ(勉強をしなければならないのか)・・・」
「(何も気にせず遊んでいる)他の人が羨ましい」
「自由な時間が欲しい」
などといった負の感情を持ち始めることもあります。
それ以外にも、勉強の効率が落ちたり、集中力が続かないといったことも起きてきます。
そうならないように、時には、映画やテレビを見たり、飲み会や買い物に行ったり。あるいは、アーティストのLive、ドライブや旅行に行くなどして、適度に羽を伸ばすことが大切です。
そもそも、人間は60〜90分程度しか集中できないと言われています。難関資格など長期の勉強が必要な資格の場合は必ず休憩する時間が必要です。
何事もバランスが大切です。勉強する時・しない時。「オンとオフ」を意識しながら勉強に励みましょう。「オフ」を楽しむために、「オン(勉強)」の時間を目一杯こなすことが肝要です。
ちなみに、私の場合は読書がリフレッシュ法でした。
もちろん、資格の勉強とは関係のない小説を読むこともあれば、ビジネス書や専門書といった仕事に関係するような本を読んでいました。特に、試験勉強中は、機械的というか感情の起伏がない状態で黙々と勉強をする日が続きますので、小説を読むことで琴線に触れて、人間味を取り戻しリフレッシュにも繋がっていたように思います。
あと、読書だと自分のためになることをしているので、勉強をサボっているという感覚が薄く罪悪感に駆られないのが丁度良かったです。
資格勉強において、「自分なりの勉強法」を確立することも大事ですが、「自分なりのリフレッシュ法」を確立することも同じくらい大切ですので、お忘れなく。
(おまけ2)本を読もう(読書のススメ)
難関資格の合格者と話す中で、試験勉強以外の時間は読書をしていたという方は意外に多いです。
前に述べた通り、私も、リフレッシュの一環として読書を嗜んでいましたが、改めて、資格試験に置き換えて考えると読書の効果として、読書によって文章理解が深まる(ex.問題の意図、問われている内容が掴みやすくなる)、テキストや問題文の読解スピードの向上などといったことが期待されるのではないでしょうか?
テキストを読んでもどういう意味か理解しづらい方、問題を解くのに試験時間ギリギリまでかかっているといった方、問題文(の意図)を読み違えて不正解しまうといった方は、読書による国語力強化も考えてみては如何でしょうか?
(おまけ3)具体的なイメージ(目標)を持つことは大事
冒頭の「本当に資格を取りたいと思えるだけの目的・理由があるか」でも触れていますが、合格後のセルフイメージを持つことは国家資格など長期間の勉強が必要となる資格試験では、モチベーション維持のために大事なことです。
また、合格後に限らず、試験自体に関しても具体的な合格イメージを持っておくことをオススメします。
前述した『周りから何を言われようと関係ない。「自分だけは受かる」という固い意志を持ち続けること』にも通じますが、まずは試験を受ける以上は、1発(1回)で合格するという意識を持ち続けましょう。それが、日頃や直前期の頑張りに直結します。
何故なら、途中で合格を諦めてしまうと、そのイメージに沿った勉強の質、量になってしまいます。
例えば、勉強の途中で今のままだと合格は難しそうだから今年(or今回)はお試し受験にして、来年(次回)頑張ろうという気持ちでの勉強に変わってしまうと、結局お試し受験レベルの勉強の質、量に留まってしまいます。
結果的に1年目(1回目)が不合格であったとしても、最後まで諦めずに勉強することこそが、来年(次回)へと繋がります。
(ここからは上級者向けかもしれませんが、)
試験自体においても「ただ合格する」というイメージではなく、「何点で合格する」といった具体的な数字まで意識する方がより効果的です。
例えば、私は行政書士の試験では「初学者でも7割以上取って合格(試験は6割で合格)」を目標にした結果、無事目標を達成(得点214点(300点満点))することが出来ました。また、本試験までの過程においても、本試験で7割取るためには、小テストや答練などでも満点に近い点数が取れなければいけないから、そのためには、このぐらい勉強して小テストや答練に臨まなければならないなどとイメージしながら勉強していました。
こういったイメージを持つことが大切なのには理由があります。
何故なら、目標が明確な方が、その分目標達成の道筋も明確になるからです。
「(ただなんとなく)合格する」というよりも「1発合格」、「7割取って合格」とイメージした方が、「そのためには何をすべきか」ということがはっきりイメージできるようになります。
はっきりイメージできるようになると、次は行動に移しやすくなります。
つまり、7割取るにはどういった勉強をしなければならないか、どのぐらいの量勉強しなければならないか、或いはどこの教科(分野)で得点を稼いで、どのぐらい深くまで押さえておくべきか、といったことを常々考えるようになりますので、「今日はあの分野を勉強して明日はこの分野を…」「自分はこの分野が弱いので、重点的に勉強しないといけないな…」などといった感じで具体的に行動に移していくようになります。
資格試験の場合は、「(合格に必要な)行動=勉強」「勉強量≒合格」ですから、結果的に合格に近づいていくという訳です。
また、勉強量のみならず、「目標達成、そのためには・・・」という基準で何事も考えるようになるので、結果的に勉強の質(効率)も良くなります。
(ここで、「勉強量≒合格」としているのは、合格にはまずもって勉強量が大切ですが、必ずしも勉強量が合格の必要条件にはならないからです。)
まとめ
以上が、私が20個の資格試験に1発合格し続けてきた中で実践してきた勉強のコツ10選+おまけ3選を紹介しました。
この中で何か1つでも、受験生の皆さまのお役に立てば幸いです。
資格勉強法については、まだまだ話そうと思えば話せますので、今回とはまた違った形で色々とご紹介できればと思います。